店を救え!
前の話の食事の値段が一桁大きかったので修正しました。
試食とメニューの掲示である。試食をすればおいしさをわかってくれるだろうし、メニューを見れば店の中だけを見て高級だから帰ろうとは思わなくなる。それにお通しを廃止するか、事前に無料だと説明しておくことも必要だな。
この三つを遂行すれば、きっと成功間違いなしだ。少なくともプレイヤーが食べに来るはずなので、赤字は免れるはずである。じゃあ、これらをカオルさんに言う..のではなくみんなに相談しよう。
「試食を行うのとメニューを書いた看板の掲示をすればこの店を救えるんじゃない?」
「なるほど、宣伝をすれば有名店になること間違いなしだね」
「ん、安くてお通しは美味しかった」
「呼び込みとかもした方がいいかも。している所があったし」
呼び込みか...パンジという国の特性から考えるとまともに呼び込みが出来ない気がするな。カオルさんは正しく大和美人だし、呼び込みをすれば集客を見込めるとは思うけど。
いや、必死に恥ずかしくなりながら呼び込みをしているカオルさんというのは応援したくなるな。これは呼び込みも案に盛り込んだ方が良いかもしれない。
「じゃあ、試食とメニューの掲示、呼び込みでいい?」
「大丈夫、問題ない」
「いや、いきなり不安になるような返事は止めてよ!!カーラさん」
「これくらいは良いと思う。さんが取れたり愛称で呼んでくれないし」
「問題はそこかい」
「ん、大問題」
「まあまあ、女将さんも困ってるし問題を解決してからにしない?」
「くっ、余裕を見せつけられた」
カーラさんはこれまで喋って無かっただけで、案外ネタとか入れてくるユニークな人なんだな。相変わらず表情は動かないけど。そういえばトリーから賛成を貰ってないな。
「トリーはOKか?」
「OKだよ!」
そう言いながらトリーはサムズアップした。違和感ハンパねぇ...あまりの似合わなさに若干顔を引きつらせながら、カオルさんに俺は作戦の内容を伝える。
「街道でお店の食事をほんの少し味わわせて、お店の料理の素晴らしさを伝えるということですか。それに加え、何があってどれくらいの値段かが、分かり易いようにメニューをお店の外に置いておくということですね?」
「そういうことになりますね。で、呼び込みをすると」
「それは試食の時にすればいいですよね?」
「ハイ」
元をただせば、トリーの満腹度がヤバイから入ったんだっけか。話も終わったことだし、そろそろ頼まないとな。
「じゃあ、そ」
「気まぐれ寿司セットで!」
「私は鳥の照り焼き」
「わかりました。そちらのお名前はなんと言うのでしょうか?」
「セルアです」
「セルア様はどう致しますか?」
「じゃあ、気まぐれ定食で」
「わかりました。皆さん、明日は手伝ってくださいね?」
「え」
ピローン、機械音を立ててウィンドウが出現してきた。今更かよ...
『食事処竹を救え!
食事処竹の赤字を改善せよ。成功すると経験値を結構GET
大幅黒字だと特別報酬がGET出来るよ☆ 』
って、結構ってなんだよ!!!具体的な数値じゃないのかよ!!!しかも最後の星がウザイ。そうツッコミながらも、俺は特別報酬がなにか気になりつつ、出て来る食事を想像し心躍らせた。




