異世界召還の被害者~お食事中の方は、読まないで下さい~
異世界で得た能力は、自分以外にとって微妙なものでした。
注意)サブタイトル通り、お食事中の方は読まないで下さい。
下品な表現があります。
異世界召還という名の誘拐拉致監禁強制労働という奴隷を無関係な世界から召喚するのは隣国の馬鹿どもが、魔族のいる国へ侵攻するための茶番劇。
隣国の都合のいい言い分だけを聞かせて、魔族殺しをさせる。
私、エスティ・メルクトリナ。
メルクトリナ国の第一王女。
母は、身分が低い側室。 なので、私には、王位継承権がございません。
現在、私は隣国のカーバァ国の国境付近で誘拐された異世界の者で役に立たないステータスと判断された者を護衛たちと共に、待っております。
今回、カーバァ国の尻拭いをするのは我が国。
魔族のいる国を侵攻するのが好きなカーバァ国の被害者たちには罪はないとこの世界の国々で、その被害者たちを保護しているのです。
一人の少女が来ました。
「アレ...? なんで、人が...?」
少女は、驚いたようです。 当然と言えば、当然なのですが。
私は、カーバァ国の異世界召喚の真実と元の世界に戻せないことこれからのことを話しました。
「そうなんですか...」
少女は、なんとも言えない顔をしました。
私と護衛たちは、遠い目をしました。
少女は、加賀美明日香と言うそうです。
「では、アスカ様。 普通に、城で保護されて下さいませ。 異世界人にとっては、こちらの常識と違うものですから」
「保護? 仕事は?」
「仕事をする必要は」
「それって、おかしいでしょ。 常識の違う異世界人でも、出来る仕事ってありますよね?」
「えぇ。 メイド仕事くらいなら、出来ると思いますが」
「じゃあ、メイドで。 働かざる者食うべからずですよ」
「えぇ。国王陛下に話しを通しておきますわね」
意気込むアスカ様をよそに、私と護衛たちは『いいのですか? それで』と困惑いたしました。
国王陛下とメイド長に、アスカ様がメイド仕事をしたい旨を伝えました。
国王陛下は微妙な顔に、メイド長は驚きを露わにしました。
その気持ち、分かりますわ。
まさか、保護するはずの少女が右も左も分からぬ世界で仕事をしたいだなんて。
アスカ様は元の世界で仕事をしておらず、学問を学ぶ学生だそうです。
異世界の者。
カーバァ国で、無能者の烙印を押された者たちは。
時に食料改善、時に衛生環境の向上と様々な知識をカーバァ国以外にもたらします。
アスカ様曰く、『過去にいた異世界人同様の恩恵を私はもたらせないので、せめて仕事はしますよ』とのこと。
別に、恩恵をもたらして欲しいとは保護した国として思ってないのですが...
ある日、カーバァ国の傀儡となった異世界者たちは。
魔族の王城まで、侵攻することとなったのです。
その知らせを受け取った私は、アスカ様にお伝えしました。
アスカ様は、「じゃあ、連れて行って下さいよ。 私を見捨てた彼らに仕返ししたいですし」と。
私は、快く転移魔方陣のある部屋に行き、転移魔方陣を発動させました。
魔王城の魔王の所まできた私とアスカ様。
魔王と戦っているカーバァ国の傀儡。
魔王は、カーバァ国の傀儡たちとの戦いの片手間に私に話しかけてきました。
「久しいな、エスティ姫。 俺との再戦の許可がでたのか?」
「いいえ」
実は私、宮廷魔術師長をしております。
前宮廷魔術師長を蹴落とすついでに、魔王にケンカをふっかけたのですわ。 遊びで。
それ以来、私と魔王はメルクトリナ国と魔族の国の決定で遊ぶことが禁止されたのですわ。
あの時の私と魔王は、イタイ奴だったとだけ言っておきますわ。
「ん? その娘は」
「例のです」
「おお...」
魔王は、予想通り微妙な顔をしましたわ。
「エスティ姫、魔王様、私が彼らと戦ってもいいですか?」
極寒の大地のような輝く笑顔でアスカ様が言いました。
「「ご自由にして下さい」」
私と魔王は、アスカ様の気迫に恐れ戦き声を揃えて返事をしましたわ。
「では、いきます。 能力解放”失禁”」
アスカ様がそう言うと、カーバァ国の傀儡たちはおパンツでは支えきれないほどの大量の大便と小便をおパンツの外にまで溢れさせました。
おパンツの外にまで溢れさせる大量の大便と小便。
カーバァ国の傀儡たちは青い顔をし、私と魔王と魔王の部下たちは、ハッとしましたわ。
それに気付いたアスカ様は、「大丈夫ですよ。彼らの周りには、『空気清浄』の魔法をあらかじめかけてますから」と笑顔で言いました。
「大丈夫じゃないからな。この広間が、大便と小便で臭くなるからな」
と焦ったように言う魔王。
「彼らの無様な姿をもう少し見ていたかったのですが、仕方ないですね。 能力解放”転移”」
次の瞬間、彼らは大量におパンツから溢れ出た尋常じゃない量の大量の大便と小便とともに、この場から消え去りました。
「アスカ様、彼らは?」
「ふふっ、あの人たちはカーバァ国の王様と王妃様たちの所に転移させました♪♪♪」
アスカ様は、上機嫌にそう告げましたわ。
確か、カーバァ国の王様と王妃様たちは無類の絨毯好き。
ひょっとして...
私は、考えることを『まぁ、いいや』と思い放棄しましたわ。
帰国後、アスカ様は国王陛下に謁見を申し込みましたわ。
『カーバァ国に、仕返しがしたい。その許可が欲しい』と。
カーバァ国の周辺諸国の王たちが集いましたわ。
私と魔族たちが分担して、この国に王たちを転移魔方陣で連れてきたのです。
アスカ様の願いは、カーバァ国のすべての者たちに対して『”失禁”と”鎖国”の魔法をかけたい』とのことですわ。
王たちは、即座に許可を出しました。
アスカ様は王城の屋上に行き、「能力解放”失禁””鎖国”、そしてカーバァ国の周りに”空気清浄”」
この後、カーバァ国のすべての者たちは一日一回は確実に失禁を行いましたわ。
そして、カーバァ国すべての者たち限定でカーバァ国から一歩も出られなくなりました。
そしてそして、カーバァ国全体に大量すぎる大便と小便による悪臭が漂うように成しましたわ。
ちなみに、これ以降、カーバァ国は誘拐拉致監禁強制労働という奴隷を召喚できなくなりました。
アスカ様は、『自分は恩恵をもたらせない』と言っていましたけれど、十分この世界に恩恵をもたらしましたわ。
今日も今日とて、アスカ様はメイドの仕事を元気に頑張っております。
アスカ様は、持っている能力は能力を扱う者次第と証明されました。
私も、今以上に精進しないと...!




