黒死鳥が世界を黒く染める刻炎の鳥が世界を救う 物語的詩度★★★★★
この詩は、以前に短編詩として投稿したものです。
青空広がる或日の午後。
白い雲がゆったりと空を泳ぐ。
その下では、人々が日常を生きている。
刹那の時間を楽しむ人。
仕事に追われる人。
退屈でため息を吐いている人。
みな、当たり前の日々を生きていた。
そんな時だった。
黒い炎を纏うものが、大空に現れた。
飛行機よりも大きい翼。
ちりちりと黒く燃えた体。
鼓膜が千切れんばかりの、鳴き声。
黒死鳥だ。
黒死鳥は巨大な翼を羽ばたかせながら、空を舞う。
すると青空が闇に覆われていく。
あっという間に、世界が闇に包まれた。
黒死鳥が舞うと、闇が訪れる。
闇に包まれると、世界は魔物の巣窟と化した。
あっという間に、人々の日常が奪われた。
混乱する人々。
闇に、魔物に怯える日々。
震える世界の人々。
そんな時、星ひとつない闇の空に大きくて真っ赤な炎が舞う。
炎を纏った鳥が、果てしない闇に翼を広げる。
闇を照らす大きな炎…炎の鳥だ。
その炎を纏った巨鳥は、闇の世界を舞う。
黒死鳥と激しくぶつかり合う炎の鳥。
黒い炎と赤い炎が、ぶつかり燃え合う。
炎の鳥が、黒死鳥の首に噛みつく。
炎の鳥の体の炎が、黒死鳥の黒い炎を赤く燃やす。
鼓膜が千切れんばかりの黒死鳥の声が、深い闇に響く。
すると。
黒死鳥の体が、弾けた。
同時に、深い闇の世界に眩い光が零れ広がった。
世界が、白い光に包まれていく。
天上には白い雲泳ぐ青空。
光降り注ぐ、眩しくて暑い太陽。
光溢れる世界。
いつか人々が当たり前のように生きていた世界が広がる。
世界を救いし、炎の鳥。
炎纏う、炎の鳥の君。
炎の鳥は、人々の笑顔を見ると。
陽の光を昇るように、太陽へと羽ばたいていった。
燃え上がる翼羽ばたかせ。
炎の鳥は宇宙へ還っていく──




