夏の始まりに夏の終わりを 切ない詩度★★★★★
夏が終わろうとしている。
周りは今から夏だと言うのに。
私の世界は夏が終わろうとしている。
夏は恋が始まりやすい時期って言われている。
けど同時に、夏は恋が終わりやすい時期でもある。
そう、私の恋は終わりを迎えようとしている。
恋人の彼から「今日会える?」ってメッセージが来て。
私はすぐに「いいよ!」って返事して。
彼と待ち合わせして彼と合流して。
彼とよく行くカフェに行って。
彼はブラックコーヒー、私はアイスティーを注文して。
私は飲み物が来るまで彼と他愛ない話をして。
でも、彼はずっと浮かない顔をして。
注文したブラックコーヒーとアイスティーが来て。
カラカラと。
私がアイスティーの氷をストローでかき混ぜていると。
彼が、切な気な顔をしながら言った。
「……別れよう」
って。
カラン……
ストローを回していた手を止めた。
暫く、彼の言葉が理解できなかった。
そして。
「……そっか。やっとかぁ」
って、私は言ってた。
知ってたから──彼には、私以外に好きな人がいるって。
私が言うと彼は驚いた顔してたけど……
分かりやすすぎるんだもん。
彼女と話している時の顔が、恋してる人間の顔だもん。
彼女もまた、恋してる顔してたし。
2人のその顔に気づいた時……なんかもう、いいやって。
思ってた。
けど……
実際、別れ話をされると……悲しくて。
まだ、彼のことが好きなんだって。
でも、彼のこころは彼女の方を向いている。
だから、私は諦めなくちゃって。
思う……けど。
「うん……別れよっか」
カラン、と氷がコップの中で音を立てる。
コップの中に、雫が一粒落ちた──




