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【書籍化】転生幼女は愛猫とのんびり旅をする【2巻12/10発売!】  作者: 茨木野


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64.猫神モード



 浄化スキルが、必殺ビームみたいになってしまった……。

 浄化って、もっとこう、神聖なイメージだったのに……。なにこのバトル漫画の「波ぁ……!」みたいなの……。うかつに使えないよっ。


「しかし、すさまじいな。毒蛙ポイズン・フロッグの毒が、一気に綺麗になってしまったぞ」


 アメリアさんが、目の前の浄化された大地を見てつぶやく。

 さっきまで地面は毒に犯されていた。でも綺麗さっぱりなくなり、瘴気も消し飛んでいる。

 威力は絶大なようだ。……バグってるけど、その威力。


 ましろの爪、そして聖女わたしのビームによって、毒蛙ポイズン・フロッグによる被害は最小限に押しとどめられた。


「あ、しょういえば、バセンジーしゃん」

「…………」

「あにょ?」

「あ、は、はい……なんでしょう」


 バセンジーさん、なんだかぽかんとしていた。あれだけのビームを見たら、そりゃそうなるか……。


毒蛙ポイズン・フロッグの被害って、ここ以外にもあるんでしゅよね?」

「そう……ですね。各地で発見されております」


 バセンジーさんが持っていた地図を広げる。×印が書いてある箇所が、毒蛙ポイズン・フロッグの出現スポットだろう。

 思ったより数あるな。


『……大変です、寧子さん』


 貞子さだこさんが目を閉じたまま言う。


「どうしたんでしゅ?」

『今、テイムした鳥に周辺の様子を探らせていたのですが……』


 貞子さんは、地図上の×印を次々と指さしていく。


『……寧子さんがビーム撃った、この直線上の瘴気地帯……すべて、浄化されてました』

「にゃ!? にゃんでしゅってー!?」


 ここから一直線に並ぶ瘴気が、すべて浄化されているらしい。

 そのことを報告すると、シュナウザーさんとバセンジーさんが、ぎょっと目をむく。


「ふなう?」

『【ヤスコならそれくらいできて当然なのに、どうして驚いてるのかしら?】って? ……いやいやいや、だって今のビーム一発で、ネログーマの2割くらいの大地が一気に浄化されたんですよ? おかしすぎですよぅ』

「にゃうん」

『【あたしも力貸したし、まあそんなもんじゃない?】って、え!?』


 い、今聞き捨てならないことが……!


「あ、あにょ! ましろたん!? 力……貸してたんでしゅ!?」

「うにゃん」


 ええー……。そうだったんだ。どうりで威力がおかしいと思った!


「何したんでしゅっ?」

「ふなう」

『【猫の手を貸した】って言ってますね……って、ああー! ましろたんっ! 頭! 頭ぁ……!?』


 頭……?

 私は自分の頭に触れる。


 ぴこぴこ……。


「!? にゃ、にゃんか動いてましゅ! どうなってるんでしゅか!?」

「コネコさんが……獣人になってますわ!」


 シュナウザーさんが目をむいて叫ぶ。獣人……?

 するとアメリアさんが懐から手鏡を取り出し、私に向ける。


「にゃ!? ね、猫耳ぃいいいいいいいいいいいいいいいい!?」


 なんか、私の頭から猫耳が生えてるしっ。

 しかも……おしりからは猫尻尾が生えてるっ。

 たしかに猫の獣人っぽいけど、なんだこれっ。


「ふにゃー?」

『【可愛いじゃない?】』

「いや、可愛いけどっ、ほんとなにこれ!?」


「にゃうん」

『【猫神モード】……猫神モード? なんですそれ? スーパー野菜人的なそれですか?』

「はぁ?」

『リアルはぁ? みたいな顔されたっ! ミームだっ! ハッピーだ!』


 なんか知らないけど、猫耳と猫尻尾が生えてるのは、ましろが原因らしい。

 猫神モードってなにっ!?


「【鑑定】!」


~~~~~~

黒姫くろひめ 寧子やすこ

【状態】

猫神モード

~~~~~~


~~~~~~

猫神モード

→バステト神を喜ばせたことで発動するモード。神の力を一時的に行使できる。

~~~~~~


 ましろを喜ばせたことで発動するモード!?

「にゃにそれっ?」

『……そういえば、神様を喜ばせることで力を借りる、という概念は日本にもありますよね』

「しょうにゃんでしゅ!?」


 でも喜ばせるようなことってした……? あっ! そういえば……。


「しゃっき、ましろと……猫じゃらしで遊んだ! あれかっ!」

「うーにゃん」


 そうらしい。ええー……。猫じゃらしで遊んだだけで、それでパワーアップできるわけっ?


「あにょ……普通の人はね、頑張って魔物倒してレベルアップして強くにゃるんでしゅよ? わたしだけこんな、猫と戯れて強くなるなんて……ずるじゃあないでしゅ?」

「にゃん」

『【他人なんて知らん】だそうです……』


 そうですか……。


「コネコさん、可愛いですっ。お耳と尻尾がキュートですっ」


 シュナウザーさん的には、この姿は好評のようだ。

 私は普通に恥ずかしい……。


 だって、まあ、幼女がやるなら許せるよ? 子供だし、愛らしいなぁで済むよ?

 でも……私、中身OLだよ……? OLが猫耳と尻尾はやしてるんだよ……?


『絵面的に、きついですね……幼女だからぎり許されますけど』


 愛美さんは共感してくれた。


「しゃー!」

『【ヤスコの猫耳かわいいでしょっ!】って、あっあっ、は、はひっ! かわいいです、かわいいですから、パンチやめて、パンチ連打やめてっ!』


 ……とりあえず、新しい力・猫神モードを手に入れたのだった。

 これで浄化があんな「波ぁ……!」みたいな威力になったってことなのね……。


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『捨てられ聖女は万能スキル【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる』

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