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『この国の冒険者事情』

どこの世界にも似たような事情はあるんですよ。

「がっはっはっはっはっはっは!!まさかこの儂がたった1発の魔法でやられるとはなぁ!」


 元気だなこの人。


 試合終了後、すぐにセイヌマカさんは目覚めた。


 で、今現在絡まれています。


「いや・・・ほんとに立った1発でこうなるとは思っていなかったんですけど」

「ほんまですよ!これでうちの冒険者ギルドで1番の実力者なんやで!!こうなるとはうちも思っていなかったんよ!」

「あの魔法は単に爆発を起こすだけの魔法なんですけどね」

「ゼロ様が時間稼ぎする程度に威力を手加減していたんですけどね」

「見る限り実力はありそうじゃがの。魔法に対する耐性が低いのかのぉ?」

「いや、そうじゃないんだよドラゴンの姉ちゃん。儂はこの国で最も防御力がある男でもあるのだよ」

「ト、イウーコトハー?」

「この国最高の実力者がこれという事ですね。まあ、人間以外であればまだ上には行けるんでしょうけどね」

「ドリアードの姉さんやそれなんよ。うちの冒険者が弱い理由は」


 なんかもうはっきり弱いっていちゃったよ。大丈夫かよこの人(ギルドマスター)


 モウカリさんの説明によると、『人間以外』なら確かに強い人がいるらしい。


「だけどな、数年前にこの国は変わってしまったんよ。急に人間以外はだめだと言い始めてな、ギルドではその辺はいいはずなのに、干渉してきおってからに・・・」


 ギルドは本来あまり国から干渉は受けない。だが、数年前に神官が変わったときに干渉されたらしい。亜人はだめだなどの規制をかけられたそうだ。


「しかも、人種至上主義のようやるからこの国全体から人間以外の者は消えてしまったんや」

「そうだの・・・このギルドもかつては様々なかわいこちゃんがいたのになあ」

「そうだそうだ!!」

「エルフのビヨンちゃん、ドワーフのバン姉さん、獣人のピョンキちゃん、などの亜人の美人美女がいたのによぉぉぉぉ!!」

「それがみんな今国の居心地が悪くなって出ていっちゃたんだよ!」

「今じゃそこの若作りのば「「「誰がババアよ!!」」」ほげっつ!?」


 あ、受付嬢の一斉射撃(手元の筆や瓶)によって今の冒険者が撃沈した。あれはあいつが悪いな。


「そのせいでほかの実力者も減ったんや。獣人戦士の『狂犬』ガウや、癒し系小人の僧侶『ミニマム』ゴッチはん、よくギルドを爆発させたエルフの魔法使いの『爆裂』ペローはんらもこの国から出ていきおったわ」


 その最後の人はいなくなってもよかったんじゃ?


「かといってな、この国に深く根付いている「モー神教」が相手ではあまり強気に出られへん。モー神教だけに盲信的な信者や狂信的な信者からけったいな嫌がらせを食らうんじゃい」


 宗教が問題を起こすのはどこの世界でも同じなんだな。別の大陸にある国では大昔に鬼神教と魔神教の争いがあったらしいしな。


「だからうちらはこの国の宗教をぶっ壊したいと思っておる。だが、歯が立たんのよ」

「歯が立たないのですか・・・」

「あの宗教の神官とその側近及び取り巻きたちには強力な魔道具があるんでっせ。「神が作りしもの」とか言っているけど、実際は真っ赤なウソ!ダンジョンからの流用品やで」

「ダンジョンから?」


 話によると、この国には神殿のすぐそばに数年前からダンジョンがあるという。だが、外部公表はされておらず、この国だけの秘密だという。


「それ俺に言ってよかったんですか?」

「ああ別によかね。どうせいくら隠してもすぐばれるもんや。なんせ神殿のやつらがちょくちょく冒険者をこのギルドから呼んでは採らせに行くからな。あのむかつかうハゲくそ親父の手紙にもあったが、あんたらを襲ったあの冒険者グループの持っていたやつも、うちが確認したダンジョンさん魔道具やで」


 あ、そんなこともしっかり書いてあったのか。てっきり煽り文だけかと。


「ん?でもダンジョンからそんなに魔道具が出ましたっけ?」


 確かにダンジョンから魔道具が出ることはあるらしいと、前のダンジョン都市の時に学んだ。だが、それは極稀にしか見つからないはずだ。


「それがどーも、モー神様のお力とか言っとるんやで。だけど、それはただの偶然やろ。そんなダンジョンに神が力を出したというならなんでモンスターが出るんや!神ならモンスターも出ないようにするやろ!!」


 まあ、そうだよな。


「うちかてその魔道具類を他国に売りさばきたいんに、あんのくそ信者どもが「これは神が」とか言って渡さんのや!!冒険者を派遣しているのはうちやのに、金しか渡さん!!しかも安いわ!」

「断りたくても、神殿からの嫌がらせか・・・」

「そうなんよ!!」


 うぁぁぁぁぁぁあと熱弁するモウカリさん。それはほかの冒険者たちも同意のようであった。


「にしても、強力な魔道具ね・・・」


 こりゃ厄介だな。いくらハクロたちでも不利になりかねん。


「そのダンジョンってこっそり潜れないんですかね?」

「ああ、見張りがおるからな。こっそり持ち出したくても無理なんや」

「それに、そんなことをすればたちまち神殿の者たちにつかまる。あいつら全員魔道具持ちだからな」

「見張りって出入り口だけですよね?」

「そうなんやけど・・・なんか思いついたんでっか?」


 ダンジョンは地面の中に形成される。つまり・・・・・・。


 






地面の中と言えば・・・?

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