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閑話 三人組

さてさて・・・

 ゼロたちが寝静まったころ、洞窟の跡地には三人の影が集まっていた。


「そうか、黒魔石を入れていた箱がモンスター化していたのか」

「しかも黒魔石の力の残滓と、彼が連れていた従魔の血を吸って進化していたしね。いやぁ、結構な見ものだったよ。魔法が簡単に通用しない相手となっていたからね。結構苦戦していたみたいでさ、最終的に初めて見る従魔がさ、ゴーレムを出して無理やりその口をふさいでドラゴンの娘とともにすごい炎で消し去ったんだよ」

「結構激しかったというのはこの場を見ればわかるな」


 一人がつぶやいてその洞窟の跡地を見た。あたりは焼け焦げていて、あまりの高温のせいか地面が一部ガラス化していた。


「はぁ、私の方は疲れましたよ。あの次期当主だがなんだが言っているやつに金を渡したらまだ搾り取れただの、少ないだのさんざん文句を言われましたよ」

「それは災難だったねぇ」

「それならその金をとるために近づいたわたしのほうが疲れたんだが。わざわざふざけた格好してあと2週間はこの姿を見せなければならないかと思うと・・・つかれたYO」

「なんかその口癖気に入っていません?」

「気のせいだ」

「いやでも」

「気のせいだ」

「は、はい」


ジョン・デーの姿のその顔で押し切られてもな・・・と、思ったがそのことは口に出さないことにしたのであった。後でそのネタで散々いびるつもりであるが。


「それにしてもそんなモンスターを倒してしまうなんてやっぱりもう彼は「あのお方」であるよね」

「ですが、「あのお方」ならもっと違うような感じでしたけどね?」

「たしか「あのお方」は禁術指定Sランク呪文『魔道転生』を使ったはずだからね。記憶は魂に眠っているのさ」

「しかし、そうなるとその魂に残っている記憶を呼び起こさせたいな」

「ま、今はまだ無駄だと思うよ。彼はまだまだ成長する。そういう感じさ」

「もっと成長したらその記憶を呼び起こさせると」

「そういうこと。彼に従魔にしてほしいと思うのも「あのお方」の部分があるからだろうし、その辺をしっかりしていきたいよね」

「でも、今回黒魔石が原因で生まれたモンスターによって従魔が傷ついたときに結構怒っていましたよね・・・」

「我々が黒魔石を創り出していると知ったら絶対に敵対されるであろうな」

「ま、とりあえずここでの黒魔石の研究はあのバカな領主のおかげで完了したし、後はこの洞窟にある僕たちの痕跡を消すだけさ」


 明るく一人の男が言ったが、残る二人はその性格の軽さにあきらめがついているのであった。


「でも、確か彼は空飛ぶ怪人の調査で来ていたよね。その犯人が僕らだと知られるわけにはいかないけど、その事件の原因がなんなのかは知ってもらいたいよね。ここのバカな領主にはストレスが溜まっているし」

「確かにそうですね。農民に反乱でも起こさせて、領主の屋敷を襲撃させてそのどさくさに紛れてこの屋敷で行われていたことをすべて彼に見せてあげたいですね」

「というわけでジョン・デー君」

「いや、それは仮の名前ですって」

「どうでもいいでしょ。それよりも彼は確か調査のために2週間はここに滞在するんだよね?」

「ええ、そうされてましたからね」

「じゃあさ、こっちが細工し終わるまでに、彼に必要最低限ここのひどさを教えてあげてね」

「え?」

「じゃ、解散!!」


 その一人の男は解散すると、そのまま闇夜に溶け込んでいき二人が取り残された。


「えっと、とりあえず何か命令があれば私もすぐにきますのでそれまでは」

「おいちょっと」

「じゃ」


 逃げるようにして一人だけ残された男は、どうしようかとジョン・デーの姿のままで悩むのであった。

細工とはいったい何をするのか・・・

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