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『朝の恐怖再び』

閑話の翌日である。

ちょい恐怖コメディ入れてみました。

一夜明け、俺は目覚めた。が、まだ意識がはっきりとしなかった。


(この朝の少し漂うような眠気がまた心地良いんだよな)


朝食は9時にと頼んだ記憶がある。大体感覚的にはまだ早いような感じがした。


(でも、早起きは三文の徳というし、起き・・・あれ?)


体が動かない。まるで手足に重しが乗っているような感じで、重くて動かせないのだ。なんか柔らかくてそれでいて重・・・ん?


なにやら嫌な予感がしたのでら自分の体が今どうなっているかを確かめるために、目をしっかり開けて確認した。


(よ、予感的中・・・)


そういえば、昨夜ハクロ達を従魔用空間に戻していなかった。そのため、この部屋でしか寝ることができなかったんだろうが・・・。


(だからって、なんでみんな俺の体にのしかかっているわけなんだよ⁉︎)


従魔全員が俺の周りで寝ていた。あちらこちらに布団などがあることから、そっちに寝ていたようだが、あまりにも寝相が悪かったようである。


スラ太郎は、俺の枕元にて人型の姿で枕を抱いて寝ている。カトレアは木の根が足についたまま俺の足の上に寝転んでいて、アルテミスは俺の左手を下敷きにして鼻ちょうちんを出して寝ていた。


そして、ハクロはというと、天井から蜘蛛の部分から出した糸でぶら下がって、上半身が俺の頭の上にいた。


一瞬、そこはよく見かける蜘蛛みたいだなと思ったが、危険なことに気がついた。


今は天井からなんとかぶら下がっているが、落ちてきたら確実に俺は潰されてしまうということである。しかも、今糸は結構頑張っていたのか切れかけていた。


一般的に、ハクロのようなやや大型のモンスターは体重が200〜600キロ近くあるという。つまり、ハクロの体重は最低でも200キロはある。普段は軽々と動けているが、それは体の構造がまず人間とは違うことにあるらしい。


だが、最低でも200キロということに今は恐怖を覚えた。


もし、万が一今ぶら下がっている糸が切れたら・・・。


また、起きた際に気が抜けて俺の上に降りたら・・・。


悲惨な未来しか見えない。


あの、吸血鬼のような奴や、昨夜戦ったデンジャラスボックスの時よりも命の危険を感じた。


(急いでここから逃げないと‼︎)


今俺にできるのは、ハクロの下からなんとか逃げることである。だが、アルテミス達が手足にまとわりついていて、唯一動かせるのが右手のみである。


全魔力を集中し、右手のみにエンチャントをめいいっぱい限界まで上乗せしてかけ、右手のみで移動をすることにした。




なんとか右手を床に突き立て、体を牽引しようとした途端に。


ブッン


「あ」


ハクロを天井になんとかぶら下げていた糸は、限界がきて切れた。


さすがに終わったと思った。


だが、どういうわけか体が宙で少し回りをしたらしい。


ドッシーン‼︎


地響きを立て、ハクロが落ちてきたがその体全体がのしかかることなく、半分だけ俺の方にのったが、ふみょん、と、柔らかいハクロの前についているものがクッションとなりそのまま勢いを殺して、ギリギリのところで俺は助かったのであった。


いや本当に人生最大の危機だったかもしれない。


ちなみに、ハクロは俺の左手側に落ちてきた。つまり、アルテミスにのしかかっていた。が、さすがドラゴンというべきか、かなり重いはずなのに潰れてはいなかったのであった。こちらも前にクッションみたいな大きなものがあったからね。

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