あらすじ(1151 新国家への道(9) ~ 1200 風が吹けば(23))
新たに誕生したガルマニア合州国への外交使節として、自分が行こうと申し出たゾイアに、女王ウルスラが反対した。
ヤーマンの背後にいる魔女ドーラには気をつけると言うゾイアに、聖剣のことを知ったドーラが簡単に諦めるはずがないとウルスラが指摘した。
しかしゾイアは、本当の敵は白魔であり、ドーラにもそれをわかってもらうつもりだと応えた。
そこで統領クジュケは、秘書官ラミアンを同行させると告げた。
バロードを出発したゾイアとラミアンは、途中エイサに立ち寄った。
民政に苦労するゲルヌは、商人の都サイカのライナに頼み、事務処理のできる人材として、小人族のギータを呼んでいた。
ギータはガルマニア合州国へ向かう二人に、皇后オーネとその愛人魔道屋シャドフに気をつけるよう警告した。
パシントン特別区へ飛んだゾイアとラミアンは、上空から様子を窺っていたが、驚くべきことに、ヤーマン本人が出迎えた。
ともすれば相手に呑まれそうになるラミアンに助言しながら、ゾイアも警戒心を露わにしていたが、ヤーマンと入れ違いに二人の目の前に現れたのは、今最も警戒すべき相手、魔女ドーラであった。
ドーラは華やかなドレス姿であり、意外にも聖剣には執着を見せずにゾイアを油断させた。
ドーラの話に引き込まれるゾイアに警告すように、同席しているラミアンが頓狂な声で挨拶をした。
更にヤーマンが酒を持ち込んで来て座が賑やかとなったところで、密かにゾイアに言霊縛りを掛けようとしていたドーラは、諦めてそそくさと退席した。
ドーラが居なくなると、ヤーマンは本題を切り出した。
旧ガルマニア帝国を建国したゲール帝を引き合いに出し、未開の少数部族出身の自分がこの大きな国を治めるためには権威付けが必要であり、オーネとの披露宴にバロードから貴賓を招きたいのだという。
また、喫緊の課題として、第二次セガ戦役の終結後も北の丘に居残っている軍勢が、和平の障害になっていると指摘した。
北の丘の軍勢について弁明するゾイアを、ヤーマンは厳しく追及したが、横で聞いていたラミアンが、あれはマーサ姫の我儘だと暴露した。
本音を聞いてヤーマンは安堵したが、突如オーネが来たため、慌ててゾイアたちを裏口から帰した。
オーネはヤーマンの頬を叩き、バロードからの出席者が王か大公でなければ許さないと捨て科白を残して帰った。
ヤーマンの依頼を受けて、マーサ姫を説得するため北の丘に飛んだゾイアとラミアンは、今にも戦争が始まりそうに訓練されている兵士たちを見て唖然とする。
マーサは練兵を切り上げて話し合いに臨んだが、初めから喧嘩腰であり、ゾイアに宥められて、漸くラミアンの話を聞くことになった。
ラミアンはマーサ姫に、中原の地政学的な状況の変化を説明した。
従来の、東西両大国の対立という構図に、ゲルヌ皇子の『神聖ガルマニア帝国』即ちエイサが第三極として割り込み、単純な東西対決は起こり難くなった。
そのため、この北の丘の戦略的な価値もなくなったのだという。
感情的に反撥したマーサも、ラミアンの理屈の正しさは認めざるを得ず、一万の軍勢はゾイアに任せ、自分は単身エイサへ行くと宣言して去って行った。
一万の軍を率いてバロードに帰ることになったゾイアは、この際ラミアンは自由都市などを廻って見聞を広めてはどうかと提案した。
ラミアンが道中を不安がっていると、魔道屋スルージが現れ、同行を申し出るのと同時に、周辺に魔道屋シャドフが居たらしいとゾイアに警告した。
そのシャドフは、エイサに向かうマーサ姫に近づき、雇って欲しいと頼み込んだ。
シャドフを従者に雇ったマーサがエイサに入ろうとすると、馬が結界に引っ掛かり、進めなくなった。
ゲルニアが飛んで来て、マーサは知らぬ間にシャドフの幻術に掛かっており、中に入れることはできないと告げる。
