願い。
同時投稿の二話目です
村の子供たちから、エセ坊主と馬鹿にされる僧侶がいた。
でもそれは両者に関係ができているから。
誰からも好かれていたその人は、誰にも明かさない想いがあった。
飢餓に苦しむ者。
災害に嘆く者。
疫病に犯される者。
彼はなんとかできないものかと、常に悩み続けていた。
やがて男は修行を始める。
五穀を断ち、全国を行脚した。
蕎麦やキビを断ち、木の実などで飢えを凌ぐ。
漆を飲み、身体が朽ちないよう準備を進める。
弟子に穴を掘ってもらい、狭い石室をつくった。
座禅を組み、生きていることを鈴で知らせる。
ただ一心に唱えた。
これで思いは通じるのか。
奇跡を起こせるのか。
疑問を浮かべてしまったのが原因だろうか。
結果は無残なものに終わる。
彼は姿勢を保つことができなかった。
即身成仏は失敗した。
悟りはひらけず。
だが、その想いは偽りだったのか。
・・
・・
終わらない夜。
・・
・・
私は確かにみた
その子供に
消え入りそうな命の灯火に
輪廻へ帰ろうとする魂の奥底に
救世への願いを
次の章で最後となる予定です
神技一覧を更新したら、しばらく投稿はとまるかと思います。




