『帝国までの道中2』
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王都を出てから1週間ほど。俺たちはクラィング森林のところまでたどり着いていた。
「ここに来るのも久しぶりだな」
「前は依頼でここまで来たんでしたよね」
「私にとっては故郷・・・」
そういえばカトレアはこの森出身なんだっけ?
前はこの森の中にある道から外れてまっすぐに山の方へ向かったが、今回は一応道なりに進むことにした。ま、途中で進路変更をするが。
「そういえばさ、エルフの集落もこの中にあったよね。あの村のエルフたちも元気かな・・・」
「エルフの集落か。見てみたいものだがな」
「モッセマンさんはその時にはいませんでしたからね。ま、今回はその村による予定ですので一応見れますよ」
「ほんとかね!いやー、ゼロ君がうちの生徒で本当によかったよ。もし学校に入らないでそのまま冒険者なんてやっていたら絶対に知り合えなかっただろうからね」
「そうですかね・・・?」
この人の性格のことだ。もしかしたらスラ太郎のことを聞きつけて出会っていた可能性があるんだよな。この人のモンスター、特にスライムに対する好奇心が常軌を逸脱しているもんな。
途中、エルフの集落があるはずの方に馬車を向け、少したってエルフの集落の入り口のあたりまで来た。
「ここかい?何もないように見るんだが」
「結界がありますからね」
結界によって集落は見えなくなり、入れなくもなっている。
「ですが、アルテミスと一緒にいると・・・」
アルテミスは前にこの村でエンシェントドラゴンだと知られていた、その時についでに結界の認識に登録してもらっていたのだ。
そのため、アルテミスを出した状態で入ると、目に前にはエルフの村が広がっていた。確か2年ぶりだっけな?
「ここがエルフたちが住んでいる村か・・・」
モッセマンさんは感激のあまりものすごい涙を流していた。
2年しかたっていないとはいえ、村は少し大きくなっているようだった。
「あ、外から誰かはいってきた」
「ホントだ!エルフじゃない人たちだ!」
「あ、あのお方はアルテミス様だ!!」
「なに!!」
エルフたちがアルテミスのことに気が付き、騒がしくなってきたので俺たちは早々に村長さんの家に向かった。
「これはこれは久しぶりですな。アルテミス様にゼロ様」
「村長さんも変わらないようで」
「久しぶりじゃのう」
というか、エルフって長命の種族のせいか外見がほとんど変わらないんだよね・・・・。なんか村長さんアフロになっているんだけど。
「村長さん、なんで髪型が変わっているのですか?」
「うむ、たまには変わった感じにしてみたくてな。どうしようか悩んだ末にこれにしたんだ」
エルフの人って顔立ちは整っているからな・・・なんか違和感の塊にしか見えない・・。
そこで久しぶりに話した後、俺たちは以前泊まったところに今回も泊まることにしたのだった。
ちなみに、あれ以来この里には奴隷商人が来なくなったらしい。結界を強化したそうな。
次はいよいよ帝国へ




