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【書籍化】転生幼女は愛猫とのんびり旅をする【2巻12/10発売!】  作者: 茨木野


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42/89

42.救いを求める声

【書籍化お知らせ】

本作、書籍化が決まりました!

ありがとうございます!


7/10発売です!

予約受付中です!


【リンク】


https://books.tugikuru.jp/20250608-36135/


挿絵(By みてみん)


 私とアメリアさん(with 聖女ズ&ましろ)は、獣人国ネログーマへ向かっていた。

 獣人たちの暮らす、平和な場所らしい。


「獣人しゃんかぁ~。どんなんでしょうねぇ~」


 膝の上にいるましろに話しかける。


「にゃふん」

『【どーでもいいわ】ですってぇ』


 愛美さんがましろ語を翻訳してくれる。

 魂で繋がっているので、言葉がわかるのだそうだ。すごい。


「獣人しゃん……ぜったい可愛いんだろうなぁ~……」


 生で見たことはないけど、アニメだと人間の姿に犬や猫の耳がついてたりして……。


「うふふ、絶対かわいい~」

「しゃーっ!」

『【ヤスコ、アタシ以外に可愛いって言うの禁止!】ですって』


 ……焼きもちを焼いてるらしい。ましろたん、可愛い。


「もちろん、ましろたんが一番かーいーですよぉ~♡」

「みゃん♡」

『【ま、とーぜんね♡】ですってぇ。なんという自信過剰……あっ、パンチ禁止! 猫パンチ禁止! 目を狙わないで目をぉぉ!』


 とまあ、そんな感じで愉快に旅をしていたわけなんだけど──


 途中から、空模様が本格的に怪しくなってきた。


「なんか……ずっと雨、降ってないでしゅか?」

「うむ……」


 外套を着たアメリアさんが、空を仰いで眉をひそめる。


「おかしいな。時期的に雨が降るはずではないんだが……」

『確かに。ネログーマには雨季がありますが、今はそれとは外れてるはずです』


 昔、旅していたことのある愛美さんも頷く。

 状況が変わった可能性もあるけど──違和感を覚えるふたりが言うなら、きっと何かあるのだ。


『……あの、寧子ヤスコさん』


 ふと見ると、私の隣に、霊体状態の貞子さんが現れていた。


「貞子しゃん、霊体になれるんでしゅか?」

『ええ。幽体離脱を覚えました。霊体でいた期間が長かったからでしょうね』


「しゅごい……」


 私にはできないスキルを、またひとつ持っていた……。


「それで、どうしたんでしゅか?」

『使い魔を先行させて偵察しました。この先の森で、魔物同士の縄張り争いが起きているようです』


 確かに、進行方向の先に深い森がある。

 街道はその森を突っ切る形になっていた。


『そのまま突っ込むのは危険ですぅ』

「私もそう思う。引き返すか、争いが収まるのを待つのが無難だな」


 うーん……どうしようか、と考えたそのときだった。


【助けて……! 誰かぁ……!】


 ──はっきりと、私の耳に、助けを求める声が届いた。


「……今の、なに?」

『? 何か聞こえましたか?』


 貞子さんもアメリアさんも首をかしげている。

 唯一、ましろだけが、こくん、と頷いた。


「ましろたん、聞こえましたよね?」

『うにゃ、にゃーん』

『【聞こえたわ。たぶんあたしが拾った声を、ヤスコが共有したのよ】ですって』


 共有……?


『従魔は五感を共有できるんですよぉ』


 なるほど……。

 ましろは猫(猫の神様だけど)だから、人間よりずっと耳がいい。

 そのましろが聞いた声が、従魔契約している私にも届いた──というわけだ。


「どうする?」

「助けを求めてる人がいて、ほっとけないでしゅ!」

「私も同意見だ。行こう……!」


 私たちは、森の奥へと向かうのだった。

【書籍化お知らせ】

本作、書籍化が決まりました!

ありがとうございます!


7/10発売です!

予約受付中です!


【リンク】


https://books.tugikuru.jp/20250608-36135/


挿絵(By みてみん)

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★新連載です★



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『捨てられ聖女は万能スキル【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる』

― 新着の感想 ―
ザネリさんのイラストが私の持ってたイメージ通りで嬉しいです! 小説が楽しくてもイラストのイメージが違いすぎて買う気が失せた事は数知れず! 保存版として購入します^ ^
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