88.ぽんぽこ
ドブさらい依頼を、誰かが一人で片付けてしまったらしい。
……聖女の可能性が、ある。
「聖女……」
この世界の聖女は、酷い扱いを受けてることが多い。
召喚されて、召喚主に逆らえず、こき使われ……非業の死を迎える。
愛美さんや、貞子さん、そして水神のもとに居た聖女さん。
みんな……召喚者によって、人生を歪められてしまっていた。
私だって……。ましろがいなかったら、愛美さんたちと同じルートを辿っていただろう。
……話を戻そう。
その聖女(仮)さんは……この街にいるらしい。
「あ、あのっ! その人ってなんて名前でしゅ?」
「えーっと……【ぽんぽこ】さんですね」
「ぽ、ぽんぽこ……」
なにその、明らかに偽名バリバリな偽名っ。
でも……これでさらに、聖女の疑惑が強まった。
『寧子さん、何してるんです?』
『多分、寧子さんは、そのぽんぽこなる人物が聖女なんじゃないかと……わたくしたちと同類なのではないか、と考えているのですよ』
霊体聖女の愛美さんと、貞子さんが会話する。
霊体なので、受付嬢さんには話し声が聞こえていない。
私は二人に対して頷く。
「あの、ぽんぽこしゃんは……今どこに……?」
「まだこの街にはいらっしゃると思いますよ」
「どこに行けば、ぽんぽこさんに会えますか?」
「えー……っと。まだ浄化の依頼をいくつか受けていたので、現場へ行けば会えるかと」
……なるほど。会ってみたい。その、ぽんぽこさんなる人物に。
【おしらせ】
※12/5
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『捨てられ聖女は万能スキル【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる』
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