デリカシー
先ほどとは打って変わってあっさり逃げていくゴブリンを尻目に俺はカオルさんに尋ねた。
「倒したんですか?」
「え?私を押し倒したい??」
「唐突に色ボケ発言!!?大和撫子はどこいった!?」
「カオルさんを押し倒すならそ、そのわたしぃぃよ」
横から真っ赤なトリーが小声で言う。お言葉に甘えたくなるからやめて!?というかそのままカオルさんの発言を真に受けるのもやめて。
俺はそんなことを思っているのにカーラさんからジトーという視線をいただいている。本当に言ってないから。なんで、倒したかどうか聴いただけでこんなことになってるんだよ!!
「ごめん、冗談です。敵は確かに倒しましたよ。ゴブリンが統制を失ったことが証拠です」
「冗談じゃすまないんだけど!!」
「やっぱり、鬼人だったけ?は指揮官みたいなものなのか」
なぜかさっきまで真っ赤になって真に受けていた被害者トリーは俺の抗議を無視して話を進める。
「うん。」
「おい、話をきk――」
「よく、知ってましたね。強力なモンスターですが珍しいというのに」
「遂にカオルさんまで無視しはじめた!?」
ガックリ、としているとトリーに耳元で囁かれた。
「言ったほうも恥ずかしいに決まってるでしょ。無視してあげな?」
「おう」
俺は自分のデリカシーの無さに更に肩を落とすのであった。
遅れてすみません




