運営Side
流石に全部出すのは展開を急ぎ過ぎたので、予定より大幅カットになりました。そのせいで少ないです。申し訳ありません
「今度はあの子からか...」
水晶板が置かれたモニタールームに居る男が呟いた。ここは意見を整理する場所であり、プレイヤーを監視している場所である。なのに、ここに居るのはたった四名だ。
これはAIの進歩により必要な人手が少なくなった、というのも理由の一つである。なのだが、もっと大きな理由が存在していた。
「ゲームバランスなんて調整できるわけがないんだよな」
「そうだな。唯一、調整する人が居るとすればあの人しか居ないだろう」
事実の隠蔽ためである。運営やその伝手、はたまた世界最高のプログラマーでもこのゲームを作り変えることが出来ないという事実の隠蔽の為だ。
水晶板にプレイヤーや街を写している者ならば変えられなくはない。だが、ほいほい頼めないのでノーカンだろう。
話は変わるが今、こんなに少ない運営で流行っていることがある。
「ちょ、あの人天使を仲間にした!?にしても天使が冒険者ギルドに来るなんてな」
「だよな。まあ、新米天使が光臨するのは有り得なくはないか」
妖精族の男を見ることだ。女神が出だした辺りから流行になったのである。監視しているのがだいたいの仕事なのだから職業怠慢ではない。職業怠慢ではないのだ!
「職業怠慢ではない。職業怠慢ではないのだ!」
「何を熱弁してんだよ。もうすぐ三十路女」
「もうすぐ三十路女言うな!!せめて二十台女性と言え!」
口に出ててたか...それにしても、もうすぐ三十路女は酷いよね。麗しきレディにその言い方はない。あの人たち絶対結婚出来ないよ。
「お、見ろよ。新米天使の信仰元をゲットしたぞ。しかも信仰を集める旅をするらしい」
「へぇ~」
女の子二人に男の子一人か~~面白そう。ちょうど意見整理の役が回ってきたアイツの不満顔をチラっと見てから私はモニターに見入った。




