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ヒトナラザルモノ 内容がくっらーいかもしれないので、心が弱ってる方などは読まないで下さい!度★★★★★
幸せだった。
貧乏で毎日腹も空かしてるし、
眠れる家がなくていつも寝る場所を転々としてるけど。
俺には、この猫がいるから。
こいつがいるだけで、俺の貧乏生活は楽しかった。
飯を毎日たらふく食えなくても。
寝心地のいいベッドがなくても。
道行く人に嘲笑われたり、弄られたりしても。
俺には、猫がいるから、それだけで幸せだった。
なのに…その唯一の幸せが一年ほどで奪われた。
俺は、神を恨んだ。
無慈悲な神に殺意を覚えた。
俺が何かしたのか?
俺からこれ以上奪って…俺に怨みでもあるのか?
なあ…神様。
…俺は、誰かから奪ってまで幸せになんてなりたくなかった。
けど、俺から何もかも奪うなら…いいんだよな?
俺も誰かから幸せを奪って…いいんだよな?
俺が幸せになるために、誰かを不幸にして…いいんだよな?
俺の心が音を立てて崩れていく。
俺は自身の幸せのために、誰かの幸せを奪う。
そう、強く決意した。
幸せになるために。
俺は、悪魔になった─────




