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【書籍化】転生幼女は愛猫とのんびり旅をする【2巻12/10発売!】  作者: 茨木野


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45.エヴァシマへの約束

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。




 シュナウザーさんの話を聞いている。


「ふにゃう」


 ましろはシュナウザーさんの体の匂いを、くんくんと嗅いだ。


『【フローラルな良い香り】だそうです』


 気に入ったのか、ましろはペロペロと毛並みを舐める。

 一方のシュナウザーさんは、沈んだ表情をしていた。――無理もない。誘拐され、命まで狙われたのだから。


 ……なんだか、かわいそうだ。


「それで……これからどうしゅるんでしゅ……?」

『わたくしは、エヴァシマに戻ろうと思いますの』


「エヴァシマ……?」


 どこだろう……。アメリアさんを見る。


「ネログーマ王都のことだよ」

「にゃるほど……家族のもとに帰りたいってことでしゅね?」

「はい……」


 ぽた……と、シュナウザーさんの目から涙がこぼれる。

 きっと家族が心配しているだろう。そんな風に心配をかけたことで、胸を痛めているんだ。……いい人だな。


 ……よし。


「よろしければ、エヴァシマまで送ってあげましょうか?」

「うにゃー!」

『【ヤスコ、ナイスよ!】だそうです』


 ましろも賛成らしい。


「で、でも……よろしいのでしょうか?」

「はい。わたしたちも、ちょうどネログーマへ行くところでしたし」


 すると貞子さんが、やわらかな声で言う。


『……優しいですね、寧子さん。そう言ったほうが、相手も変に気を遣わないと思って』


 ……どうやら本音は見抜かれている。ちょっと気恥ずかしい。


「ほら、ついでなので、遠慮しないでくだしゃい」

「……なら、はい。お願いします」


 私はシュナウザーさんを抱きかかえる。


「アメリアしゃんもいいでしゅか?」

「無論だ。困っている人は放っておけない」


 ぶんぶん、とシュナウザーさんが尻尾を振る。


「くぅん」


 あ、そばに子犬が近づいてきた。シュナウザーさんと一緒にいた子だ。


「みゃう?」

「くぅん」

「みゃー!」

「わんわん!」


 ましろと子犬が、楽しそうに舐め合っている。


「そういえば、この子は誰なんでしゅ?」

「わたくしのお友達です。連れ去られそうになったとき、助けようとしてくれたんです。でもまだ赤ちゃんですので……」


 なるほど、力及ばず、助けられなかったのか。


「申し訳ありませんが……」

「あの子も一緒にってことでしゅよね? もちろんOKでしゅ!」

「ありがとうございます!」


 子犬がましろと一緒にやってくる。

 ふんふん、と私の匂いを嗅ぎ、「ひゃんっ!」と吠えた。……可愛い。


 こうして、旅の仲間に、可愛い子犬が加わったのだった。

【☆★おしらせ★☆】


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