12話 ラファス防衛戦⑤
戦いが始まって数時間が経過した。
輝く白い狼煙が空にのぼり、外壁や町壁に列をなす。
喧騒は止まず。
夜明けはまだ遠い。
〖種吐き花〗は最終世代が消えるまでに、再び第一世代を壁上に召喚させなくてはいけない。
〖雨〗の範囲は広くなるほど効果が薄くなる。
また天人菊には地上へ降りれる水使いがいないので、モニカが〖肥料液〗を直接ふり撒く。しかしそうなると〖雨〗とは違い、〖発芽〗する位置が偏ってしまうので、魔物に刈り取られやすくなってしまう。
〖宿木〗を受け持つのは、男型の木人とルチオにヤコポ。
ただ天人菊の持ち場は〖宿木〗だけでなく、魔物はそれ以外の場所も狙ってくる。
〖鎧の鎖〗や〖後光〗など、雑魚を集める神技がないのは、壁を守る上でけっこう不便だった。
モニカが得た神技の中に、そういった効果があったのは良かった。
まず〖水伸〗でずぶ濡れになると、〖寒波〗による悪寒が強化される。
そして悪寒のデバフを受けると、魔物は火属性に寄ってくるので、モニカとトゥルカは〖宿木〗から少し離れた壁際を守ることになっていた。
「ゾーエお願いっ!」
「ラウロさんが居ないもんは仕方ねえ、もったいないけど祝福は諦めろ!」
凍える鬼が〖炎鎧〗に集まれば、壁の上から〖火炎放射〗が降ってくる。
「とりあえず俺が応援しといてやらぁ 頑張れっ!」
彼には炎耐性があるし、モニカも〖氷衣〗をまとっているので、敵味方の判別はしない。
「……トゥルカ」
可哀そうな人を見る目で、ゾーエが彼の名をつぶやく。
本物の戦場だからか、ダンジョンで活動している時より悪化している気がする。
だが嘆いてもいられないので、近場にいた水使いに指示をだしてから、地上の二人へと。
「消毒の雨を降らすから、壁に近づいて!」
モニカは炎に包まれながらも、燃えあがる鬼どもから意識を反らさないよう、少しずつ壁際へと足を進めていく。
「できれば噴射もお願い!」
「わかった。トゥルカはどうするっ!」
しがみ付いてきた小鬼の首を絞めながら、火炎放射の範囲から抜けだし。
「熱消毒してっから、俺は〖雨〗だけで十分だ!」
獰猛な笑みを浮かべたまま炎から出てくるのは、ちょっと怖い。
時に強引は説明をすっ飛ばし、理屈をも通り越す。
肉鬼の細菌は熱にも強いのだけど、根性でなんとかなっているらしい。
〖宿木〗の向こう。モニカたちの反対側は〖赤光玉〗からの〖炎球〗や、剣使いの中距離攻撃で対応していた。
鎧使いが壁上から〖滑車〗の鎖を放ち、鬼の防御力を低下させているので、〖風刃〗でも手傷を負わせる分には問題ない。
剣使いは瞬きを防止できる特殊なゴーグルを装着しており、その側面には注射器の差し込み口があって、ジョスエが調合した液体で満たされていた。
「あぁ なんかムズムズする」
もともとアリーダのために制作した品であったが、集中力が削がれるといった理由で採用されず。
それでも壁上で中距離に専念するなら有効なはずだと、事前にジョスエが用意してくれていた。
「ゾーエさんっ 捌き切れませんっ!」
「〖血刃〗が時間差で効いてくるはずだから、もう少し様子を見て!」
〖巻き取り〗を発動させ、一体の骨鬼をこちらに引き上げ、〖貴方の剣〗で突き刺す。
「骨には血刃が効かないんですっ!」
弓兵は今のところ少なく、殆どが槍や剣を持った個体だけ。
「木人さんをこっちにお願いできませんか!」
