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『セイレーンinギルド』

今回は第三者視点でお送りいたします。

「はあっ⁉︎セイレーン⁉︎」


ギルドでその声が響き渡り、いったい何事かと思った冒険者たちがその声の方を見ると、ドジっ子受付嬢で有名なミウと、ダンジョン調査の報告をしている冒険者の姿があった。


その冒険者の後ろには美しいアラクネがいたためにすぐに「怪物殺し」だと全員が理解した。


「はい、確かにそうです。水に住むマリンセイレーンが21階層の沼地に1体だけでしたがいました」

「せ、セイレーンってAランクモンスターよ!その階層にAランクが出たなんて・・・」


その言葉は、ギルド内で聞き耳をたてていた冒険者たちに驚愕をもたらした。


その階層にAランクモンスターがでた。つまり、それより下の階層にも出る可能性があるのだ。


それはつまり、下手すると調査どころではなくなる危険性があるのだ。


「ついでに、そのセイレーンを従魔にできましたので登録をお願い致します」

「はあっ⁉︎」


さらに、そのセイレーンが従魔になったという。もはや驚きを通り越して何も言えなくなった。


「ほら、後ろのゴーレムのなかにいるでしょ」


怪物殺しが指差した方には、手足がおまけ程度についた腹部が水槽のようなゴーレムがあり、その中には水が満たされているのかゆらゆらとのんびり泳ぐセイレーンの姿があった。一応、上半身にはさらしのようなものが巻かれていたために少しがっかりした冒険者がいたが。


「ほ、本当にセイレーンですね。マーメイドや人魚じゃありません。ん?でも、なんで沼地にいたんですかね?」


その疑問に冒険者たちは気がついた。本来なら海の方に住んでいるはず。なのになぜ沼地にいたのか?


「その理由はおそらくスキルのせいじゃのう」


その疑問に答えを出したのは、怪物殺しの従魔、エンシェントドラゴンで現在人化しているアルテミスであった。ちなみに、彼女のことはこのダンジョン都市でも密かに姉御と呼んでいる者たちがいる。


「こやつのスキルには『環境適応』があった。つまり、海のような場所でなくともそれなりには生きれたのじゃろう。あ、ちなみにこやつは今年生まれのようじゃ」

「◯」


沼地にいた理由は納得はできた。しかし、今年生まれの方が信じられなかった。手で「◯」をつくって肯定しているようだが、外見は人でいうとこの17歳ぐらいだったからだ。


「え・・・そのセイレーンは今年生まれなんですか?どう見てもそうは見えないんですが?」

「これは種族というか、モンスターの特徴のような者じゃと思う。ベビーがつくモンスターはおるが、それは大抵は親がいて生まれた者が多い。じゃが、こやつの親は誰じゃ?ここのダンジョン自身が産み出したものじゃ。それゆえ、最初からかなり成長した姿になっておるがこやつの頭は多分まだ子供じゃ」

「?」


話がよくわかっていないのか、セイレーンは体全体で「?」と表現していた。


その姿に心を撃ち抜かれたものがすでに数人いて、鼻血を出して倒れる者が出てきた。


「あー、とにかくわかりました。では、従魔登録を致しますが、あのちょっとお願いできますか?」


なんかミウさんが両手をあわせた。


「なんでしょうか?」

「セイレーンと言えばその歌声で有名なモンスターです。是非とも聴いてみたいんですけど一曲お願いできますか?」

「リーゼ、一曲歌えるか?」

「◯」

(((((よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎))))


聴いてみたいと思っていた冒険者たちの心がそのとき1つになった。


リーゼと呼ばれたセイレーンが歌い出し、その歌を聴いた瞬間、その場にいた者たちはその素晴らしさに感動し、ある者は今は亡き家族を、ある者は故郷を、ある者は大事な人のことをそれぞれ思い出し、その日、ギルドではたった一曲だけの素晴らしい歌声が響き渡り、聞き惚れるあまりに業務が少し遅れたのであった。

小説ゆえ、その歌声聴けない。残念。

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