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『夏祭り前日』

いよいよか?

 いよいよ夏まつりが明日開催となった。今年はほかの国からも来る人が多く、世界的一大イベントともいえる。


あ、手紙が来たけど星光王国からの参加者はいないらしい。ギルド自体がないからな。一応、爺さんに声をかけてみたが、今次期国王の手助けなんかで忙しいらしいからでれないそうな。タヨも爺さんのそばにいたいから参加しないという。


 今回の祭りに出店予定のギルドが所属している国々は、今俺たちがいる『グライトス王国』、政教分離したのだが宗教国の『カルトック』、『獣人国家アンケロス』、『魔道王国マジカーン』、後その他諸国だそうだ。


 帝国は距離的な問題から参加はしない。転送魔法陣があるから来れそうなものだが、国家機密レベルだというからそう使えないそうな。魔道王国は国産転送魔法陣を使って来るそうだけどね。一応転送魔法の危険性も考慮しているそうな。


 祭り前日ということで屋台などが急ピッチで設立されていく。昨日まではなかった光景に驚くよ。何せ、カトレアがひそかに製造して売り出していた作業用ゴーレムがあちらこちらで見られるもんな。なお、構造を解析したりはできないらしい。軍事利用なんかを防ぐためで、重要な部分はしっかりとブラックボックス化したという。何気に結構考えられているんだよね。


 モンスターのゴーレムとはちょっと違ってロボットみたいな感じだがな。ある意味一種の魔道具ともいえよう。


 点検・整備・修理なんかもお手軽にできるように工夫を凝らしているから驚きである。ちゃんと消費者のことを考えられたゴーレムであった。



「こらそこ!!雑談しないでさっさと組み立てを再開しろ!!」

「へいっ!!」


 怒声が聞こえたので見ると、この王都のギルドが出店する場所でメタドンさんとその他職員たちが店を組み立てていた。結構大きいな。まだ完成はしていないもよう。


「おい!!そこは安全性のために補強しときといったとこやないか!!」


 聞いたことがある声がしたので見ると、ちょうど向かい側の方にモウカリさんたちが店を組み立てていた。


 互いに正面からぶつかる気かよ。なんとなく嫌な予感がしたのでこっそり俺はその場を離れようとした。二人に見つかったら面倒くさいことになりそうだもん。


「あ、ゼロ‼︎」

「おや、ゼロはんやありまへんか!」

「げっ‼︎」


どうやら見つかってしまったようである。走って逃げようとしたら素早く両肩をがっしり掴まれた。だてにギルドマスターをしていないよなこの2人。


「なあ、今なんで逃げようとしたんだ?」

「うちらが面倒くさそうとか思いまへんでしたかい?」

「あのー、一応俺無関係ですよね?」

「「関係あるだろ(やろ)」」


ああ、これは逃げられないな。なんか悟ったよ。


そのまま俺は2人の言い争いに巻きこまれていったのであった。助けてくれー‼︎


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うーむ、意外だぞい」

「どうしたんですか?お父様?」


 王都中心の王宮にて、参加国リストを見て唸っている国王を第2王女ローズは不思議そうに見た。


 普段からこの国王はとんでもないことを言い出したりするが、ここまで考えている姿を見るのは珍しいのである。ゼロの婚約者選びの時以来ぐらいではないだろうか。


 ちなみに他の王女や王子もいることはいるのだが、彼らは現在勉強中である。国王が退位するまでさせられる苦しみである。ローズは将来的にゼロとの結婚で王族から抜けることになるので、そこまで勉強しなくていいのであった。


「いや、この中に魔道王国が参加したことが意外なんだぞい。この国は確か魔法至上主義で、こうやって他国の祭りに対しては魔法がないからと言って参加しなかったのだが・・・」

旦那様(ゼロ)を狙っているのですかね?」


ゼロは魔物使いだが、自身も強力な魔法を使えることは知られているのである。魔法使いの方に行っていたらそれこそ飛んでもなに最強の魔法使いになっていたほどに。


 ゼロを魔法使いに転職させて国に取り込みたいという可能性もあった。


「いや、どうもこれは違うようだぞい。リストの名簿を見る限り、『改革派』の方だからぞい」


 魔道王国で今国内が二つの派閥に分かれている。昔ながらの完全魔法至上主義の「保守派」、魔法以外でも魔道具とかあるからそこまで魔法にこだわらなくていいじゃんと唱える「改革派」の二つがあるのだ。


「だが、どちらの派閥もいいうわさは聞かんぞい。ローズ、お前も念のため婿殿(ゼロ殿)の周囲を警戒してやってくれぞい」

「はい、わかりましたわ」


 実は彼女自身、剣の使い手でもある。ゼロに釣り合うようにと磨いていたらスキルに「聖剣」、称号に「思いの騎士」とまでついてしまっていたのであった。まあ、このことはゼロには秘密だが。隠れて努力したいからね。



「聖剣」・・・剣の扱いに非常に優れるようになり、剣の達人越えて超人となる。「剣豪」というスキルと対称な女性限定スキルである。

「思いの騎士」・・・思う相手のために剣を振り続けるとつく称号。


 祭りまであと1日・・・

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