女型は〖眠者〗を守るために行動しているので、壁上にいても受け持ちは〖宿木〗の近くだった。
宿木の弓は弦の部分が蔓になっており、矢は羽根の代わりに葉っぱがついている。
ただ幹に触れなければ矢の補充ができないため、現在はこちらで用意した矢筒を使う。
「もし無理だったら、ヤコポから木人に頼んでもらう!」
ゾーエの見立てでは、骨鬼の対処は〖炎球〗だけで問題はないはず。
隣組の盾使いが〖呼び声〗を使っているので、外壁の隙間から小型や中型の鬼が通り抜けていた。
〖岩柱〗は敵に精神の圧迫を与えるため、大半の魔物はそのまま町壁を目指すが、中には抗って回り込んでくる個体も存在した。
もし壊されたら、黄色の狼煙を上げなければいけない。
臨時で加入してくれた土使いは、まだ自分の〖岩柱〗が使えるけれど、一人につき一度という制限があるため、召喚したら拠点に報告する決まり。
アドネは夜目を活かし、矢を放ちながら。
「ちょっと手が足りない。岩亀って回せますか?」
彼は〖大地の腕〗や〖岩鎧〗も召喚できるが、現状だと一度に呼び出せるのは二種類だけ。
「〖狼〗の援護で手一杯だ。それによ、もうすぐ壊れちまうなこりゃ」
〖繋がる心〗が断魔装具で強化された影響か、自分の手勢がどんな状態かを、今までよりも把握できていた。
装備の鎖を使いローブに交換し、茶色の光を徐々に強めながら。
「すまんけど補充に取り掛かる」
「わかりました」
アドネは同じ受け持ちの槍使いに目を向ける。
彼女は〖伸〗を放ち、〖岩柱〗を狙う小鬼を狙うが、寸前で回避されてしまう。
こちらに来ている時点で、この個体は雑魚でも強い部類に入る。
小鬼は石を彼女に投げつけてきた。
「いやぁっ!」
思いもよらぬ反撃に、思わず凸凹へ身を隠す。
「防護膜があるから、当たっても大丈夫だよ」
「うぅ でも怖くて」
参戦してくれているだけでもありがたいと、アドネなりに気持ちを切り替え。
「蓄積回数が満タンになったら、一気に〖伸〗を全部放って、使い切ったら隠れるって感じなら行ける?」
「やってみます」
彼女が蓄積できるのは三回分。
「狙うのは同じ個体で良いよ」
槍の柄におでこを当て。
「お父さん……お母さん」
意を決して立ち上がり、狙いを絞ってから〖伸〗を全て使い切ると、すぐさま凹凸に身を隠す。
結果はどうなったか分からず。
「それでいい。上手くいった!」
「はいっ」
殺せてはいないが、けっこうな手傷を負わせることには成功している。
出来ることだけやればいい。
「えへへ」
自分でも役に立てたと、少しだけ自信を持てた。
そんな気持ちを無視するかのように、甲高い笛の音が鳴り響く。
・・
・・
男型の頭部に、小さな斧が突き刺さっていた。
木人はその場で倒れ、土へと帰った。
地面に残された斧が瘴気に包まれ、次の瞬間には消える。
ルチオは忌々し気に。
「つくづくゴブリンには縁があるな」
魔物の装備は瘴気が実体化したもの。
そいつの手元が黒い靄に包まれると、斧の形へと変化して具現する。
他の個体よりも大きく、薄汚い軽鎧をまとう。
だがまとう空気は中級の第一ボスではなく、練習ダンジョンのアイツに近かった。
「ヤコポさん!」
陰キャは返事もせず、即座に笛を取りだすと、力いっぱいに音を鳴らす。
ルチオは姿勢を整え。
「ボス級出現、瘴気を確認したっ!!」
続けて〖激励〗を使い、周囲の味方を強化する。
近場で戦っていたモニカは、〖宿木〗の方を一瞬確認してから。
