妹も
そして、700Gをカーラさん300G、残りの400Gを二等分して俺たちが貰うことした。カーラさんが全額貰うべきだったんだけどね。
一緒に探してくれたのと、信仰集めをしてくれるからという理由で断られてしまった。
「じゃあまた学校でね」
「じゃあな」
「また明日」
こうして、俺たちは別れた。
ーー翌朝
俺はいつも通りに朝食を食べようとすると、珍しいことに妹が先にテーブルに座っていた。
あ、なるほど。今日からなのか妹は。妹は中学二年生なのだが、春休みはいつも通り起きることはしない。だらしないな~そのだらしなさは俺のせいな気がするけども。
「お!?お兄ちゃん!!?まさか、私が先に起きることになるとは......突如、光の槍が降り出し神対人間の戦争になりそうだ」
「なんで、そんなファンタジーな世界が終わる戦いが始まると思うんだよ!!!」
「ううん、世界は終わらないよ!!お兄ちゃんが居る限り!」
「迫真の演技だな...というか俺は神に対抗しえる力なんて持ってないから!!!」
「え?お兄ちゃんは魔王だよね?あ、魔王は仮初めの姿で、世界を絶望に落とすことによって神の信仰をそぎ、実は人類を抹殺しようとする神の力を落とす勇者だったね」
「よく今の一瞬でこんな設定考えられたな!!!」
まあ、こんな感じの妹です。俺もそうだが、妹もアニメやラノベが好きなのである。ただ、ここで注意して欲しいことがある。
俺は妹のようにサブカルチャーに毒されている訳ではないという点だ。そして、他の人も大半は好きでもあそこまで至ることはない。
「どうしたのお兄ちゃん?まるで妹がサブカルチャーに毒されているけど俺は違うみたいな顔して」
「ピンポイント過ぎるだろ!?普通にそんなピンポイントに当てられたら怖いわ」
「いやーそこは妹ですから。全てお見通しだよ」
まあ、俺の心の中をピンポイントで読み取るのはいつものことだけど、やっぱり慣れないな。いや、慣れちゃ駄目だな。慣れたらいっかんの終わりだ。
「どうしたのお兄ちゃん?まるでこれは萌えたわ~妹に惚れたらいっかんの終わりだなみたいな顔して」
「惜しいけど意味は全く、違うな!俺はシスコンじゃないぞ!!」
「えぇ!!?嘘でしょ?そ、そんなはずが...」
「なんでそんなショック受けてるの!?逆にシスコンみたいな行動をした覚えがないよ!?」
「あれは、六年と一ヶ月、いや、11年と少し前のことだ。めっちゃ可愛がってくれたじゃん!」
「一気にネタ感が崩壊したな!!しかもそれって1歳とかそこらの時だろ!!可愛がって当たり前だ!!」
「くっ、何も言えねぇ」
残念な上に妹はハイテンション過ぎる......俺は妹がガクっと、うな垂れている間に家を出た。




