戦闘
今日は作者の都合により二回更新になりそうです。すみません。
俺はノースさんに聞いた。
「ノースさんは何レベなの?」
「2レベだよ。後、下の名前で呼び捨てでいいから」
「お、おう」
実のところ、下の名前を覚えてなかった俺は慌ててフレンド欄の名前を確認する。え~っと、トリニティか。下の名前で女子を呼んだことがないからな。すごい緊張する。
決心をして言おうと思った矢先にノースさんが言った。
「もしかして、私の下の名前忘れてた??もう、怒っちゃうよ」
「ごめん、忘れてた。と、トリニティさん」
「呼び捨てになってない」
そう頬を膨らませて、ノースさんは拗ねた。やはりこういう所は、北山さんらしさが出ている気がする。え?まだ、会って一日なのに何言ってんだ?心が繋がっているから日にちは関係ないのさ、ふっ。
またもや誰かに澄まし顔を決める。リア充羨ましいだろ。
「俺は3レベだぜ」
「無視しないでよ!!」
「冗談、冗談。でも、トリニティって」言いにくくない?
「確かにそうね。じゃあトリーでいいよ」
「わかったよ。と、トリー。行こう!」
勝った!!!あだ名にすることによって親しい感じを出すと共に、俺の下の名前を呼ぶ、心理的ハードルを下げる作戦が成功した!!
この勢いに乗れば告白が成功するのではないか、という考えが俺の頭の中を横切る。いやいや、まだ急ぐ時じゃない。会って一日しか経っていないのだ。
もっと親睦を深めるべきだろうし、もし北山さんが悪いやつだったら成功したところで意味はない。いや、北山さんが悪いやつの可能性はゼロだけどね。
手を繋いで歩いていると、たまに他のプレイヤーやNPCに遭遇するのだが、殺気を帯びた視線で見てくるのは何故だろう。あ、イチャイチャしてるからか☆
そんな風に歩いていると今度はゴフリンの群れに遭遇する。ゴブリンは五匹おり、二匹は剣と盾持ち、後方の三匹は魔法使いだった。
まるで、パーティーを組んでいるかのような構成である。いや、パーティーを組んでいるのだろう。多くの小説やゲームでは、ゴフリンはただの雑魚ではなく魔物にしては頭が回るという設定だ。
だから、道具を使ったり、パーティーを組んでもなにも不自然ではないな。そう結論づけ、俺はトリーにお願いする。
「トリー、前衛のゴブリンを引き離して、出来るなら倒して。その間に俺が後衛を倒す」
「わかった。任せたよ」
「おう、任せておけ」
よし、ここは発動スピードが速いウォーターボールを使うか。早く、弱く、ウォーターボール。出来るだけ構成するのに力を注ぐ。するとすぐに発動した。後衛のゴブリンにはご退去願おうか。
ゴブリンに直撃し、つぶれた。そういえば素材がどうとか言ってたよな。これじゃ素材駄目になったな。素材を集めないといけないのに。そんなことは良い、トリーさんの手伝いをしないと。
ここは範囲で攻撃をする魔法ではなく、アクアショットで。力を抑えて、指を出来るだけ速く動かせ!!
「速綴!!」
すると指が自分でも有り得ないほど速い速度で動き、2秒で綴り終えた。トリーが苦戦しているゴブリンに向けて発射。
またもや弾丸のような速度でゴブリンの脳天をぶち抜いた。そして、トリーの元へと駆け寄った。