「ここは私が受け持ちます、トゥルカは援護にまわって!」
〖氷衣〗をまとう彼女の方が、一人残されても対応できる。
壁上のゾーエは〖白い狼煙〗に〖紫の着色剤〗を零し。
「アドネは〖夢〗の準備を始めて!」
「わかった」
〖狼〗の数を減らすわけにはいかないので、量産品の将杖を使う。
今はただ、少しでも早く救援が駆けつけてくれるのを祈るしかない。
・・
・・
小鬼は右手に持った【斧】をルチオに投げつけ、そのまま間を空けずに地面を蹴って接近してきた。
片手持ちの〖戦槌〗で【斧】を弾くも、こいつが〖炎の鎧〗に怯えるわけもなく、すかさず【左の斧】でこちらの足を狙ってくる。
なんとか盾で凌いだが、意識をそちらに向けていた所為で。
「やられたっ」
【戦槌】を奪われてしまった。
ルチオの斜め後方より、ヤコポが〖宿木の槍〗で突いてくれたが、小鬼は後ろにさがり距離をとる。
間合いがひらいたと安堵した次の瞬間には、迷いなく再び接近してきた。
【斧】を盾で受けるが、【戦槌】への対応が間に合わず。
「ぐぅっ!」
ヤコポが間に割り込み、【戦槌】を〖肩当〗で受ける。
「すまねえ!」
小鬼の側面に回り込みながら、装備の鎖で得物を切り替え、両手で握った〖柄〗で相手を押しのける。
体格差はルチオの方が上。
後ろにさがった小鬼に〖戦槌〗を振り下ろすが、奪われた【戦槌】で防がれた。
続けて【斧】が来ることは読めていたので、柄を操作して受け止めに成功。
「トゥルカっ!」
「必中!」
振り落とされた〖両手剣〗に【戦槌】を引っかけ、そのまま横に弾く。
「閃き使いやがったなっ!」
どうやら必中よりも閃きが優先されるらしい。でも小鬼は避けてはいない。
ルチオは一歩さがり、地面に〖地炎撃〗を撃ち込む。
〖狼〗を抜けた雑魚が近寄って来ていたが、ギリギリで間に合ったようだ。
しかし肉鬼だけでなく、斧持ちの小鬼にも効き目は薄く、歩行阻害(弱)を無視してルチオを狙う。
「させっか」
足もとには〖聖域〗が展開されていた。
片手で〖宿木の槍〗を握りしめ、突くことにより小鬼の接近を防ぐも、身体を横に反らして躱される。
それでもトゥルカが地面に〖剣〗を突きたてる時間は稼げたようだ。
〖地炎撃〗による歩行阻害(中)は、どうやらある程度の効果があった。
アドネが天に〖杖〗をかざしながら、〖大地の腕〗で地上へと降りてきた。
頭上の〖雷雲〗から〖雷〗が落ち、周囲の雑魚を沈黙させる。
量産品だとしても、将であることに違いはない。
トゥルカが剣を地面から引き抜き。
「ゾーエっ 〖赤光玉〗を寄こせ!」
〖炎の鎧〗が〖炎の身体〗へと火力を上げる。
「まだ私たちじゃ無理っ!」
「俺を信じろっ!」
気力は十分。
ルチオも〖炎身〗をまとっていた。
「駄目でもともとだっ!」
両手持ちの〖戦槌〗を振りかぶるも、動作が大きいため難なく回避された。
だがそれは避けられることを想定した大振り。
避けた瞬間をヤコポが狙ったが、片手持ちの【戦槌】で受け止められ、【小斧】で叩き折られる。
〖炎身〗の熟練はどちらの方が高いか。
ゾーエは温存していた〖赤光玉〗をルチオへと走らせ、萎み始めていたのをトゥルカに向けた。
「〖炎槌っ!」
炎人は不発。
小鬼は【戦槌】を真横に振り、ルチオの右前腕に叩きつけ、〖炎槌〗の軌道を反らす。
アドネは〖探さないでください〗を発動させ、小鬼の死角に回り込んでいた。
