君はやさしい雨傘のお兄さん。 誰かへの手紙と言うかメッセージと言うか度★★★★★
一度短編として投稿しましたが、削除しちゃって再び詩集内に投稿しました。
ブクマしてくださっていた方、すみません。そして、ありがとうございましたm(_ _)m
私の世界では、毎日のように雨が降っている。
物心付く前から。
私は大雨に濡れている。
あまり素敵な雨じゃない。
その大雨に、私は常に濡れている。
でもまあ、それが私の当たり前で。
幸せとかそんなのに興味ない。
ただ、生きている。
雨に濡れながら。
何で雨に濡れながら生きなきゃならないのかわからず。
ただ、生きていた。
けどある日、君が現れて。
君が雨傘を差してくれるようになって。
私はあまり雨に濡れなくなっている。
君の差す傘の中は居心地がよくて。
幸せなんてよくわからないけど、君の傍にいると、
「幸せだな」って思う。
でも、私は臆病だから。
その幸せが怖くなって。
私はまた、大雨の世界に戻って雨に濡れようとする。
けど君は、私が濡れてると傘を持って走ってきてくれて。
君は私に傘を差してくれる。
私にとって、君はやさしくて素敵な雨傘のお兄さん。
ねえ、雨傘のお兄さん。
何でかわからないけど、私また大雨に濡れちゃってて。
君の傘にまた入れてほしいなって。
迎えに来て─…なんて。
……だめかな。




