運営の凝り性、許すマジ
今回は話のキリのよさの関係上ちょっと少ないです。
だから経験値が高かったのか。全部回収してくれたならクエストも終了しているはずだし、そろそろ帰ろうかな。俺はおもむろにメニューを開くとリアルの時刻が表示される。『18:45』あ、これヤバいやつやん。
「もう、リアルの時刻が18時45分だよ。クエストもクリアできる量だし、冒険者ギルドに行って素材を買い取ってもらって帰ろう」
「そうだね。帰ろっか」
丁度こちらでは夕日の出る頃になっており、草原が茜色に染められていた。とても綺麗である。トリーと手を繋いでいるのも相まってとてもドラマチックだった。その空間を魔物も汚したくないのか、魔物にはエンカウントしなかった。
普通に幸運のおかげですよね知ってます。
俺たちは初心者の草原を抜け、冒険者ギルドへと到着した。初心者の草原ってまんますぎやしませんかね。
俺たちは冒険者ギルドに着くと、報告カウンターと書いてある受付に出来ている列に並んだ。報告カウンターというのも日本語や英語で書いてあるわけでもなく、しっかりどこの国か判らない言語で書いてあった。
何で読めるのかって?知らんな。いや、本当に知らないのである。知らないがただ、日本語と同じように意味が読み取れる。NPCだけでもなくプレイヤーも並んでいるため、ゲーム側が意味を取れるようにでもしているのだろう。
しばらく時間が経つと俺たちの番が回ってきた。すると、ノースさんがウィンドウを受付嬢に飛ばす。そして言った。
「このクエストを完了しました」
「わかりました。これを持って、買取カウンターの方へ進んでください」
俺たちは札を持ち、今度は買取カウンターへ向かう。さっき、気づいたのだが、NPCの言葉と口元の動きがあってない。凝りすぎでしょ。運営凝り性かよ。このとき、俺は知らなかった。運営の凝り性は恐ろしく重症だったことを....
はい、「何故か、冒険者が増えてね。ゴブリンの皮の価格が暴落しているのじゃが、美人なお嬢ちゃんにはサービスしよう」という言葉と共に、俺たちにはゴブリン四匹の分である100G、上位ゴブリン二匹の分である50G、計150Gを渡された。
Oh.....
ヘルプによると、1G=百円の価値である。要するに150Gとは一万五千円だ。一万五千円。命を賭けて短期バイトの日給ぐらいとかおかしいやろ!!!
「これは辛いね」
「私がやった時は全員ゴブリンだったけど、五匹で300G貰えたんだけどね....で、でも!!それなら安い宿屋には泊まれるから!!」
「そうだな!」
俺はトリーに励まされて、別れの挨拶を言い、ログアウトした。おのれ運営。
展開が急すぎたので遅くしてみたら、遅くしすぎたかもしれない。




