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閑話 ある男の思い

まじめな話ってなんか苦手・・・・。

 男は自分の国について思った。


 昔、まだ幼かったときは国中の魔法使いの姿を見て自分も魔法使いになりたいと思った。


 だが、この国は昔から魔法使い以外はだめで、幼い頃に近所にいた友人たちも、10歳になって魔法の才能がないと判断されたとたんに国外追放されていった。


 男はたまたま魔法使いの才能があったため国に残れたが、友人たちのことを思うと気が重くなった。


 この国は魔法至上主義で、魔法使い以外を認めない国。だが、魔法使いであっても魔力の差によって差別もあった。


 男はここでも魔力が比較的高かったため差別はされなかったが、このときにも男の友人が差別された。


 なぜ、魔法使いでないとダメなのか。なぜ、魔法使いであっても魔力の低さで差別もあるのか。


 周りはそんなの普通じゃんというが、男は納得できなかった。


 ちがう!!こんなのが俺のあこがれた魔法使いの在り方としてあるんじゃない!!


  この国にも冒険者用ギルドがあるが、いるのは魔法使いのみ。そのため、魔法使いが苦手とするモンスターの討伐などが出たときにはほかの国のギルド任せ。


 男は冒険者としてギルドに入ったが、魔法使い以外がこの国に入ることはほとんどない。


 こんな国を変えたいと思い、偶然知った改革派に入った。だが、改革派は魔道具による平和利用と魔法使いでない者との差別の撤廃を歌っていたが、実態は魔道具の軍事利用の目的。


 男は思う。この国はもうそんなに長くないと。だが、生まれ育った国を捨て去ることもできない。




 そんな時に彼女のことを知った。ワゼという魔道具である。


男は魔道具の研究もしていたため、ワゼが魔道具ということはすぐにわかった。見た目が人間の少女そっくりで、可愛かった。なぜメイド服なのかは納得いかなかったが。だが、その性能もわかったのだが、その時男は驚いた。


 魔道具なのに感情のようなものがあるのだ。インテリジェンスウェポンとは違い、きちんとした不完全ながらも確かに感情があった。


 さらに、偶然ほかの国のギルドマスターに聞いて知ったことだが、彼女自身とんでもない魔導兵器でもあったという。


 調べていくと、彼女の所有者もとんでもない魔法が使えるが魔物使いという事にも驚いた。魔法使いになっていたらかなりの人物になっていたであろう。魔物使いとしてもとんでもない人物のようだが。本院はただの魔物使いというが、どこがただの魔物使いだよ!!と、ツッコミを入れたくなる経歴もわかった。


 男は彼女が店を出すというのでこれ幸いと思い、国に勧誘のつもりで彼女を観察した。


 魔道具ながらも、その内包されている魔力は多大で、起動時にどれだけの魔力が注ぎ込まれたのかもわかる。魔法使いには人が持っている魔力や、ものにこめられた魔力がわかるものがいるのだ。


その魔力量だけで所有者の魔力がとんでもないものだとわかる。



 彼女自身の話を途中でこっそりと聞き出してみた。彼女はどうやら元はあるダンジョンによって生み出された偶然の産物ともいえる魔道具だという。


 戦闘にも万能だというが、彼女の所有者は余り参加しないでほしいという。家事をするその姿が一番彼女らしいというのだ。それは大いに同感であった。


 結局、彼女を国に持ち帰ることはできなかったものの、この出会いは男にとって素晴らしいものとなった。魔道具であり強力な魔導兵器ともいえるが、こうやって穏やかに暮らしているその姿に感銘を撃たれたのだ。


 魔法使い至上主義の保守派、平和を歌いながらも軍事利用を企む改革派。この二つのことがどうでもいいように思えた。いつか必ずこの国は何かがきっかけで崩壊する。


 帝国も、皇帝が何かしらのことをやらかしたとは改革が進んでいる。宗教国も政教分離がされていった。


 次はこの魔道王国の番だと男は思う。この国が崩壊したら、今度は正しい方向へと導いていきたい。そう思いながら、その日が来るまで男は待つことにしたのであった・・・・。


次回から新章だよん

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