すると、開き直ったシャドフは、ゲルニアの手帳のような板を奪い、逃げて行った。
マーサはゲルヌに詫びを入れたが、奪われた簡易制御盤はエイサでしか使えないものだから心配ないと慰めた。
それでも取り返すといきり立つマーサに、事務処理のためエイサに出向して来ているギータが、既に盗品の売り先に網を張ったと教えた。
その時、今はエイサに居るジョレが、ガルマニア合州国の特命全権大使として魔女ドーラが来ていると伝えた。
二人きりになると、ドーラはゲルヌに軍事同盟を持ち掛けた。
ゲルヌが仮想敵はどこかと尋ねると、一旦はプシュケー教団の名を挙げたものの、ドーラの本音は無論バロードであった。
ドーラは、孫ウルスラが幻想によって中原を支配しようとしていると糾弾したが、ゲルヌが反論すると、激昂して強烈な波動を打とうとした。
しかし、魔道神の力を借りたゲルヌによって、波動を封じられ、記憶も消されて笑顔で帰って行った。
一方、スルージと共に自由都市を廻っているラミアンは、最初の訪問先としてリベラを訪れ、市政長官のロムと会った。
カルス王を護って死んだ秘書官ラクトスの遺児として歓待するロムに、ラミアンはこれからのリベラの生き残り策として、中原東南部への進出を勧めた。
ラミアンの長広舌を苦々しく聞いていたロム長官も、最後には感激し、握手を求めた。
次に、ラミアンとスルージは商人の都サイカに飛び、実質的な支配者であるライナに歓待された。
しかし、ライナに話をせがまれたラミアンは、このままではサイカに未来はない、と告げた。
ラミアンは、このサイカを含めた中原西南部の自由都市に、抱えきれないほどの辺境難民が流入していることを指摘した。
そのため、元の住民が職を失い、貧民窟もできている。
これを根本的に解決するためには中原東南部への移民しかなく、その希望を持たせることが大事だと、ラミアンは述べた。
ライナは喜び、ラミアンに礼だと言って頬に口づけをした。
大部分をアルアリ大湿原が占める中原東南部の最北端に数珠状に東西に並ぶ自由都市の一つ、ギャモンは別名を泥棒市場ともいう。
魔道屋シャドフは、ゲルニアから奪った簡易制御盤を換金しようと、ギャモンの知り合いの店を訪ねた。
しかし、主人の老人は白骨化しており、白魔に憑依されていた。
ドゥルブの臨時代理人にされたシャドフは、暗黒都市マオロンに行った。
マオロンは、チャナール太守を始めとするマオール人がいなくなり、現在はマルカーノ一家が仕切っているらしい。
シャドフは早速その手下に絡まれたが、逆に鉄の楔で斃し、マルカーノの居る旧太守宮に乗り込んだ。
シャドフに憑依していたドゥルブは、分身してマルカーノ一家の幹部に移動した。
シャドフ自身はその間の記憶を失い、簡易制御盤を持ったまま、ギャモンの故買店で目醒めた。
その後、簡易制御盤を捜しているギータのところに、マルカーノがマオロン王を名乗って傭兵を集めているとの情報が入って来た。
大統領ヤーマンの許へ、軍事補佐官ドーラと民事補佐官ハリスの両名がやって来た。
共に暗黒都市マオロンの件であった。
ハリスのガーコ州は直接攻め込まれ、ドーラのバローニャ州は人員を引き抜かれているという。
ヤーマンは軍事的な均衡を崩さぬため、三者それぞれが五千の兵を供出し、マオロンに対処することにした。
ハリスは混成軍一万五千を直接率い、マオロンに向かって進軍した。
しかし、不安は高まる一方で、遂に見かねた部下から真意を問われ、負けるだろうと告げた。
励ます部下に、最後の手段としてゾイアに救援を頼むよう指示すると、行軍を再開した。
敵は棘のある甲冑を来た巨漢たちで、一方的に押しまくられた。
棘のある甲冑を着たマオロン兵は、分銅付きの鎖を振り回しているため、歩兵は接近できない。
そこでハリスは騎兵に長槍で突くように命じた。
敵は泥濘の方へ逃げ、それを追うと大蜥蜴が牽く戦車部隊に反撃され、ハリス自身も絶体絶命の状態となった。
