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【書籍化】転生幼女は愛猫とのんびり旅をする【2巻12/10発売!】  作者: 茨木野


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39.新天地へ

皆様からの応援がうれしくて、続編、書くことにしました! 

マイペースに更新していきます!

よろしくお願いします!


 私の名前は黒姫寧子。二十八歳。

 ブラック企業で働く、OL……だった。


 しかしある日、愛猫がトラックに轢かれそうになってるところを助けた際に、事故死してしまう。

 気づけば、私は幼女の姿で、異世界転生していた。


 非力な幼女姿で、頼れる人もいない世界で、野垂れ死ぬしかない、かに思えた。


 しかし一緒に転生してきた、愛猫のましろがなんとバステトという猫の神様であることが判明。

 チート能力持ちのましろがいることで、異世界で苦労することなく、旅をすることができるようになった。


 ましろとともに旅をしながら、同じ境遇の聖女、愛美さん、貞子さんを仲間に加える。

 また、姫騎士のアメリアさんも旅についてきてくれることに。


 最初は、どうなるか不安だったけど、今では楽しく、仲間たちと旅してます。


 ⭐︎


 元々の拠点としていた街を離れて、別の街を目指す私たち一向。

 アメリアさんの運転する馬車に乗ってる。


 アメリアさんは騎士なので、馬の扱いに長けているのだ。

 私は彼女の前に座ってる。

 ちなみに、ましろはカバンの中、愛美さんたちも同様である。


『いやぁ! カバンの中、快適ー!』


 愛美さんの声が脳内に響く。


『ごめんね、やすこにゃん。わ、わたしほら、有名人みたいで……いやぁ、人気者は辛いですなぁでへへ』


 愛美さんは大昔、沈黙の大聖女と呼ばれていたらしい。

 各地で困ってる人を助けていたそうだ。そして、何も言わずに立ち去っていった。だからあだ名がついたそうだ。


 それから長い年月が経過してはいるものの、彼女の名前は知れ渡ってるし、長命者は愛美さんを覚えてるそうだ。

 外をぶらついてると、正体がバレてしまう。だからこうして、カバンの中で生活してる。


『……寧子さん。ごめんなさいね』

「いいんでしゅよ、貞子しゃんは、お尋ね者でしゅからね」


 こちらも聖女の一人、茶臼山貞子さん。

 彼女は召喚主のせいで、悪いことをさせられ、しかも濡れ衣まで着せられてしまったのだ。


 愛美さん同様、外を出歩けないのである。

 旅の仲間は3人+一匹だけど、二人お尋ね者であるため、実質二人旅してるように側からは見えるだろう。


「さて……これからどうしようか、コネコちゃん?」


 アメリアさんが、私を偽名で呼ぶ。一応、私はこの国に召喚聖女として呼ばれた。

 召喚主には、私の居場所を知られたくない(生きてることがバレたらどうなるか……)ので、こうして偽名を使ってる次第である。


「とりあえず、この王国から出たいでしゅね」


 愛美さん、貞子さん、そして私。聖女を異世界から呼び出して、このように使い捨てるような国とは、もうおさらばしたい。


『わたしも他国にいくのは賛成ですぅ~』

『……わたくしは寧子さんに従います』


 聖女ズも、私と同意見の様子。


『ここから近い国は、帝国か、あるいは獣人国ですかねえ』


 と愛美さん。


「それぞれどんな国なんです?」


 アメリアさんが教えてくれたところによると……。

・マデューカス帝国→比較的最近できた国。実力至上をかかげている。銃の生産が盛ん。

・獣人国ネログーマ→獣人が治める、獣人達の国。比較的みんな穏やか。水と緑に囲まれる豊かな国。


「ネログーマ一択でしゅ」


 銃とか、怖いし。それに実力至上主義な国に集まる人たちも、怖そう。

 私たちは、安全に旅したいのだ。


「では、ネログーマに向かおうか。ゲータ・ニィガ王国から、東に向かって進んでいく道程になるぞ」

「あい!」


 私たちを乗せた馬車は、東へと進路を切る。

 そのときだった。


 ぴん、とましろの猫のひげが動いた。


「ふにゃう」

『【敵ね、鳥だわ】だそうですぅ』


 愛美さんがましろの言葉を翻訳してくれる。

 彼女は、ましろと魂同士でつながってるので、猫の言葉がわかるそうだ。


「鳥……? いったいどこに……?」


 上空を見渡しても、鳥らしい影は見当たらない。


「うにゃう!」

『【東の空よ。こっちに向かって飛んでくるわ。あたしがやっつけるわね!】』


 ましろがしゅたっ、と馬の頭の上に立つ。


「あ、あぶないでしゅ!」


 私はましろをぎゅっと抱く。


「なう?」

『【なんでとめるの?】』


 私は首を振る。


「ましろたんの力、強すぎでしゅ!」


 ましろはバステト。猫の神様だ。ものすごいパワーを持っているのである。

 ちょいと攻撃するだけで、とんでもない事態が起きてしまう。


 ぴくぴく、とましろがひげを動かす。


「しゃー!」

『【うだうだしてたらきちゃったじゃあないの!】ですって!』


 たしかに、こっちに鳥が飛んでくる。

 ……しかし、解せない。あんまり早くないのだ。あれくらいなら……。


「【結界】!」


 私は鳥の前に結界を出現させる。

 転生聖女である私には、聖女スキルというものがある。


 結界治癒浄化。私の得意技は、主にこの三つ。

 そのうちの一つ、結界スキル。愛美さんたちから、聖女の力を貰ったことで、パワーアップしたそれは……。


 パァンッ! と、鳥を、消滅させたのだ。


『な、ななな、なんですかぁありゃあ!?』

『……早すぎて、何が起きたのかわかりませんでした』


 聖女ズがそんなことを言う。あれ?


「普通に、鳥が私の出した結界にぶつかって、木っ端みじんになっただけでしゅが?」


 するとアメリアさんは目を剥いていた。

 聖女ズも黙っている。あ、あれ?


「どうしたんでしゅ?」

「いや……コネコちゃん。私にも、敵の動きが見えなかった……」

「ええっ? アメリアしゃんも!?」


 アメリアさんは確か、すごい実力の持ち主だ。だって、冒険者として登録してすぐに、高ランクをゲットしていたし。

 そんな彼女の目でも追えない、敵の動きが見えていたなんて……。


『やすこにゃん、すごいですぅう……』

『……どうやらこないだの一件で、ますます強くなったようですね』


 こないだのクエストで、色々あって、またパワーアップしていたのだ。

 その影響で、私は動体視力が上がっていたらしい……。


「うーにゃ!」

『【とーぜんよ! ヤスコはこのバステトに選ばれた特別な存在なんだから! 強くて当然よねー!】ですってぇ』


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★新連載です★



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『捨てられ聖女は万能スキル【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる』

― 新着の感想 ―
楽しみが増えました♪ 更新楽しみにしてます 頑張ってくださいね
おかえりなさい! ほのぼののんびり安全な旅を期待してます〜(笑)
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