熟練だけでなく、エルダから貰った〖コート〗のお陰で、攻撃時の気配は隠せていたが、この小鬼はそんなに甘くはなかった。
振り返りざまに【斧】を投げたことで、それが〖雷砲〗の避雷針となってしまい、小鬼まで届かず。
斧は跡形もなく消失した。
「死ねやおらっ!」
こういった人種が成長すると、迷宮の最前線で活躍するような化け物になったりする。
時にド根性は理屈をも覆す。
「熱血っ!!」
〖炎人〗が〖両手剣〗を小鬼に叩きつけるが、自らの片腕を犠牲にすることで、そいつはなんとか耐え凌いだ。
遠くより、声が聞こえた。
それは先代の団長。
回復は〖薬〗か、感情神の単体治癒のみ。
ここは教都方面の外壁だが、端に位置する。
それでも確かに届いていた。
〖友よ 今こそ共に活路を切り開け〗
トゥルカの背中にはルチオの〖友情の紋章〗が浮かぶ。
身体能力の共有。
ルチオが両手持ちの〖戦槌〗を、片腕で軽々と振り回すと、炎を歪ませてその場から消えた。
小さき者が笑う。
痛みを隠し。
・・
・・
一人。
肉鬼の大剣を〖私の槍〗で受け止める。
〖一点突破〗系統の防護膜は上半身だけだが、彼女のそれは全身を包む。
複数の小鬼が短剣で刺してきたが、〖氷衣〗の守りを信じてオークだけを睨みつける。
「こいつらだけは」
殺しても殺したりない。
右足を前に出しながら、腰を捻り大剣を地面へと流す。
握っていた柄を滑らせ、前方に短く持つと、肉鬼の太ももに突き刺す。
ゼロ距離で〖伸〗を放つ。
四度目の〖伸〗で銀光がオークの足を貫き、姿勢を崩させることには成功したが、大盾で殴られ真横に吹き飛ぶ。
「しまっ!」
槍を手放してしまった。
小鬼が迫ってくるので、片膝をつけてから、ベルトのホルダーより投げナイフを抜く。
放たれた〖ナイフ〗は回転することなく、半円を描きながら小鬼の額に突き刺さる。
側面からガイコツが槍で突いてきたので、装備の鎖より盾を取りだし、横から叩きつけて弾く。
接近戦を主とするこいつらは、連係を仕掛けてくる。
モニカを取り囲むように、三体の骨鬼が槍の切先を向けてきた。
「そう簡単に」
装備の鎖から取り出した〖短槍〗を握りしめ、先ほど攻撃をしてきたガイコツの装甲に切先を当てる。
片膝を浮かせ、両足に銀色の光を灯す。
〖一点突破〗で駆け抜ければ、そのまま外壁に積まれた土袋ごと骨鬼を突き刺す。
「大丈夫か!」
隣を受け持っていた探検者が気づいたようで、〖お前の盾〗を使ってくれた。
「ありがとう」
刺さり方が悪かったようで、抜けないから短槍を装備の鎖にもどす。
「早く振り向けっ!」
首だけを動かして確認すれば、肉鬼が大盾を構えていた。
そいつは足に傷を負っていた。
涎が飛び散り、どんなに醜かろうと、全力でこちらに駆けてくる。
なんとか〖盾〗だけを動かすも、受け止める姿勢がとれていない。
歯を喰いしばり、〖盾〗の衝撃吸収に頼る。
天から暖かな光が降り注ぐ。
「憎むな、恨むな、赦しましょう」
黒ずくめの巨体が片腕でオークの突進を受け止める。
〔解放〕が発動。
「そう言われても、難しいのは分かるわ」
拳を握りしめ。
「納得しなくても、認めなくたって構わない」
大きな盾ごと全てを粉砕する。
「でも覚えておいて欲しいのよ、本当の敵は瘴気だって」
鬼。
「私は長いこと生きているけど、彼らほど悲しい存在はいない」
魂。
・・
・・
この日。
