表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同居することになった美少女は俺が告白して撃沈された初恋の女の子でした~まずは家族からってどういう意味だよ~  作者: 滝藤秀一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/44

フラれた女の子ときょうだいに

 完全に想定外の出来事だった。

 目の前の美涼の顔を見るだけで鼓動が跳ね上がる。


「えっ、えっ……」

「お母さんたちはすぐに来ると思うわ……なによ、その顔?」


 辛うじてその声が耳に届く。

 美涼は全然驚いている感じがしない。

 発言からもたまたま居合わせたのではないと主張されている気分だ。


 それはいつもの制服姿じゃなく、少し光沢のある優しいピンク色のパーティドレス姿からも明らかだった。

 しかも、リボン型のネックレスまでつけていて、より大人っぽい雰囲気を感じる。

 ていうか、魅了される。

 顔合わせだ。この場にドレス姿は何もおかしくはない。

 ないが、凄く似合って……ってそうじゃねえ!


「……馬子にも衣裳だな」

「……あなたねえ、ちゃんと褒められないわけ?」


 動揺からそんなことを口走ってしまう。

 美涼は呆れたような反応で、いつものように腕組みをして俺の目を真っ直ぐにみてくる。

 だがそのこめかみをぴくぴくさせていて、それを誤魔化すように日奈の方に視線を向けた。


「こうやってちゃんと話すのは初めてだよね。美浜美涼、うんうん、今日から入間美涼かな……よろしくね、日奈ちゃん」

「入間日奈です。よろしくお願いします……お姉ちゃん、髪切ったんだ。似合う」

「ありがとう。日奈ちゃんは礼儀正しいね。お兄ちゃんみたいに口悪くなっちゃダメだよー」

「お兄ちゃん、恥ずかしがりやさんなの。だからさっきのは少し照れてる、感じ?」

「っ! ひ、日奈」

「へえ、さすが日奈ちゃん。お兄ちゃんのことよくわかってるね」

「えっへん」


 胸を張る日奈の言葉を訂正することはなんとなく憚れる。

 だが、このままというわけにも……。

 混乱しているものの、この状況でそういう考えは嘘のように思い浮かんだ。


「このお姉ちゃんわりと怖いからな。気を付けろ」

「お姉ちゃん、怖いの?」

「そ、そんなことないわよ。じゃなくて、ないよー……ちょっと、日奈ちゃんに変なこと言わないでよね!」

「俺は本当のこと言っただけだ」

「……言っとくけどね、あたしが何度も注意してるのはあなただけなのよ」

「……なっ、日奈今のお姉ちゃんの顔怖いだろ……」

「こ、この……あなたって人はどうしてそうガキみたいに……」

「お前だってガキだろ」


 俺たちのそんなやり取りを日奈は楽しそうに見つめていたかと思ったら、不意打ちすぎる一言を放った。


「仲良し!」

「「っ?!」」


 さすがに妹相手でも弁明しようと口を開きかけた時、親父と広実さんがゆっくりとやって来る。

 2人ともやけにニコニコしていて、何か勘違いをしているんじゃと疑いたくもなった。


「クラスメイトで仲良くしているって聞いてはいたけど、ほんとにその通りね」

「樹にはなかなか美涼ちゃんのこと話せなかったけど、この様子じゃ問題なさそうだな」


 どこから聞いていたかはわからないけど、そう見えてしまうのか……。


「あ、あの……」

「そうですね。仲良くさせてもらっていますが、樹君は手がかかって……」


 何かしらの訂正をしようと口を開きかけたが、美涼がそれを遮る様に引き継ぐ。

 そればかりか……。


「ほら、ジャケットは立ち上がったらさっとボタン止めるのが一般的なルールよ」

「えっ、あ、ちょ、そのくらい出来るって」

「こっちの方がカッコ良くみえるでしょ……身だしなみくらいちゃんとしてよね。お、お兄ちゃん」

「えっ……お、お前」


 美涼は俯き加減で、こっちが気恥ずかしくなることをいともたやすく言ってのける。

 それは親父と広実さんに心配ないと示しているようにも思えた。


 あー、こいつはほんとに。

 なんか両親の前だと猫かぶりしてるだろ。


「やっぱり仲良し!」


 天真爛漫な日奈の追い打ちの言葉がつき刺さる。


 この状況は問題ありすぎだ!

 相手はフラれた女の子だぞ。


 どうすんだよ?!


 個室に案内される途中には仲居さんにも微笑まれる始末で……。


 妙に気恥ずかしくて、俺だけ個室へと移動するのがわずかに出遅れる。

 それに気づいた美涼はふりかけると、速度を緩め隣に並んだ。


「言い忘れてたわ」

「な、なんだよ?」


 何か小言を吐かれると思い、俺は身構える。

 後悔はないけど、告白のことでも話題されると心底こま……。


「ちゃんと合格してたみたいね。おめでとう」

「……えっ?」


 美涼は眩しいくらいの笑顔を魅せた。

 そんな表情でそんなこと言われたら……。


「なによ? あなたにしては頑張ってたでしょ」

「……」


 こういうとこがあるから、ほんとに困るし、俺はす、すき……。

 あーくそっ、よりにもよって美涼と家族だなんて……。

 前途はどう考えても多難だ。


 その後の食事会は、あまり味を覚えていない。

 目の前に座っていた美涼が美味しそうに食べていたのだけは恨めしく、記憶に焼き付いている。

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。このお話でエピソード1終わりです。

少しでも楽しんでもらえていたら嬉しいです。


以下はお願いです。


~~ブクマをしてくれる読者さんが好きです。

評価をしてくれる読者さんが好きです。

この下にある☆☆☆☆☆を★★★★★に塗りつぶそうとしてくれる気持ちが好きです。


なろうに登録して、評価をしてあげようというなろう未登録読者様が好きです。

メールアドレスが必要です。名前とパスワードを決めなきゃダメです。


少し手間です。それでもしてあげるというその行為が嬉しいです。


感想を書いてくれる読者さんが好きです。にゃーんの一言でもほっこりします。

面白い、次も頑張ってという言葉に救われます~~~


明日からエピソード2の投稿を始めます。

今後とも本作を宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