11. 冒険者ギルドでの成果
それからの二ヶ月間、エトウは王都ギルドでの仕事を精力的にこなしていった。
ギルドマスターから調査の途中経過に関する説明はあったが、関係者の呼び出しや事実確認に手間取っている様子が見てとれた。それらはエトウにはもはや遠い話のようだった。
そんなことよりも、エトウは補助魔法の力が向上していることに興奮していたのだ。
王城での訓練が始まって以来、魔力操作の鍛錬を毎日地道に続けている。それがここにきて、目に見える成果を出し始めたのだ。
エトウは独自に実戦経験も積んでいた。勇者からは補助魔法を禁止されていたが、生活費を稼ぐために一人で町の外に行く際には、補助魔法を駆使して魔物を討伐していたのだ。
剣術はまだまだつたないレベルだが、バフとデバフに加えて、エンチャントで威力を上げた剣を振るうエトウは、すでにBランク上位の戦闘力を身につけていた。
エトウが王都近くの村を襲っていたはぐれワイバーンを狩ってギルドにもどったときには、荷台に乗せられているワイバーンを見た冒険者たちが騒ぎだし、ギルド内はお祭りのようなにぎやかさとなった。
たった二ヶ月弱で、エトウは冒険者やギルド職員からの信頼を勝ち取ったのだ。
グランドマスターから呼び出しがあったのは、そのすぐ後のことだった。
「活躍してるようだね、エトウくん。ワイバーンを単独撃破したのだから、C級のままでいるわけにはいかないよ」
グランドマスターは穏やかな笑顔を見せながら、ギルドの一室に案内されてきたエトウに声を掛けた。
部屋にはグランドギルドマスターとギルドマスター、そしてエトウが会ったことのない二人の男性が待っていた。
「いえいえ、やっと補助魔法を使えるようになっただけですよ。ちょっと遅いくらいですね」
「なるほど。補助魔法が成長したのですね。もしも勇者様がエトウさんの補助魔法を禁じていなかったならば、今頃はパーティー内で活躍できていたかもしれませんね」
横で話を聞いていたギルドマスターが言う。
「それはどうでしょうか? たらればを言っても始まりませんからね。私はこれから冒険者としてギルドのお役に立ちたいと思っています。グランドマスターのおっしゃるとおり、B級に挑戦する資格が得られれば昇格試験を受けたいとも考えています」
「楽しみにしているぞ」
グランドマスターは満足げに微笑んだ。




