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嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
ファイアロッドの大迷宮編

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孤児院へ……王都立だから綺麗だねー

 

「クルルー!」「クールル!」「きゅるるー!」


 まぁ、解っていたよ。

 孤児院という事は、イシュラ以外にも子供が居るって。

 クルルと呼ばれているのは、素顔で来ているから。だって眼鏡取られるの嫌だもん。

 そして、私の髪飾りバラマキ攻撃で幼女達の心を鷲掴みにし……纏わり付かれている。ふっ、私はモテモテだ。

 男子達よ、羨ましいだろーはっはっは。

 因みに孤児院の場所は……まぁ、クベリアさんの家から徒歩五分くらいの所にある。

 今クベリアさんの家に行ったら父が居そうで、近くを通るとソワソワしてしまうね。

 さっきセイランにはイシュラの事を話して一緒に行こうと言ったけれど、断られた……なんか苦手な奴が居るからやめておくとの事。


「なんかごめんね。年の近いお客さんが嬉しいみたいで」

「良いの良いの。キラキラした目を見るのって嬉しいし」


「そう言ってくれると思ってた。ありがとね、クルル」


 イシュラは少し柔らかい雰囲気になった。出会った頃よりもずっと今の方が可愛い。でもまだ可愛いより格好良いが上だな。


「あっ、そうだ。イシュラ、これ着けてみて」

「なにこれ? 黒い布?」


「包帯だとズレるから、大きな眼帯みたいなやつ。疲労回復効果があるからずっと着けていても大丈夫だよ」


 受け取ろうとしないから無理矢理着けさせてみると、おっ似合う似合う。赤い髪に黒い眼帯……良いね。でも化粧っ気が無くて作業着だからイケメン感が凄い……


「イシュラかっこいー」「いけめんだー」「きゅるるもしてしてー」

「もう、一回だけだよ? イシュラ貸してー」

「えっ、だって洗わないと……」


「何言ってんのさ。ほら外して外して……どう?」

「「「きゃー! かっこいー!」」」

 黒い眼帯着用。良いね、イケメンだ。

 幼女達は大絶賛。私にくっ付いて離れない。


「あっ、返すね」

「う、うん……あの、クルル。部屋で話さない?」


「良いよ。みんな、私はイシュラとお話があるからまた後でね」

「えー!」「やだやだーここで話してー」「きゅるるぅ……」


「良い子にしていたら、遊んであげるから、ね?」

「明日も来てよー」「さびしいー」「きゅるる……泊まってよ……」


 幼女達を振り切り、階段を上がった先にあるイシュラの部屋に行く。顔の関係で個室らしい。

 部屋に入って、椅子に座るとイシュラが隣に座って私の手を握った。


「クルルが、みんなに受け入れられて良かった」

「女子だけね。男子からはあんまり歓迎されていないみたいだし」


