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森 美味しい酸素吸いたい…度★★★★★
※こちらの詩は2021年 12月27日に短編詩として投稿したものです。
遥か彼方の天からぱらぱらり。
まるで神の涙のような、透き通る雨。
その雨が空を伝い、地に零れ落ちる。
地に零れ落ちて、大地が潤い萌える。
萌えて萌えて、沢山の緑を伸ばす。
細く頼りない緑は、嵐にも負けない逞しい大木に育つ。
大木たちはやがて実をつけ、鳥や動物たちを呼ぶ。
大木たちはやがて緑の集いとなり、人々を呼ぶ。
排気ガスに汚れた街から逃げるように。
人の波に疲れた心身を癒すために。
人々は森に来る。
木々がさわりと風に揺れる。
雨に濡れた木が葉先からぽたりと雫を溢す。
神の涙が頬に零れる……




