83.バカンス
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
私の名前は黒姫寧子。
ひょんなことから異世界に召喚された、元OLだ。
普通の異世界召喚とちょっと違うのは、転生チートが愛猫の『ましろ』であることと、私の姿がなぜか幼女になってしまったこと。
そんなこんなで、幼女な私は最強チート猫のましろと共に旅をすることに。
道中、同じ境遇の聖女・愛美さんや貞子さん、冒険者のアメリアさんといった仲間もできた。
つい先日までは、獣人国ネログーマで本当に色々あったけど……それもすべて解決!
国に平和が訪れ、私はつかの間の平穏を満喫しているのだった……。
☆
「ふにゃぁ~……♡」
キラキラと太陽が照りつける昼下がり。私は、王宮に備え付けられた巨大なプールに来ていた。
プールサイドのデッキチェアに座り、愛猫ましろの毛づくろいをしている。
「ふにゃぅ……」
ましろは私の膝の上で仰向けになり、気持ちよさそうに目を細めている。たぶん、こう言ってる。
「ねー、良い天気でしゅねー」
「うにゃん」
シャッシャッ、と専用ブラシでましろのお腹を優しくブラッシングする。ましろはゴロゴロと心地よさそうに喉を鳴らしていた。
一方、プールの中はというと……。
「うひゃー! つっめたーい!」
キャッキャッと楽しそうにはしゃいでいるのは、愛美さんだ。
今は霊体ではなく、ちゃんと肉体で活動している。
「うひー、つめてー! っかー! さいこー!」
ぷかーっと水面に浮かんだり、平泳ぎしたり、実にのんきなものである。
その隣を、ザッパン、ザッパン! と凄まじい勢いでアメリアさんがクロールで往復している。すごい、競泳選手みたいだ……。
「…………」
「あの、貞子しゃんは泳がないんでしゅか?」
私の隣のデッキチェアでは、貞子さんが静かに座っている。
真夏の日差しだというのに、つばの広い帽子に、ジッパーを上まで上げたパーカー、そしてサングラスという完璧ないでたち。
「わたくし……カナヅチなのですわ」
「ありゃりゃ……。そうでしゅか」
都会育ちだと、学校の授業だけでは泳げるようにならない人もいる、と聞いたことがある。
「ましろ様のブラッシングは、わたくしが代わりますので。寧子さんは泳いできてはいかがです?」
「いいんでしゅか?」
正直、ちょっと泳ぎたいなとは思っていたところだ。
「ええ。もちろん、ましろ様がお許しになれば」
「だってさ、どうでしゅ?」
すべては、我が家の王様猫である、ましろのご機嫌次第だ。
ましろは、ちらりと私を一瞥すると、やれやれといった風にため息をついた。
「にゃうん」
どうやらOKが出たらしい。
ましろは私の膝から降りると、当たり前のように貞子さんの膝の上に乗っかった。
「じゃあ、ちょっと泳いできましゅ!」
「はい、いってらっしゃいませ」
てちてち……と小さな歩幅でプールサイドを歩き、そっと水に入る。
わー、つめた……気持ちい……いざ!
ドボォンッ!
「わぷっ! ごぼごぼっ! わぷっ!」
「ちょちょちょ、やすこにゃーん!?」
溺れる私を、愛美さんが慌てて救出する。
「ぜぇ、はぁ……。あぶにゃかったでしゅ……。ありがとでしゅ、愛美しゃん」
「いえいえ、どういたしまして……。ていうか、やすこにゃん、泳げないのん?」
「いや、そんなことはないんでしゅけど……」
しまった。体が幼女だということを、すっかり忘れていた。
頭の中のイメージ(元OLの体)と同じ感覚で泳ごうとしたから、バランスを崩してしまったらしい。
「ふふん。いつも助けられてばかりのあたしが、やすこにゃんを助ける側になるなんて……。なんだか新鮮だね!」
「別にわたし、愛美しゃんのこと助けた記憶ないんでしゅけど……」
「養ってもらってるから! げへへ、おかげさまで今日もニート生活を満喫させてもらってます!」
「あ、しょぉいうことでしゅか……」
「ほら、愛美さんが手を引いてあげるから。まずは、その可愛いお体で泳ぐ練習から始めましょう!」
「はーい! ありがとーごじゃましゅ!」
先日までの大騒動が嘘のように、私たちはのんびりと、穏やかな休日を過ごすのだった。
【★☆読者の皆様へ 大切なお知らせです☆★】
新作の短編投稿しました!
タイトルは、
『ループ5回目の悪役赤ちゃんはスローライフしたい~鬱ゲーの悪役貴族に転生したけど、ループで心折れたので、自ら追放されたら聖者と勘違いされてモテ始め、現実でも人気爆発し、おまけに隣には原作主人公がいた~』
広告下↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!
リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。
https://book1.adouzi.eu.org/n4332lf/