ハリスは首に鎖を巻き付けられ、チャリオットに引き摺られた。
死を覚悟した時、上空から鳥人形態のゾイアが急降下して来て、大剣で鎖を断ち切った。
ゾイアはハリスの安全を確保すると、泥水を凍らせて弾丸とし、大蜥蜴を撃った。
が、マオロン兵を捕らえると、その身体は半ば機械化しており、その機械の目玉が飛び出してゾイアの口から入って来た。
マオロン軍の装甲歩兵は、侵入させた目玉を通じてゾイアを支配しようとした。
しかし、ゾイアの中に残っていた謎の漂着者の一部が抵抗し、更に相手の命令暗号を解読して追い返してくれた。
結果的に勝利したものの、暗号を変えて戻って来ると予想されるため、ハリスは、ゾイアに一旦帰国して王と女王の許可を得るように頼んだ。
ゾイアが帰った直後、ハリスのところへドーラが飛んで来た。
勝手に外国の勢力に援けを求めただろうと責めるドーラに、ハリスは正直に、相手がドゥルブであからゾイアに援けてもらったと応えた。
しかし、一時的に追い返しただけで、いずれまた攻めて来るだろうと言うハリスに、ドーラは、それならば自分が直接マオロンに乗り込むと宣言し、その場から跳躍した。
ドーラがマオロンの門を潜ると、外から見えなかった住民が見えた。
それは半ば機械化された兵士たちで、中にはドーラの軍からいなくなった者も含まれていた。
その人間に案内され、太守宮に行くと、死んだ魚のような目をした若頭のサンテがおり、奥から見た目は以前と変わらないマルカーノが出て来た。
マルカーノから、自分たちと同化するか死ぬかと迫られたドーラは、リープして逃げようとしたが、その力を封じられていた。
ドーラの魔道を封じたマルカーノは、白い平面の顔となってドーラに同化を迫った。
ドーラが拒否すると、脳を支配する極小端末を吞ませようとした。
その時、天井を突き破って誰かが降りて来た。
降りて来たのは勿論ゾイアであり、しかもその手には聖剣を持っていた。
ゾイアがかれらに憑依しているドゥルブを中和しようとすると、マルカーノはドーラを人質にして抵抗した。
しかし、一瞬の隙を衝いてドーラが逃げると、ゾイアはドゥルブを中和して北方の宙船に戻した。
ドーラは、中和を命じたことによって人事不省となっているゾイアから聖剣を奪おうとしたが、同体の兄アルゴドラスに反対されて諦め、聖剣にゾイアを連れてバロードに戻るよう命じた。
大統領官邸で、マオロン戦での勝利をドーラとハリスが報告すると、ヤーマンは不機嫌そのものの顔で、勝手にゾイアに援けを求めたことを詰った。
が、ヤーマンが本当に気にしているのは、自分の婚礼のことであった。
その婚約者である皇后オーネは、愛人のシャドフが最近冷たいと責めていた。
シャドフは、自分の記憶が消えている気がすると述懐したが、その気持ちを切り替えるように、赤目族から奪った品をドーラにやることにした。
マオロンの機械化された人間たちを手下にし、久しぶりに自分の城で寛いでいたドーラの許へ、魔道屋シャドフがやって来た。
自分を煽てるシャドフに、ドーラは警戒心を露わにしたが、シャドフは手土産だと言って、ゲルニアから奪った簡易制御盤を見せた。
警戒しながらも、シャドフの持って来た手帳のような板が本物と確信したドーラは、礼として雇ってやるから、オーネの動静を知らせて欲しいと告げた。
帰り際、手付金をシャドフに渡すよう、ドーラが執事のサンテに命じると、機械化されて記憶を失くしたサンテが、自分を殺した相手に異常な反応を見せたが、ドーラは気づかなかった。
スマートコントローラーがドーラの手に渡ったことはゲルニアも気づき、すぐにゲルヌに知らせた。
すると、自分のせいで奪われたと思っているマーサ姫が取り返しに行くと騒いだ。
が、ゲルヌは、それでは戦争になりかねないと、魔道屋スルージに依頼すると告げた。
その頃魔道屋スルージはバロードの双王宮におり、ウルス王と雑談していたが、ゲルヌからの依頼書を統領クジュケが届けに来た。
