家庭科魔法しか使えない魔法少女
「わぁ助かったわありがとね」
「いえいえ、これぐらいのこと全然平気です」
私はいつも家事で困っている人を手伝う少女、メド、人呼んで『家事の魔女』と呼ばれている。
読み方からしてカジノマジョにすれば賭博女王とか、火の魔法とかにたけた凄いひととかになりそうな気もしなくはない。
でも、結局は家事の魔女、なぜ家事の魔女と言われるのかはわかりきってることで
「ちょっと家事の魔女すまんがパンを作ってくれないかのぉ、なんせ体が思うように動かんのでのぉ」
「あっわかったよお爺ちゃん、ちょっと待っててね」
体が思うように動けないおじいさんの為にパンを作る魔法を唱える、でもそれは至って地味、すぐにはできずに私独自の魔法を唱えるが、出てきて、それを魔法の通りに行動に起こすだけ。
そして、パンが完成すると焼き釜とかそれに必要なものが消え、残ったのは出来立てほかほかのパンが完成した。
「ごめん、お爺ちゃん時間かかっちゃって、できたよパン、はいどうぞ、気を付けてね」
私は暑くないように包み紙でおおったパンをおじいさんに手渡す。
おじいさんはニコリと笑ってもらうのであった。
なぜ、私が時間かかっちゃってごめんと言ったか?
私の魔法は魔法らしくすぐには構築できずかつ地味で基本的に現実と何も変わらないからだ。
だから、パンを作る工程は変わらないわけで通常と比べたら、断然早い方だがそれでも私は冒険者になりたいという夢を描いてる訳でして……
「はーなんだかなー」
気づけば、もう既に太陽は沈みかけてほのかに夜が迫ろうとしていた。
私は冒険者になりたくてなったわけだけど、まさか私のスキルが日常系とかよくわからないスキルによって攻撃魔法もこんな風に実用的な日常に役立つものになってしまうから、残念だ。
まぁ役に立ってるからいいけどね。
でも……
「冒険したい……な」
ぽつりとそんなことを空に向かって呟く。
「メド姉ちゃーん、ご飯できたよー!」
「あっ ヒーナちゃん……」
「どうしたのぉメド姉ちゃん?」
小さい顔がこちらをのぞきこむ、その顔は心配そうな感じだった。
ヒーナちゃんとはいつもお世話になってる下宿先の家族の娘だ。
いつも元気で朗らかな子である。
私は心配を掛けさせまいと明るく努めて言った。
「うんうん、何でもない、ヒーナちゃん教えてくれてありがとね」
私はヒーナちゃんの頭を撫でるのであった。
ヒーナちゃんはえへへと言って笑顔を浮かべるのであった。
「それじゃ行こうかな~お姉ちゃんお腹減っちゃった」
「ヒーナもお腹すいたー!」
魔法は使えるけど日常系というよくわからないスキルで悲しくなったけども、悲観せずとも私のスキルは街の人たちに笑顔を与えられてるならまぁその日常も悪くはないかなと思うのであった。




