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『店の出し物について』

短め

「ワゼ・・・かき氷を出すのはいいといったけどさ」

「なんでしょうかマスター?」

「この量はいったいなんだ?」

「試作品デス」


 俺たちの前にあるテーブルの上には、テーブルから落ちそうなほどの様々な色のシロップがかけられたかき氷があった。


「普通のだけではなく、様々な味を用意してみましタ。果実を変えただけですがネ」

「いや、これ腹壊すよな・・・」

「この量は確実に壊しそうですね」

「アタマイタイヨー!!」

「×」


 いつの間にかスラ太郎とリーゼが食べていたようであった。というか、そんなに食ったら頭キーンてくるよなそりゃ。


 そういや、この二人って腹壊すのかな?特にスラ太郎が。


「そういやこの果実とかは買ったのか?」

「私からの提供ですよ」


 カトレアが代わりに返事した。どうやら彼女が家の中に作っていた家庭菜園からのモノのようである。


 この世界の果物なんかはほとんど地球のに似ているからな。名称はやや違うが。後、植物系のモンスターにも果物のようなものがいるらしい。ここからはるか南方の島々限定のようだが。いつか食べてみたいな・・・。



 とりあえず、手分けして評価することにした。


「これは・・・ンミカか。甘酸っぱいな」

「んー!!すっぱいです!!」


 どうやらレモンに似たモンレとやらを当てたようである。一度口にしたことがあったけど、レモンの100倍ぐらいの酸っぱさなんだよな・・・。気付け薬として使用もされているようだが・・・。


「ほぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!辛ぁぁぁぁぁ!!」

「うおっつ!?」

「アルテミスが人化状態で火をはきました!?」


 赤いシロップがかかったかき氷を口に入れた瞬間、アルテミスが火をはいた。


「あー、ご主人。多分私が渡したものの中に果物じゃなくて、超激辛野菜の「ヒーハー」というのが混じっていたかも」


 カトレアの家庭菜園で栽培している激辛調味料の素か。加工したのはちょうど良い辛さらしいが、生の汁とかだと確かどんな生物でも泣き叫ぶレベルらしいやつなんだよな。あぶね、食べるところだった。


 見ると、ひくひくと痙攣してアルテミスが倒れていた。アルテミスよ安らかに眠れ・・・。


 何やかんやで何とか食べ終え、これがいいんじゃないかと決めたものにしたのであった。


 その片隅に、痙攣して倒れているアルテミスがいたが・・・・。こういったのってハクロとかがなると思っていたのに、彼女とはなんか珍しいな。夏祭り当日に槍とか降って来たりして。

なお、この後口直しに超激甘な果汁をたっぷり入れたのであった。今度は余りの甘さに苦しんでいたが。


夏祭りまであと6日

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