「私のお客さんだから、かな。よく男子にからかわれるから……火傷とか、オバケとか」

「……じゃあぶん殴りに行こうか」


「待って待ってっ! 男の子ってそういうものだから」

「私は嫌だな。友達がからかわれるの……私が居る時に言ったら容赦しないからね」


 失礼な。

 女子の顔をからかうなんて許せん。

 今に見てろ、私がイシュラを治してやるんだから。

 あっ、イシュラに回復魔法を掛けておこう。積み重ねって大事だから。

 火傷痕に手を当てて魔力を流す。火傷の熱が少しおさまっていく。


「……私も、魔法覚えられるかな?」

「うん、覚えられるよ。適性見よっか?」


「う、うん、お願い」

「じっとしていてねー」


 手に魔力を流して調べて解析の魔眼を使えば素質が解る。闇と火と風……未覚醒の属性、それに光もある。凄い素質だ。

 じー……右眼は見えないけれど、左眼は綺麗だな。髪を梳かして、自作のヘアピンを着けてみる。おっ、顔がよく見えるから可愛い。

 右眼の方に髪を流して……収納鞄から整髪料をだして手に馴染ませて、毛先に馴染ませる。グニアに貰った色付きリップを唇に塗ってみる。

 ほうほう、良いね良いね。クール系美少女だ。


「……あの、なにしてるの?」

「今私の楽しみを満喫しているの。ほらっ、みてみてー」


 鏡をイシュラに向けると、口元が笑って嬉しそう。

 笑うと凄い可愛いじゃん。


「クルル、これなら気持ち悪いって言われないかな?」

「言われないよ。イシュラ可愛いもん」


「へへっ、嬉しいな」

「この整髪料とリップはまだ予備があるからあげるよ」


「いや、私には勿体無いよ」

「遠慮しないでよ。それこそこんなに可愛いのに勿体無いじゃんっ。今のイシュラはチューしたくなる唇だぞー」


 顔を近付けて人差し指でイシュラの唇に触れると、顔を真っ赤にさせて可愛いのう。


「えっ、ちゅ……」

「ふふっ、いつか……君は恋をする。その時に、もっと自信を持って欲しい。私は君の笑顔をもっと増やしてあげたいんだ。そうなれば私も嬉しいから」


「ありがとうしか思い浮かばないな…… 恋、か」

「まだ先の話だけれどね。私も……あっ、そうだ図書館から本を借りてきたんだ。一緒に読も」


 イシュラは読み書きは出来るけれど、計算とかは苦手らしいから一緒にお勉強。

 その後我慢できなくなった幼女達がコンコンコンコンノックをして勉強にならなかったので、幼女達と遊ぶ事にした。

 イシュラは本に夢中だったから、私と幼女達で広場に到着。

 広場には結構子供が居る。下は三歳くらいからで、上は中等部くらいか? この孤児院には何人居るんだろうね。百人は居そうな感じだけれど……


「きゅるるしゅごーい!」「鳥さんだー!」

 小さいアクアバードを出して、幼女達の周りを飛ばしてみるとぐーるぐると幼女達が回ってはしゃいでいる。純粋な反応って良いよなぁ……学院じゃ出来ないし。

 おっ、私と同じくらいの歳の男子達が近付いてきた。

 にやにやして、もしかしてイシュラに悪口言っているのはこいつか?


