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【書籍化】転生幼女は愛猫とのんびり旅をする【2巻12/10発売!】  作者: 茨木野


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26.第二試験結果を、ごまかす



 第二試験、的あて。

 私の放った能力アビリティ、火遁が予想以上の高威力だったせいで、あわや大火事を起こすところだった。


 ましろのおかげで、なんとか鎮火できた。

 けど……問題はまだ、解決しない。


「な、なんだったんだあの炎……」


 ざわつくギャラリー達。

 仕方ない。いきなり大火事が起きた、とおもったら次の瞬間、大洪水が起きてたんだもの。

 しかも……。


「あの幼女、口から火ぃ吹いてなかったか……?」

「うそでしょ?」

「まさか……口から火なんてふけるわけないだろ、あんなちっこい子が」

「でもじゃあ、あの炎はだれがやったっていうんだよ……」


 まずい。

 このままじゃ、私の力がバレてしまう。

 どうしよう、どうすれば……。


 ましろは我関せずとあくびしてる。

 ましろがやったことにする? でも猫が火ぃ吹いたらそれこそ……。


 ん?

 待てよ……ましろじゃなくて、そうだ!


「す、すごいでしゅね、アメリアしゃんの、紅蓮刃!」


 私はスキルを発動しながら、声を張り上げる。


「いやぁ、紅蓮刃、すごい威力でした! なんという高火力! 最優の騎士って呼ばれるだけは、ありましゅね!」

 

 と、私が周りに聞こえるように言う。

 アメリアさんは直ぐに意図を汲んでくれたのか……。


「そ、そうだ! わたしの魔剣技、紅蓮刃。そして、雨を降らせる海破剣! す、すごい……だろうっ?」


 アメリアさんが凄く、辛そうな顔をしていた。

 真面目な人だから、ごまかすの凄い苦手なんだ。


 ごめんねアメリアさん。

 果たして……。


「うぉおおお! アメリア様すげえええええええええ!」


 わっ! とギャラリーが沸き立つ。


「なんだ、アメリア様がやったんだ」

「すげえな、剣から猛火と洪水を出しちゃうなんて!」

「さすが、最優の騎士だけあるな!」

「わたし、アメリア様の魔剣技初めてみたけど、すごかった! 感動しちゃったー!」


 ほぉ……良かった……ごまかせたようだ。


『そ、そっか! 猫だましを、やすこにゃんが使ったんですね!』


 そのとおり。

 猫だましスキルを使うと、発言の信用に、プラス補正される。


 アメリアさんは凄い人って、周りの共通認識がすでにある。

 加えて、攻撃は私とアメリアさん、同時に行われた。


 幼女が火を噴いた、雨を降らせた、よりも、凄い騎士が凄い魔法剣を使った。

 そのほうが、皆信用してくれると思ったのだ。


「常識的に考えて、幼女が火なんて噴くわけないし、雨なんて降らせられるわけねーもんなぁ」


 とギャラリーが言う。そう、まさにそのとおり。

 自分でやったことだけど、こんなトンチキ現象、普通信じないもの。


『人は、自分が信じたいものを信じるものですからね。じ、自分より幼い少女が、あんな凄いことをした、なんて、皆信じたくないのでしょう』

「みゃー!」


『【人間っておろかねえー!】ですって? ほんと、そう思います。わたしも……』


 何はともあれ、これで実力バレの危機は去ったわけだ。

 良かった……。


「アメリアしゃんの功績にして、ごめんなしゃい……」

「いや、気にしないでおくれ。わたしは気にしてないから」


 アメリアさんは、本当に優しい人だ。

 私が多大なる迷惑をかけてるというのに、嫌な顔を一せず、協力してくれるのだから。


「えー……それでは、第二試験の結果を発表しますね。アメリアさん、測定不能」


 カカシは黒焦げになってはいるものの、原形を留めていた。でも、威力が大きすぎて、測定できなかったのだろう。


「火を呼び、雨を呼んだことは、備考に記載しておきますね。本当にすごかったです! ちゃんと的に攻撃あてられてましたし」


 あ、そうだ。この試験、威力だけでなく、離れたところに攻撃を当てられるか、という課程も重視されるんだった。

 良かった、アメリアさんが測定不能で、試験不合格にならずにすんで……。


 ……で、問題は私だ。

 

