第160話「もう少し厳しく」
新作
『生徒の保護者が元カノだった』
を公開致しました!
元カノと再会し、元カノの娘に振り回されながらも楽しい日々を送る新作ラブコメになります!
(かわいい幼女も登場します!)
是非是非、よろしくお願いします(≧◇≦)
後書きの下のタイトル名をクリックして頂けると作品に飛べますので、
楽しんで頂けますと幸いです(#^^#)
目が覚めると、目の前には肌色が広がる――ということもなく、『すぅ……すぅ……』とかわいい寝息を立てる美咲がいた。
服も全然乱れておらず、寝る前と同じく俺の胸に顔を押し付けた体勢なので、どうやら寝相はとてもいいらしい。
「まぁ、そうラブコメのお約束展開なんて、現実で起きるわけないよな……」
目が覚めた時に美咲の服の中へ俺の手が入っている、とかなればまた騒ぎが起きただろうが、そんなハプニングはなかったので彼女はおとなしく寝ている。
無防備な姿ではあるが、彼氏相手だから信用している証拠なのだろう。
俺からすれば、アイドル顔負けなほどの超絶美少女なのだから、もう少し危機感を持ってほしいと思うが。
こんなの、襲われたって美咲は文句を言えないはずだ。
「学校の男子たちが知ったら、凄い騒ぎだろうな……」
俺は美咲の頭に手を伸ばし、起こさないように優しく撫でながら少し想像をしてみる。
――教室内が、嫉妬心に支配された男子たちの悲鳴の嵐になる未来が見えた。
なんなら、女子たちの声も合わさって地獄な気がする。
実際は何もしていないのだが、一緒に寝たと聞けば誰だって想像する行為があるだろうし。
まぁ、一緒に寝ていることを言わなければ済む話ではあるが、口を滑らせそうなのが一名いるから頭を悩ませる。
場合によっては、自分から打ち明けてしまうことも普通にありそうなので、困ったものだ。
「……さすがに、考えすぎか……?」
気持ちよさそうに寝ている彼女の顔を見つめながら、いくら美咲でもそんなことはしないか、と思い直す。
自分の影響力はある程度理解しているようだし、周りを牽制するためとはいえ、打ち明けてしまえば騒ぎになって自分たちが困ることくらいはわかるだろう。
もう少し俺も、彼女を信用したほうがいいのかもしれない。
「えへへ……らいとくん、だいすきぃ……」
「……いや、やっぱり不安だ……」
寝ているというのに、頭を撫でられていることでだらしない笑みを浮かべ、寝言を呟いた彼女の顔を見て再度不安が込み上げてきた。
何度も思っていることではあるが、付き合いだしてからの美咲は本当に天然で抜けているところがあり、やらかすイメージしかない。
深く関わるまではこんな一面見たことがなかったし、学校でも噂を聞かなかったのだから、おそらく相手に気を許しすぎるとドジっ子になるのだろう。
ということは、本来はこういう子なんだろうな……。
うまくそれを隠していただけで。
とはいえ、鈴嶺さん相手には元々ポンコツだったようだし、美咲は彼女とよく絡んでいたのにしっかりとしたイメージしかなかったのだから、学校では気を張っていて大丈夫という可能性は十分ある。
そう考えれば、やはり学校が始まっても大丈夫なのかもしれない。
美咲が、今までのように家と学校で切り替えることができれば、だが……。
「夏休みが終わるまでの三週間、距離感をもっと考えないと駄目かもな……」
少なくとも、昨晩のようなことを毎日繰り返すなんてことはしては駄目だろう。
美咲が止まらなくなるし、学校での切り替えができなくなる未来しか見えないのだから。
そう決めた俺は、もう少しだけ美咲に厳しくしようと思うのだった。
なお、俺が起きた時間は既にお昼過ぎだったようで、母さんからはからかわれたし、笹川先生からは生暖かい目を向けられたし、心愛からは『にぃに、おねぼうしゃん……!』と得意げに言われたので、もう数段階ほど美咲に厳しくしようと思い直したが。
読んで頂きありがとうございます!
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