ゲルヌの手紙の内容を聞き、クジュケはバロードは一切関わるべきではないと主張したが、ゾイアは、ヤーマンの披露宴の下見という口実でスルージに同行することにし、ウルスラ女王も同意した。
その頃、ドーラは機械化されたマオロン軍団に、エイサ制圧を命じて出撃させようとしていた。
マオロン軍団の出撃は、勿論ヤーマンには内緒であった。
それについてドーラは、執事のサンテに自慢げにこう教えた。
もし、ヤーマンに咎められたら、捕虜が勝手に逃げたと言うつもりであると。
尤も、ヤーマンより先に魔道屋シャドフが気づき、密かに調べてみると愛人のオーネに告げた。
そこへ、バロードからの使者としてゾイアがやって来た。
ゾイアとスルージが先に皇后領に来たのは、抑々スマートコントローラーを奪った犯人である魔道屋シャドフの動きを調べるためであった。
そのため、ゾイアがオーネに面会する間に、隠形したスルージが案内役の女官長を尾行した。
女官長はヤーマンの間諜であり、耳にしたマオロン軍団の出撃を連絡役の『杜の番』に伝えていた。
一方、婚礼会場を下見するゾイアの案内役は、変装したシャドフであった。
シャドフの案内で館内を廻るうち、ゾイアは頭痛がするので休ませて欲しいと頼んだ。
シャドフが去った後、隠形していたスルージがゾイアの仮病が上手くて助かったと言ったが、それは仮病ではなかった。
ゾイアの体内に居る謎の漂着者が、シャドフにドゥルブの痕跡を発見し、接触を試みた結果、マオロン軍団の出撃を知り、それを警告したかったのだという。
そこへ突如ヤーマンが訪ねて来た。
オーネは取り繕ったが、ヤーマンはオーネの浮気よりも気になることがあるらしく、ゾイアの行方を聞いた。
頭痛で休んでいるというゾイアを、最初仮病ではないかと疑ったヤーマンも、そうではないとわかると、ドーラのエイサへ出兵を話し、この件はゾイアに任せたいと頼んだ。
スルージに急報を受けたゲルヌは、エイサ全土に厳戒態勢を取らせた。
その上で幹部を集め、現在エイサに残っている三万五千の兵を東西南北に分け、マーサ姫・ツァラト将軍・ザネンコフ将軍・ジョレ将軍にそれぞれを任せ、スルージとゾイアには、ドーラ本人とシャドフへの警戒を頼んだ。
それらの手配を済ませ、一人残っていたゲルヌのところへギータがやって来て、為政者として失格だと告げた。
ギータは、かつてのギルマン争奪戦でゾイアが住民の避難を最優先したことを引き合いに、暗にゲルヌの今回の対応を責めた。
それに対してゲルヌはギルマンの時との相違点を指摘し、寧ろ市外に逃がすより中央に集め、女子供は更に地下に匿う予定だと応えた。
ギータは納得した上で、市民の避難誘導は自分に任せてくれと告げた。
一方、直接訪ねて来たヤーマンに、ドーラは捕虜が勝手に逃げただけと強弁したが、ヤーマンは更に援軍を出すことを固く禁じた。
皇后宮を出たゾイアは、上空からマオロン軍団の行方を捜したが見つからず、已む無くエイサに着陸し、ゲルヌに会った。
そこで、兵の配置を聞き、敵は一番手薄な西から来ると判断し、そちらを護るジョレに知らせると共に、ゾイア自身も援軍に向かった。
ゾイアは、静かに上空から西方面を偵察し、徐々に敵が集結しつつあることを確認すると、その情報をジョレ将軍に伝え、迎撃態勢を取らせた。
が、スマートコントローラーでその動きを読んだマルカーノ将軍は、取り敢えず揃っている戦車部隊に突撃を命じた。
真っ先にジョレが逃げ、総崩れになりそうな軍勢を、ゾイアは上空から叱咤激励したが、一度逃げ始めた兵士たちを呼び戻すことはできなかった。
焦ったゾイアは、体内に間借りしている謎の漂着者に援けを求めたが、表面人格の奪い合いとなって気を失い、墜落してしまった。
ところが、倒れたゾイアを護るように敵の流れ矢が次々に消え、隠形していた魔道屋シャドフが姿を現した。