「コネコさんは……攻撃しました?」

「まだでしゅ」


 ってことにしておく。 

 もう能力アビリティは使わない。危なすぎるし。

 となると、能力アビリティ抜きで、投石するしかない。


「私、この石を、カカシに向かってなげましゅ!」


 ギャラリー達は私を見て、ぷっ、と吹き出す。


「おいおい投石かよぉ」

「石投げって、さすが子供(笑)」

「そんなんで冒険者になれるわけねえだろぉ」


 と馬鹿にされてしまう。

 

「にゃ゛? にゃ゛ぁ?……」

『【あ? ぶっころすぞ?】わたしも確かにイラッとしたけど、殺しはNGですよぉ!』


 すると……。


「だまれえええええええええええええええええ!!」


 世紀末さんが、声を張り上げたのだ。


「だれだぁ? あの子をばかにしてやつはぁよぉ! 最初はだれでもルーキー! 初心者じゃあねえか!」

「世紀末しゃん……」


「自分が一度通ってきた道だろうがぁ! そこから一歩ずつ強くなってきたっていう、自分の過去を忘れちまったかてめえらよぉお! なぁ!?」


 みんな、黙りこくってしまう。

 世紀末さんはこっちを見て、ぐっ、と親指を立てる。


「ひゃっはー! やっちまぇ!」

「はいっ! よーし……いきましゅ!」


 私は石を持ち、振りかぶって、投げる。


「ちょりゃー!」


 ヒュー………………ン。コツン。


「あ、当たりましたね! おめでとうございます!」


 受付嬢さんが褒めてくれた。


「すごいぞ、よくあんな離れたところに、石を当てられたなっ」


 アメリアさんも、凄く凄く褒めてくれる。

 世紀末さんはグッ、と拳を突き出してきた。ありがとう、応援してくれてっ。


「では、コネコさん。攻撃は当たりました。威力は……あ、あれ?」


 受付嬢さんが首をかしげる。


「お、おかしいな……【測定不能】? そんな、バカな。石がぶつかっただけで、威力の測定が不可能?」


『確かに、ちょっと変ですね。威力1とか、そこらかならともかく、測定不能って……』

「くあぁあ……。ふにゃあ」


『【長いんですけどぉ。早く次のテストにいってよぉ】って。ええー……気になりません? 威力がオカシイ理由』


「くあぁー……」


 全然興味なさそう、ましろ。

 今度ばかりは、ましろが何かしたってことはなさそう。

 

 じゃあ、どうして投石の威力が測定不能だったんだろう……?


「と、とりあえず当たったという結果と、測定不能だったことは、記録として残しておきます。では、最後の試験を行いますので、移動しましょうか」


 受付嬢さんの後に、私とアメリアさんが続く。

 そのときだった。


 ぴしっ、ぴきっ。

 ボォンッ……!


「な、なんだぁ!?」「カカシが急にぶっ壊れたぞ!?」「絶対壊れないはずのカカシが壊れた!? どうなってるんだ!?」


 振り返ると、確かに、カカシは木っ端みじんになっていた……。


「アメリアさんの攻撃が効いたんじゃあねえか?」

「あ、なるほど……」

「あんだけ凄い攻撃喰らったんだ。壊れてもおかしくねえなぁ」


 うんうん、と納得するギャラリー達。


『で、でも、やすこにゃんが投げた石が当たった、カカシしか壊れてないの、おかしくないですかぁ?』

「なーう」


『【どうでもよくない?】って、え、ええー……気にならないですかぁ? もしかしてやすこにゃんの投石、実はめちゃくちゃ威力があったんじゃ……』

「くぁああー……」


 なにはともあれ、次で、最後の試験だ。

 頑張ろう。

 第一、第二試験の結果は、酷いものだったし。(測定不能×2だし)。

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