異世界召還の拒否方法~優等生クラスと劣等生クラス~
異世界召還のための魔方陣を破壊してみた。
「()」での会話は、ヒソヒソ声で話している会話です。
注意)この話に出てくる教師は創作上の人物です。
私は永遠の喪女、3年E組担任の束峰つかさです。
学生時代は、いじめられっ子。
なぜか、ひょんなことから学校の教員となりました。
A組の担任になったら、最悪ですよ。
学生たちの進路相談にしっかりと取り組まないといけないし、その分心労が増える増える。
あの暗黒時代をよく乗り切ったものだと自分を褒めたいものです。
校長とか教頭とかはたまた理事長だとか『A組の担任に復帰しろ』ってうるさいんですよ。
二度とするか! バーカ、バーカ。
まぁ、これから進路をしっかり決めないといけない学生のために心労になるのは教師として当たり前ですよ。
子ども達の人生がかかっているのですから。
大学の合格通知を見せてもらった時の感動は、どう表現しいていいのかわかりません。
語彙力が少ないとこういう時は困りますね。
私がA組の担任をしたくない最大の理由は、A組の担任当時の生徒たちが『私が、永遠の喪女だっと大半が、馬鹿にしていたから』です。
本当に(力を込めて)、大変だったんですから。
この学校は、A~E組と分かれています。
A組は、大学進学特化クラス。成績優秀で、日本の大学進学者限定クラスです。
B~D組は、成績がバランスよくなるよう調整してのクラス分け。。
そして、私が担当するE組は海外の大学進学希望者と就職活動者のクラス。
よくあるマンガのお約束で、E組は劣等生クラスですが実際にはそんなことはありません。
そんなことをしたら、テレビで放送され全国からこの学校に抗議が届くじゃないですか。
このクラスを『劣等生クラス』と思い込んでいるのはA組の子たちだけです。
ちなみに、成績が上位十位まではこのクラスの子たちです。
十位までの子たちは、海外の大学進学希望者です。
数か月後に、あの子たち全員希望する大学に進学決定との報告が来ました。
やったー!
冬になりました。
このクラスは優秀で、就職活動者全員が無事に就職先が決定しました。
これで、肩の荷が下りました。
あとは、卒業を待つばかり。
そんな雪降るある日、私はあの子たちとの約束通り完全防備で寒空の中、体育を見学しました。
この時間、担当する授業がないというのもあるんですけどね。
あの子たち全員が就職決定しテンション上がり気味で、ぶるぶる震えながらの見学です。
『若いっていいわね』と思いながら見学していると、A組の子たちがいる足元から光り輝くナニカが見えました。
『あれって、異世界召還系ラノベの冒頭に湧いて出てくる魔方陣じゃない!?』とガン見。
生徒たちを大切に思うクラス担任としては、見過ごせません!
うちのクラスの子たちに被害が行かないようにしないと!
ちょうど近くに、サッカーボールを全部出した後のボール入れがあります。
これは使えるわね。
私は全力でボール入れのところまで走り、うちのクラスの子たちの足元に魔方陣が出現したと同時に、
魔方陣にボール入れを持ち上げ投げつけました。
「つーちゃん先生っ!?」
驚く、梶谷さん。
「みんな、これはあの有名な『異世界拉致魔法陣』よ。物で攻撃して、壊すのよ!」
桐谷君は、
「何だって! みんな、急いで壊すんだ。就職活動が水の泡になるぞ!」
天音さんは、
「私なんて、ハリウッドで女優デビューするのよ。異世界に拉致されてたまるもんですか!」
性欲の塊のイケメン教師(童貞)は、
「フンッ、何言ってるんだ。相変わらず、頭がおかしいんじゃないか。束峰」
気持ち悪いイケメン教師に暴言を吐かれて、ブチッと私はキレました。
「気持ち悪い童貞教師が何言ってるんじゃ―。そんなんだからお前は昔から、女にモテないのが分からないのか!」
と私は言いながら、跳び蹴りし、力の限り童貞教師を魔方陣の中に埋め込ませました。
落ち着いて、周りを見渡せばあの気持ち悪い童貞教師と勉強する頭だけがいいA組の生徒はこの場から消え失せていました。
その頃の異世界_________
「おぉっ! 召喚が、召喚が成功したのかっ?」
「違うっ! この召喚は失敗だ!」
「なんだって! 何がどうなっているのだ!」
「落ち着け! 失敗したなら仕方がない。彼らには取り繕うのだ!」
「ここは私の出番ね」
「姫様っ」
「大丈夫よ。私の可憐な容姿を利用すれば、完璧に騙せるわ」
「....」
そして、本来の召喚するはずだった者たちのための踏み台だけが召喚された。
「ようこそ、おいで下さいました。異世界の勇者たちよ」
魔王が~、この世界が~、どうたらこうたらというテンプレ説明がされました。
「分かりました。俺たちで、この世界を救います! なぁ、みんな!」
顔と勉強するだけの頭がいい美少年が言いました。
「そうね。そうしましょ」
「そうだな」
「みんなで、この世界を救うんだ!」
それを見ていた姫様とその他の者たちは。
「(うわー、ナニこの脳みそお花畑の子たちは)」
「(それは言ってはなりません。姫様)」
「(でも、)」
「(んっ!)」
「(どうしたの、神官長?)」
「(申し訳ありません、姫様。正しい召喚陣が破壊されています)」
「(どうやら、向こうに正しい異世界召還に関しての知識を持つ者がいたようね)」
「(そうですね)」
神官長の部下の神官は、性欲旺盛キモ教師にめり込ませている白い紙に気付いて、それを取り外した。
紙を広げて読んだ神官長の部下は、顔を引き攣らせました。
普段は冷静沈着で表情を滅多に出さない部下の様子が気になった神官長は、その紙を取り上げた。
神官長が取り上げた紙を姫様が取り上げた。
さらに、たまたま通りかかった王位継承権が剥奪されている第一王女様(真性の変態)がその紙を取り上げた。
第一王女様(真性の変態)は、たまたま持っていた奴属の首輪を性欲旺盛変態教師に嵌めた。
「第一王女様、それは禁忌の魔法具ですぞ!」
「そうですわ。お姉様。なんて、罪深きことを!」
「今すぐ、外して下さい!」
「イ・ヤ・ッ♪」
第一王女様(真性の変態)は、性欲旺盛変態キモ教師の首輪を持ってそれを引き摺って何処かに走り去った。
これから、性欲旺盛変態キモ最低教師はいろいろな意味で調教され教育されるのです。
回避不可。
そのおかげで、この世界すべての女性が被害が免れたのでよしとしましょう。
異世界召還に世紀の大失敗したこの世界の者たちは、自力で魔王を倒しました。
これにより、異世界召還が廃止になり廃れていくことになります。
そして、性欲旺盛変態キモ最低教師失格教師は第一王女様(真性の変態)より、生き恥をさらす勢いで開発されました。
普通の神経を持った人なら自殺しかねない新たな扉を開いてしまったので、これはこれで幸せかもしれない。多分...きっと...




