『火山調査開始』
それなりにあっさり
「まずは火山の状態を調べる必要性があるな」
「あれ?温泉元やそれを通しているパイプから調べるのではないのですか?」
「それはもう調べられているようだが、温泉元が水になっていて、その水が泥なんかも含んでいてそれによってパイプが詰まっていたようだ」
そもそも温泉は、難しい説明を省くと要は火山の熱によって地下水がそれになっているのだ。
「つまり、ただの水になっていて、泥なんかが詰まらせていたのが出ない原因。だが、温泉自体が消えている。ということは、火山の方に異常があるというわけだ」
「なるほど・・・」
「アルテミス、火口の真上にまで飛べるか?直接上空から覗いてみたい」
「了解なのじゃ」
アルテミスが人化を解き、そのドラゴンとなった背中に乗ってまずは火口を覗いてみることにした。他の従魔たちは従魔用空間に入れるのを忘れずにっと。
火口上空にきて火口をのぞき込んでみた。
「ふむ、マグマの熱や光なんかも見られないな。完全に火山が活動を止めているようだな」
「火山自体すでに冷めておるのぉ。こりゃこの辺一帯が冷えているはずじゃ」
そもそもここは北の方。春とはいえそれなりには冷える。だが、女将の話によると本来はもう少し暖かいという。
「火山の活動が急に冷え込んだからこのへんも冷え込み、温泉の熱源もなくなったのか」
「しかし、この火山まだまだ働き盛りだったように思えるのじゃが」
この火山は噴火自体は緩やかな物らしく、あまり被害がないらしい。だが、それでもしぶとく活動していたのだとか。
それでもこんな急に火山が冷えるものなのか?
「地下のマグマだまりの方に異常があるのだろうか?」
「じゃが、そんなところどうやって確認に行くんじゃ?」
『マグマがあった場合、いくらゴーレムでも耐えられません。元が木製ですし』
カトレアのゴーレムでも無理か。まあ、いくつかは金属製になっているが木製の部分が多いからな。マグマの中に入ってしまったら悲惨なことになるのは目に見えているな。
「となると、火山の活動を取り戻させるのが一番早い解決法か?」
「じゃが、その活動が止まった原因がわからぬと結局あまり意味はないであろう?」
なんかもう無限ループだな。
どうするべきか悩んでいる時であった。
キラッ
「ん?」
「どうしたんじゃ主殿?」
「いや・・・今なんか光ったような気が」
何か反射した光が目に一瞬だが入った。
「火山のすぐ近くに湖があるな・・・あれの水面が反射したのか?」
それにしては鏡のような反射光だったような気がするが。
「待てよ・・・・主殿、あんな湖なんてこの辺にあったか?」
アルテミスの言葉に、このあたりの地図を開いて確認すると・・・。
「あ、地図に載ってないな」
「こうして上空から見て気が付いたが、あの大きさ、地上におっても見つかりそうなもんじゃが」
つまり、地上からは見えず、空から見える湖か。怪しさ満点だな。
「よし、あの湖を調べるか。アルテミス、あの湖のすぐ横に降りてくれ」
「了解なのじゃ!!」
俺たちはどう考えても怪しい湖に行くことにしたのであった。
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「お、気が付いたようだね」
「私たちの存在がばれないでしょうか?」
「こうして隠れているから気づかれないYO」
「さて、あの湖の中にいるやつが原因だと思うが・・・倒せるかな?」
茂みに隠れる三人組の姿にはゼロたちは気がついてはいなかった・・・。
湖か・・・。