ゾイアを動かそうとしたシャドフは、逆に、謎の漂着者に憑依されてしまう。
西口が崩れたことを知らされたゲルヌは、混乱を最小限に留めるため、南口のザネンコフ軍のみを救援に向かわせ、北口のツァラト軍は中央部の市民の防衛に、東口のマーサ姫軍はその場を離れぬよう指示した。
一方、やっと西口の異変に気づいた魔道屋スルージが現場に急行しようとしたところ、空中で魔道屋シャドフと鉢合わせた。
シャドフが謎の漂着者に憑依されていることに気づいたスルージは、かれらの動機を怪しむ。
憑依したシャドフの人格の影響を受けているらしい謎の漂着者と対峙したスルージは、隙を見て後ろに回り込み痺れ薬を塗った刀子を突き刺した。
気絶した相手に触れぬように用心しつつ、スルージはゾイアを捜した。
一方、南口から移動したザネンコフ軍は、チャリオット部隊の猛攻を何とか凌いでいたが、突破されるのは時間の問題であった。
その頃、漸くゾイアを発見したスルージのところへ、敵将マルカーノが現れた。
ゾイアが死んだのなら、首だけを持って帰るというマルカーノに、スルージが身を挺して庇おうとしていると、ゲルヌに依頼されて魔道神が送った信号によって、ゾイアが再起動した。
しかし、その姿は十歳ぐらいの少年であり、とてもマルカーノと闘える状態ではない。
スルージが殺されそうな様子を見て、少年ゾイアは狼の姿に変身したが、マルカーノは嘲笑った。
人間としての記憶を失くし、狼少年となったゾイアは、マルカーノの剣先を紙一重で躱していたが、それも限界に近づきつつあった。
その時、気絶から醒めたスルージが痺れ薬を塗った刀子を投じ、なんとかマルカーノを止めたものの、仲間の装甲歩兵の足音が聞こえたため、ゾイアとスルージは別々に逃げた。
装甲歩兵たちはマルカーノを運んで行ったが、そのうちの一体はシャドフに触れ、謎の漂着者に憑依されてしまう。
記憶を失ったゾイアの行動が予測不能のため、ゲルヌはその監視をバルルに頼み、劣勢を挽回するため戦場に戻って行った。
その劣勢の原因を作ったジョレ将軍は廃屋に隠れていたが、様子のおかしいマオロン軍の装甲歩兵が侵入して来た。
それは、謎の漂着者に憑依された一体であったが、自動制御に逆らってここまで来たものの、自由が利かないため、ジョレの身体を貸してくれという。
謎の漂着者に憑依されたジョレは無双の強さを発揮し、敵のマオロン軍団を次々に屠った。
それに勢いづいたザネンコフ軍が押し返し、一気に勝敗が逆転した。
が、謎の漂着者はひたすらマルカーノを捜し、発見するとその体内から遠隔操作機構を抜き取ろうとしたが、そこへスルージが現れて止めに入った。
スルージに逆襲しようとした謎の漂着者に憑依されたジョレの手を、気絶したままのマルカーノが押さえた。
リモートコントロールシステムが脳ではなく、直接筋肉を操作していると見抜いた謎の漂着者は、ジョレの肉体を離れ、マルカーノに移動して支配した。
無敵の存在となったと油断した刹那、怯えて逆上したジョレが、持っていた短剣でマルカーノの顔面を突き刺し、リモートコントロールシステムごと破壊してしまう。
しかし、エイサの勝利が確定したかと思われた時、東から新たな敵が迫って来ていた。
東からエイサに向かって来ているのはドーラ軍であり、その規模は三万であった。
ドーラは抜け目なく、ヤーマンには逃亡した捕虜三千名を連れ戻すためとの趣旨書を送っていた。
ヤーマンは激怒したものの、この機会にドーラのバローニャ州の様子を探るよう、コロクスに命じた。
一方、新たな敵襲に大童となっているエイサでは、シャドフが漸く正気を取り戻した。
三万のドーラ軍に対して、エイサに残っている三万の兵をマーサ姫・ツァラト将軍・ジョレ将軍の三人が率いて、野外で決戦することとなった。
その頃シャドフは、はぐれた大蜥蜴を喰おうと追いかけたが、黒い狼と出くわした。




