作戦会議?
「明日ですか...」
「準備もあると思うので出来れば明日ということで、お願いしたいのですが」
「わかりました」
もちろん、明日に出来るとは思っていない。だが、旅の資金が準備の間に貯まる、ということは避けたいために出来れば明日にお願いしたのだ。そうすれば(間に合わなかった。早くしないと)という気持ちが生まれ早くなるはずである。
我ながら鬼畜なものだ。罪悪感はあるが後悔はしていない。反省もしていないッ!これだけは言っておかないと....カオルさんは責任感ありそうだし、これを言っておかないと効率が悪くなるからね
「体は壊さないようにしてくださいね?」
「わかりましたっ!!あ、すみません。わかりましたセルア」
ん?どうしたんだ?さっきより気合が入ったような。それに俺の名前を呼び捨てにしている。そうか!体を気遣ったことにより親密度がUPしたということだな。
なにそれなんてマッチポンプ?まあ、作業を円滑に進めるためだから、うん...俺はかなりの後ろめたさを感じつつ議題を提示した。
「まず、試食させる食品をなににするかを決めよう」
「何を基準に選んだらいいのでしょうか?」
「う~~ん」
トリーが悩むのも仕方ないだろう。試食というのはアニメでは結構出てくるが普通のデパートでは見かけないものだからな。まあ古いデパートではきっちり残っているけども。
俺はアニメでのワンシーンを思い出した。匂いに誘われて主人公が試食をするシーンである。ということは、匂いが良い方が集客力が高いということだろう。たしかに良い匂いがしたらそこに寄りたくなるしね。それと、売りたいものを試食に回せばそれが売れるはず。きっと。
「食欲がそそられるよな匂いを発するものの方が集客率が高いんじゃないかな?それとやっぱり売りたい物を宣伝しないとね」
「なるほど、確かにそうですね」
「ん、試食を少なくしておけば食欲を刺激された人たちは食べざるを得ない状況になる」
「一口サイズぐらいがいいな」
「なるほど、わかりました。その条件ですと照り焼きなどがよさそうですね」
「ん、食欲をそそる匂いがムラムラしてた」
「いや、ムラムラはしてないだろ!!!」
カーラのやつ、隙あらばネタをぶっこんでいく気かよ....ちょっとはカオルさんのことも考えてくれ、顔を真っ赤にしているじゃないか。トリーは良くわかってないみたいだけど。
そして言ってる本人は 無 表 情。
「ということです。後、売りたい物はないんですか?それに追加して売ればいいと思うのですが」
「お寿司ですね。米、刺身、醤油とパンジの食文化が詰まってます!!」
「じゃあ、その二つで決定ですね。メニューは店の外壁に張るとか、木を寄り添い合わせるようにして立たせたものに紙を張ったり直接書いたりしてください」
「わかりました」
みんなはもう食べ終わっているようで幸せそうな表情をしていた。カーラさんも表情に満足という二文字が書いてある。俺も冷えた鮭を食べて、
「ごちそうさまでした」
小声でそう言ってお金を払った。そして、ひとまず食事処を後にしたのだった。
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