お掃除完了
夜明け前、第777小図書館。
5人が、掃除の手を止め、話し始める・・・。
「時間もそろそろ夜明け近いし、こんなもんでいいんでないかな?」
「そうね。ぞうきんかけながら待つ、というのも逆に失礼に思えるし、このくらいでいいんじゃないかしら?」
「散らかり度300を切ったあたりから補充なくなったのは助かったけど、すごくゴミおおかったね…。」
「そうですね。まさかほとんど丸一日かかるとは思いませんでした。」
「まあ一日とはいっても充分休憩と睡眠はとってるから大丈夫ですけどね。」
「そやねー。短時間だけ参加の人もけっこーいたし。おかげでなんとかなった。
さてさて、あとはコビットさんに任せて、うちは帰るわ。
そろそろ本格的に疲れてきたから、宿に戻って寝る。おつかれー。」
「僕も限界、帰って寝ますー。おつかれさまー。」
「私は広場で待たせてもらうわね。せっかくだから顔見ておきたいし。お疲れさま。」
「えっと、私はちょっと飲みに行ってから戻ってきます。お疲れさまでした。」
「それでは僕は広場で待機しています。
皆さん、お疲れさまでした。ありがとうございました。」
受付の部屋から、5人が外に出て扉を閉め、その部屋には誰もいなくなる。
しばらく後、5人が出て行ったのとは逆の扉、図書館側の扉がゆっくりと開き、静かに閉じた・・・。
・・・
帝国中央図書館、仮眠室。
エルフはゼライムの形をしたポーチを身に付け、左手中指にはシンプルなデザインの指輪を身につけている。
「じゅんびできたー。
それじゃ、いてきまー。」
「いってらっしゃーい。気を付けてね~。」
「いってらっしゃい。」
「てんいもん。」
空中に魔法陣を描き、魔法陣を扉に変えて、ゆっくりと押し開けていく・・・。
扉を通って第777小図書館に移動。
その後、ハンカチで口を覆い、足早に部屋を出ようとするが、途中で立ち止まる。
「み?
あのごみのやまが、かたづいてる。」
「にゃー。
だれかそうじしててくれたのかな。
こっちのしょちょーさんがしごとにふっきした、ということはなさそーだけど・・・。」
周囲を見渡すが、人は見当たらない。
テーブルには、以前見たままの、所長が残したメモの切れ端だけが残されている・・・。
「よていのじかんまでよんしょうこく(20分)くらいはあるとおもうけど、ちこくもしたくないから、ちょっとはやめにいってみるか・・・。」
部屋の中央まで歩いた時。
部屋の四隅、誰もいなかったように見えたところから、突然何者かが現れる!
「今よ!」
「今だ!みんな行くぜ!」
「覚悟・・・。」
「お嬢さんに恨みはないが、我らの道のため、覚悟!」
「「「「捕縛鎖陣!」」」」
部屋の四隅から、青い光でできた鎖が伸びてきて、エルフの手足を拘束する・・・。
「みっ!?」