天人菊は戦闘の続行が不可能だと判断された。
代わりとなる協会の戦闘員が来るまで、駆けつけたルカが〖後光〗を使い、今は一人で彼らの持ち場を引き受けてくれていた。
昇降装置を使い、壁上に倒れ込む面々。
ルチオはその場で倒れ込み。
「もうゴブリンは懲り懲りだ」
「よく頑張った」
ゾーエが水筒を渡してくれる。
「鎮痛剤もあるから、飲んで」
「ああ、すまねえ」
〖鎧〗がなければ、もっと重症になっていただろう。
ヤコポは肩の痛みに顔をしかめながらも、ルカの様子を眺めていた。
「すごっ」
武へのこだわりは何処へやら、日光仮面のお陰で〖法衣〗を使っているので、避けては殴るを繰り返し、もう全身が輝いている。
「お疲れ」
ゾーエがヤコポにも水と鎮痛薬を渡してくれる。
「珍しいな、お前が俺に優しいなんて」
「じゃあいつも通りにしとく」
杖で小突いてきた。
「あのっ 怪我人なんで」
「もう治ってる」
〖輝光〗や〖聖域〗で治癒はできたが、怪我をしたという事実は残り、しばらくは脳が痛みを忘れない。
トゥルカは燃え尽きていた。
一通りヤコポを杖で叩けば、次にゾーエは彼のもとに向かい。
「ごめん。私は信じれなかった」
苦笑いを浮かべ。
「まあそりゃそうだよ。僕もどうかしてた、今になってちょっと恥ずかしいや」
誰だお前。
槍使いは三発の〖伸〗を放ち。
「ひぃ」
すぐさましゃがみ込む。
近くの凹凸に背中を預け、座り込んでいる女性が目に映る。
「あっ モニカさん」
槍をその場に置き、四つん這いで近づくと。
「私、うんと頑張ったんですよぉ」
折り曲げていた片膝に額をつけていたが、少女の声に顔を上げ。
「そっか、すごいじゃん。よくやったね」
頭をなでられ喜んでいたが、その声色に気づき。
「どうかしたんですか?」
「ん? ちょっと疲れちゃったかな」
なるほどとうなずいてから。
「お疲れさまでしたぁ」
モニカにぺこっと頭をさげる。
「……ありがとう」
「えへへ、もどったらマッサージしちゃいますよぉ」
お願いしようかなと、少し穏やかな空気になる。
〖種吐き花〗の召喚者が外壁の隙間を飛び越え、こちらに小走りでやって来たので、モニカは立ち上がり。
「お願いします」
「大変だったわね。でもすごいじゃない、倒しちゃうなんて」
その言葉に周囲を見渡し。
「消耗が激しくて」
「もどったらゆっくり休みなさい」
お礼を言うと、土使いは召喚作業に入った。
草むしり大好きな水使いがウズウズし始めたので、リーダーが警戒態勢に入る。
「最終世代、まだ残っていれば良いんですが」
彼女も〖繋がる心〗を発動させていたので。
「大丈夫」
指でいくつかの方向を示し、抜かれていないと教えてくれる。
ルカは十分に鬼たちを引き付け、なおかつ蹴散らしていた。
それでも〖狼〗は押されており、防衛線を少しずつ下げるしかなかった。
アドネが叫ぶ。
「骨鬼が集結を始めてますっ! 弓です!」
脱落四人組のリーダーが周囲に〖鎧〗を発動させた。
ローブの者も下に鎖帷子を着ているため、恩恵は受けられる。
〖種吐き花〗の召喚者は〖盾〗で自分の身を守りながら。
「ちょっと待って!」
壁上に土の紋章が複数出現。
モニカは空に向かって〖伸〗を放ち、防護膜をまとってから、槍使いを守る位置に立つ。
けっきょくのところ、気が休まる暇はなかった。
これで前半戦は終了となります。
ちょっと休んでから、執筆を再開しようかと思います。




