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【書籍化】転生幼女は愛猫とのんびり旅をする【2巻12/10発売!】  作者: 茨木野


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46.神獣ヨル

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

 呪いで子犬に変えられた少女、シュナウザーさん。

 彼女を獣人国ネログーマの首都エヴァシマまで送ってあげることになった。


 まあ私の旅は、別に明確な目的があるわけじゃない。(ゲータ・ニィガから逃げたいってくらい)

 だから寄り道くらい問題ない。それにシュナウザーさんが気の毒だったのもある。


 今はアメリアさんが運転する馬車に揺られて、私は荷台に腰を下ろしている。


 ぽっくぽっく……と馬の蹄が街道を叩く。

「みゃ?」

「ひゃんっ!」


 謎の子犬(シュナウザーさんと一緒に拉致されてきたらしい)と、ましろが顔を見合わせていた。


 ぺろっ、と子犬がましろの顔を舐める。

 気位の高いましろのことだ。怒って猫パンチでも飛ばすかと思った。


 だが――。


「フッ……」


 ましろは余裕の笑みを浮かべる。


「愛美しゃん、ましろはなんて?」

『【お子ちゃま相手に怒らないわ】ですぅ~』


 おこちゃま……。そういえば、この子犬って何歳くらいなんだろ。


「ひゃんっ!」


 ばっ! と子犬がましろに飛びかかる。

「みゃー!」

『【あつい! どきなさい! ばかっ!】ですってぇ』


 やっぱ怒ってるじゃん……ましろたん。

 二人は楽しそうにじゃれ合っている。(正確には子犬が一方的に絡んでるだけかもしれないけど)


 ふと、私は思った。


「シュナウザーしゃん、この子……名前とかどうしましょう」

「名前……そういえばそうですね。道中を共にしますし、つけてあげたほうがよろしいかもしれませんわ」


 子犬がこちらへ駆け寄ってくる。ぶんぶんぶんぶん! と小さな尻尾をちぎれんばかりに振りながら。


「ひゃんひゃんっ!」

「もしかして……私の言葉、わかってる?」

「ひゃん!」


 やっぱり……思ったより賢そうだ。

 この世界では知性の高い魔獣も珍しくない。ましろは神獣で、普通に会話できる。


 でも、この子犬は?

 魔物? ……いや、違う。もし魔物なら、ましろが放っておくはずがない(むしろ討伐してるはず)。


「愛美しゃん、この子の言葉って、わからないんですか?」


 ましろの翻訳ができるのだから、もしかしてと思ったのだが……。


『すみません……あたしができるのは、ましろさまだけなんですぅ。魂がつながってるからできるので』


 なるほど……。


「貞子しゃんも?」

『……右に同じです』


 まあいい。言葉はわからなくても、気持ちは伝わってくる。


「ひゃうう~……?」


 じっと見つめてくる。――名前を待っているんだ。


「そうでしゅねー……」


 改めて子犬を見る。

 もふもふの毛並み。フォルムはポメラニアンっぽい。そして――毛は真っ黒だ。


「まくろ……」

「しゃー!」


 ましろが怒って猫パンチを食らわせてきた。


「なんて?」

『【アタシと、かぶるじゃないの!】ですって』


 たしかに……。

 黒だからクロ、じゃあましろとカブるって怒られるか。


「じゃあ……ヨル。ヨルちゃんはどうでしゅ?」

「ふーにゃ」

『【ふぅん……まあ、それなら許してやってもいいかもね】ですって。……いや、なんでましろさまの許可が……あっ、いたいいたい!』


 ましろが魔神のトリック・バッグに頭を突っ込み、愛美さんへパンチをお見舞いしていた。

 ほんと舐められてるなぁ……。


「じゃあ、あなたはヨルちゃんでしゅ」

「ひゃんっ!」


 そのときだった。

 パァア……! とヨルちゃんの身体が白銀に輝きだした。


「ええ……!?」


 ぐぐぐ、と額から――なにかが生える。

 小さな青い……角に見えた。


「ツノ……!? なんでツノ!?」

「ふにゃ?」

『【そんなのフェンリルだからに決まってるでしょ?】です……って、えええええええ!? フェンリルぅうううううううううううううう!?』

【★☆読者の皆様へ 大切なお知らせです☆★】


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★新連載です★



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『捨てられ聖女は万能スキル【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる』

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