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【書籍化】転生幼女は愛猫とのんびり旅をする【2巻12/10発売!】  作者: 茨木野


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47.フェンリル



 ヨルに、名前を付けた。そしたらなんかツノが生えてきたのだった。


「ツノ……」

「ひゃう……?」


 どうしたの、とばかりに首をかしげる、ヨル。

 こんなに可愛い子犬が、実はフェンリルだったなんて……。


「あなたフェンリルしゃんなんでしゅね」

「ひゃう?」


 なんで首をかしげているんだろう……。


『……多分、自分でもわかってなかったのではないでしょうか』


 と貞子さだこさん。なるほど……。

 まだ生まれたばっかみたいだし、フェンリルって自覚がないのかも。


「そもそも、フェンリルってなんなんでしゅ?」


 すると、愛美さんが、得意げに胸を張って説明する。


『伝説の神獣ですよぉ~。いにしえより存在し、強大な力を持ったケモノ! ファンタジーものでの定番キャラですねー』


 ゲームやアニメで出てくるのと、同じような存在らしい。


「みー」


 てしてし、とましろが、私の腕をたたく。

 今、ヨルを持ってる私。


 ましろはヨルを、ぐいぐい、と押しのける。そして、私の膝の上にのっかって、ふんっ、と鼻で息をつく。どうしたんだろう……。


「みゃっ」

『【新入りばっかかまわないでよ】ですって。ぬはは、ましろ様ヤキモチですねー。可愛いとこもあるじゃあないですか……ああっ! やめてっ、猫パンチやめてっ!』


 ましろが霊体の愛美さんを、パンチしてた。調子乗るから……。

 一方で、ヨルはまたよじよじ、と膝の上に上ってくる。


「ひゃんっ!」

「しゃー!」


 ヨルがましろに絡もうとするも、ましろは追い払おうとする。

 

「ひゃーん!」


 だがヨルはましろにのしかかる。


「しゃー!」


 ぐいっ、とましろがヨルを足蹴にするも、ヨルはまたましろにくっつく。

 しつこくされて、嫌になったのか、私から飛び降りる。

 ヨルはその後を追いかけ回す。可愛い子犬と子猫のじゃれ合いに、癒やされる……。


 って、そうだ。


「シュナウザーしゃん。どうして、フェンリルと一緒にいたんでしゅ?」


 一応、シュナウザーさんにも聞いてく。一緒に拉致されたって言っていたしね。


「い、いえ……。まさか、守護獣さまとは、つゆ知らず……」

「しゅご、じゅー?」


「はいですわ。我が国……ネログーマを守護する、神聖なるケモノ神が一柱。それが、フェンリル様なのですわ」


 ……国で、認めてるような、神獣……。

 それがどうして、拉致されてたんだろう……。


 まあ、でも神獣って凄い力を持ってるし(ましろが良い例)、それを悪用したい連中に、売ろうとした……ってこところだろうか。

 ……このまま、ネログーマ戻って、大丈夫かな。

 このこを売り払おうとした、悪人が、まだ中にいるかもしれない。


 このこを連れてったところで、また拉致られるかもしれない?


「ひゃん?」


 いつの間にか、また膝上に、ヨルが乗っかっていた。


 私はフェンリルを……ヨルを持ち上げる。


「あのね、ヨルしゃん。あなた……拉致されたのよ?」

「ひゃ……?」


 わからん、とばかりに首をかしげる。

 ぺろぺろ、と手を舐めてきてる。……可愛い。


 この可愛いケモノを、じゃあ見て見ぬふりして、ここに置いてくことは……できないよね。

 国が保護してる獣だから、ではない、このこが可愛そうだし。


「一緒に、オウチ帰りましょうね」

「ひゃんっ!」


 私の膝の上で、ころんと丸くなる。


「しゃー!」


 ましろが外から飛び込んできて、ヨルを追い出そうとする。

 が、ヨルはそれを、遊んでくれるものだと勘違いしたのか、ましろにのしかかる。


「しゃー!」

「ひゃーん!」


 また二人の大運動会が繰り広げられる。

 方針は、決まった。あと……気になることを、聞いておこう。


「愛美しゃん。ヨルに、名前を付けたら、進化した件なんでしゅけど……」

『大昔の聖女には魔物に名を付けることで、進化さた、という伝説があるんですよ』


「名付けで、進化……」

『そう。伝説の聖女神、キリエライトって人なんですけど。その人の伝承のなかに、あったんです。森の魔物に名付け、存在を一段階進化させたってくだりが』


 ……そんなことできるなんて、凄い神様もいたモノだ。

 でもその伝承と、同じことを、私はしたことになる。


「愛美しゃんたちも、できるの?」

『どうなんですかね。あたし、魔物に名前を付けたことありませんし』


 貞子さだこさんに聞いてみる。調教師テイマーの力を持ってるから、私よりも魔物に詳しいかなと。


『……わたしもわかりません。魔物を使役したことはあれど、名付けるほど仲良くなったことはありませんし』 


 魔物を進化させた原理については、わからないみたいだった。

 聖女に備わった、隠し機能……なのかな。


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