『湖の・・・4』
意外にしつこく続く
「えっと、アルテミス、こいつと知り合いか?」
「おい貴様‼︎その方はエンシェントドラゴン様だぞ‼︎人間風情が何気安く話しかけているんだ‼︎って、名前が付いてる⁉︎」
「主殿、こやつは我の姉の婿の弟の玄孫の嫁の妹の話し相手の親友の子供のレイクドラゴンじゃ」
早い話が他人ですね。というか、お前姉がいたのか。鑑定で調べるか。
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「レイクドラゴン」
その名の通り、湖に生息するドラゴン。自身の好みの湖を作り出し、そこに住み着く。他のドラゴンと違い、水中生活に適した方へ身体が進化した。なお、海には生息しておらず、海水が苦手だという。ドラゴンの中では唯一「人化の術」を会得できないらしいが、それでも人と会話可能な知性を持つ。ランクはS?
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「あれ、『ランクはS?』ってなんで疑問系?」
「ふっふっふっ、愚かなる人間どもに我の価値を測ることなどできないからだ‼︎」
「単にアホなところがあるからつけにくいんじゃろ。こやつらみんなアホが多すぎてな、力はあってもそこまでか微妙なんじゃ」
そんな理由かよ。
「エンシェントドラゴン様‼︎我はアホではございません!」
「では、なんであんなナマズが住み着いたんじゃ?ああいったナマズでもドラゴンが住むところには来ないはずじゃろ?」
「そ、それは、我はただ魚の種類を増やし、食べられるバリュエーションを増やそうかと」
「で、逆に魚を食い尽くされ、食べられかけたもんで今まで隠れておったということじゃな?」
「ぐっ・・・はい」
なるほど。あんなナマズ入れたらどうなるかわかりきっているのに湖にいれたのか。そりゃアホだわ。
「し、しかし、なぜエンシェントドラゴン様がこのような場所に?それに、確か名前は持ち合わせていなかったはず」
あ、話変えたよこいつ。
「ああ、我は単にこの辺りの温泉の調査に主殿といるだけじゃ。今、我はこの主殿、ゼロの従魔じゃ。名前も主殿にもらったんじゃよ」
「な、なんと⁉︎エンシェントドラゴン様をその人間が従魔にしているだと⁉︎信じられん!」
驚愕の表情を浮かべ、体全体をのけぞらせて驚いているようだった。
「おい貴様‼︎今すぐエンシェントドラゴン様との従魔契約を切れ!この方は至高の方で貴様のような人間ごときに縛られるわけにはいかぬ!」
「そんなこと言われてもな」
「だったら我と勝負しろ!!このお方にふさわしい相手か見てやる!!」
「俺一応魔物使いなんだが、従魔全員で相手すればいいか?」
「いや!お前ひとりでだ!!」
うわぁ、めんどくさいタイプのやつだこれ。
仕方がないので勝負することになったのであった。
湖からレイクドラゴンは上陸し、俺の前に立った。陸上でも勝てると思ったのだろうか?
「では、ゼロ様VSレイクドラゴン開始!!」
ハクロが審判役である。万が一のけがに備えて回復にスラ太郎が待機してある。
「ふははは!我の強さに驚くといいわ!『アクア・ボンバー』!!」
高笑いと同時に、魔法が発動されでかい水球が俺に向かって投げだされた。
「一応Sランクか・・・『フレイム・ボンバー』!」
全く正反対の魔法を俺は撃った。この魔法実は珍しくついになる魔法が存在しているのである。
「ふん、人間ごときの・・・え?」
その生み出された火球は、レイクドラゴンが放ったものよりもはるかに大きく、ジュッとあっというまに水球を蒸発させて・・・
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そのままレイクドラゴンに直撃し、その体を焼いた。
レイクドラゴンは水魔法で自身を慌てて消火したが、その体は真っ黒焦げになっていた。
「くっ、なぜこれほどまでの力を人間が持っている・・・」
「それは俺にもわからんよ」
本当はスキルのせいだと理解しているけどね。
「わかった、我の負けだ」
レイクドラゴンが降参し、俺は勝利したのであった。
「にしてもさ、アルテミスは初めて出会った時に俺の魔力の大きさをわかっていたのにさ、なんでこいつはわかっていない様子だったんだろう?」
「こやつはそういうところがあほじゃからよ。まあ、主殿の魔力が強すぎてむしろ読み取れなかったのではないかと思うんじゃが・・・・」
というか、もともと俺たち何しようとしていたんだっけ。
さて、調査再開だ。