「ははっ、そんなの出して何が楽しいんだ?」

「これが魔法か? しょぼいし弱そうだな」「ゴブリンとか出してみろよハハハハ」


 あまり友好的では無い。

 幼女達はムスッとして私の影に隠れた。

 普段からこんな感じなのが解る……悪ガキと呼ぼう。まぁ私もガキなんだがね。


「邪魔するならあっちに行って」

「余所者が何言ってんだ? ここは俺達の場所だ。お前があっちに行けよ」


「そう、じゃあ移動するね。みんな行くよー」

「はーい」「べーっだ」「きゅるるに話かけんなぼけっ」


 きゅるるっ子は口悪いぞっ。めっだぞ。

 隅に移動し、土魔法を駆使して滑り台を作成。

「きゃー!」「しゅごーい!」「あそぶあそぶー!」

 幼女が滑る様子を土魔法で作った椅子に座って眺める。

 私は滑らない。

 迷宮の罠で落とし穴の先に滑り台があって、最後にでかいウンコがある最悪なトラウマを思い出すから。ウンコは回避したよ、一応女子だから本気出したさ。

 それにこの国の法律では、魔法で怪我をした場合、魔法の使用者に責任が行くからね。目を離してはいけないのだよ。


 ……悪ガキ達がやって来た。なにさ。


「おい、俺達にも滑らせろよ」

「なんで?」


「は? 俺達の場所だからに決まってんだろ。なぁ?」

「余所者は黙って従えば良いんだよ」「おもしれえ魔法だから子分にしてやっても良いぞ」


 うーん、殴りたい。

 ここでこいつらに滑り台を明け渡すのはムカつくし、かと言って断っても話を聞かなさそうだな。

 という事で幼女達を呼んで、指パッチンをして格好よく滑り台を土に還す。


「おい何すんだ! 遊べねえじゃねえか!」「また作れよクソが!」

「これは私の魔法だ。私がどう扱おうと勝手だろ?」


「俺達の場所だから俺達のものだ! 余所者の癖に生意気だぞ!」

「「そうだそうだ!」」


 諸君、余所者だから勝手に出来るのだよ。

 あっ、職員さんが騒ぎを聞き付けてやって来た。


「何事ですか? はぁ……あなた達、今度はお客さんに何をしたんです?」

「ちげえよ! こいつが俺達を仲間外れにするんだ! 俺達は遊びたかっただけなのにさ、先生もなんか言ってくれよ!」

「こいつのせいで滑り台で遊べなかったんだ!」「遊び場を奪ったんだ!」


「それは、本当ですか?」


 まぁ間違ってはいない。私が否定しても良いんだけれど、こいつらの居場所がここである以上余所者が肩身を狭くする事に疑問はある。

 まぁでもそこは、背景がどうであれ人間性の問題だ。


「私が魔法で滑り台を作って、次の遊びをする為にそれを消しただけです。見ていない所で怪我でもされたら私のせいになりますからね」

「滑り台を作る魔法なんてあるんですね。確かに魔法で作った物で怪我をした場合、魔法を使った人に責任があります」

「そんなの知ったこっちゃねえよ! こいつは俺達の場所を荒らしやがったんだ!」

「そうだそうだ! 出ていけ!」


 悪ガキは話を聞いてくれない訳か。この職員さんはナメられているみたいで言う事は聞かなさそうだし……周りの子達も集まってきたし。

 あっ、イシュラが出てきた。キョロキョロして私を見付け、一緒にいる悪ガキを見て顔を顰めた。

 とりあえず手招きして来てもらう。

 近くに来た所で幼女がイシュラに気が付いて、イシュラに駆け寄って行った。

 今のイシュラは私のテクで普段よりも綺麗になっているから幼女達の目がキラキラしていた。


「わぁっ……イシュラ綺麗」「可愛いっ」「ゆるふわー」

「へへっ、ありがと。クルル、何かあったの?」

「この子達と遊んでいたら、絡まれたんだ。あっ、そうだ。この子達と部屋でアクセサリー作りをするんだけれど、一緒にやらない?」


「う、うん。やる」

「じゃあ行こうか。職員さん、話すだけ無駄なので行って良いです?」

「え、ええ……」


 悪ガキは私の魔法を馬鹿にしたから仲良くする気も無いし、幼女を纏っているイシュラとさっきの部屋に行こうとした所で、悪ガキが回り込んできた。


「まてよ……馬鹿にしやがって、許さねえぞ」

「言葉を返そう。許さなかったら何をするの? 教えて」


「はっ、魔法に自信があるみたいだろうけど兄ちゃんの方がもっともっと凄いんだ! お前のしょぼい魔法なんかよりも凄いんだぞ!」

「ふーん、じゃあその兄ちゃんって人を連れて来れば良いじゃないか。待っているから連れて来て」


「ははは! 今に見てろ! おい、兄ちゃんを連れて来い!」

「えっ、でも俺なんかが行っても門前払いだぞ。お前が呼びに行けよ」

「ちっ、使えねえな……じゃあ直ぐに戻って来るから待っていやがれ!」


 悪ガキのリーダーが走って行った。

 待つのも面倒なのでさっさと部屋に行こうとしたけれど、悪ガキの取り巻きが通せんぼ。


「待てよ! どこ行くんだ!」

「部屋だよ」


「行くんじゃねえよ! おいお前も行くんじゃねえこの化け物が!」


 ……あ?


「……なんて、言った?」

「だ、駄目だよクルル」


 聞き間違いじゃなければ……今、イシュラを化け物って言ったな。

 さて、殺すか。イシュラ、ちょっと離して。

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