レア種族
キリの良さ重視で短くなっております。
放課後になった。俺は北山さんに告げる。
「北山さん、ちょっとした用事があるから先に帰ってて。用事が終わったらLINEするから」
「わかった」
いや~これで告白だったら北山さんに申し訳ないな~そんなことを考えつつ、俺は玄関の様子をさぐる。これで北山さんに見られでもしたらややこしい事になるからな。いや、ならないか。北山さんなら付いてくることもなさそうだし、落し物捜しだったのか、って納得してくれそうだ。
優しいし、素直だからな。今、北山さんが少し寂しそうに帰っていくのを見ると一緒に帰りたかったな、と思う。石川さん、許さん!!
石川さんを逆恨みしながら俺は体育館の裏に着いた。
体育館の裏に着くと、やはりそこには石川さんの姿があった。石川さんは俺が来たのを視認するとすぐに言う。
「あなたが妖精男?」
「そうだ」
ここで嘘をついても良いが、確信を持っているような口振りだったので俺は正直に告げる。話の意図が見えて来ないぞ?AWのことは関係ないだろうし、何で聴いてきたんだ?
「フレンド登録して。あの女の人ともしたんでしょ?」
「確かにしたがな。お前、そもそもハーフだからAWを買えないだろ」
「特別措置を執って貰った。私、AW持ってる。やっぱりハーフだから駄目?」
「別に持ってるなら良いけど。何で俺に頼んだんだ?それこそ女子、北山さんの方がフレンドに気軽に登録できるだろ」
「私、天使族だから。同じレア種族の君の方が気軽」
「えっ!?お前もレア種族なのか?」
これは驚いた。これで、五つの種族がわかったな。にしても妖精と天使ってまた似たようなのを運営もチョイスしたな。
あ、そういえばWikiにあのこと書き忘れてたわ。
「それなら納得した。レア種族の同志として仲良くしよう」
俺は握手を求める。女の子の手にもあれで慣れたぜ!
「ん。よろしく」
「あ、それとLINE交換しようぜ。北山さんもフレンド登録する?」
「わかった。北山さんもする」
俺は前回の反省を活かし、バンクルを取って交換をする。あれ、一瞬で終わったんだけど。あ、北山さんのバンクルの調子が悪かっただけか。
「じゃあな」
「うん、さようなら」
そう言いながら手を振る石川さんは、心なしか笑っている気がした。
ついつい、展開を急いでしまう。




