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転生先で、ヒロインの友人をしています~ヒロインは切り捨て系~

ヒロインの前からヒーローが失踪して、再び合って両思いはご都合主義だと思う。

ある日、ヒロインの櫻野ことぶきさんはストーカーを拾った。

ごめんなさい。 語弊がありました。

ある日、いつもの帰り道にここ何十日も座り込んでいるイケメンを家に連れ帰ったそうです。


おはようからこんにちは、そしてこんばんは。

とある恋愛小説『あの蒼空を目指して』の世界に転生した苧環おだまき桔梗です。

『あの蒼空を目指して』は、恋愛小説の”コイコイ”シリーズ第一弾です。

ヒロインの恋のお相手は、大財閥の御曹司・年下幼馴染みのアイドル・俳優・先生・警官・詐欺師などなどです。

ことぶきさんのお相手は、大財閥の御曹司です。

テンプレで、兄にコンプレックスを抱いている設定の。


ストーカーさんを拾ったことぶきさんは、心なしか楽しそう。

日に日に、綺麗になっていきました。

『これが、恋する女の子か―』とゲスイ笑顔でニヤニヤして見守っていました。

それが、あるひ突然終わりを告げる。

ストーカーさんは、何にも告げずに出て行ったのです。


傷心中で落ち込んでいることぶきさんにアルバイト仲閒のイケメン男子は言ったのです。

「そんな奴忘れて、切り捨てろよ。俺なら、あなたをそんなに悲しませたりしない...」

なんかゴニョゴニョ言っていたので聞き取れませんでした。

仕事をしている間に吹っ切れたのか、ことぶきさんは帰り際に、

「ゴメン、桔梗ちゃん。私、今日は一人で帰るよ。今日の私は、ラブ・ハンター!」

と、元気一杯にバイト先を飛び出して行きました。

ラブ・ハンターってなに?

それに、ストーカーさんはことぶきさんのことを話して名家の家に認めてもらうために奮闘中ですよ?


一週間後、旅行から帰ってきてバイト先に来たことぶきさんは、

「私たち、結婚しました♪」

と、ガテン系のイケメンを伴って言いました。

バイト仲閒のイケメン男子は、ポカーンとした間抜け顔を披露しました。

「お、お、めでとう...?」

私はというと、動揺しながらなんとか祝福しました。

ガテン系イケメンは、爽やかな笑顔で『仕事があるから』と言って去りました。

バイトの休憩中、バイト仲閒のイケメン男子はことぶきさんに詰め寄りました。

ことぶきさんは、ハートマークを飛ばしながら幸せそうに結婚した経緯を語りました。


大学を卒業して、妊娠五ヶ月目に入ったある日、あのストーカさんはことぶきさんとガテン系イケメンの新居に来て、

「ことぶきさん、結婚しよう」

と指輪を持ってきて、結婚を申し込んできました。

「ごめんなさい。知っていると思うけど、私、結婚してるの♪」

「えっ!?」

「愛しの旦那様との間にも、赤ちゃんが出来ました♪」

ショックで崩れ落ちるストーカさん。

黙って、空気になる私。

「あの日、私を捨ててくれてありがとう。おかげで素敵な旦那様に出会えたわ♪」

ガテン系イケメンである夫への愛を語り、ストーカさんの精神を抉っていくことぶきさん。

ストーカーさんは、執事さんッぽい人に回収されて車に乗って帰って行きました。

その後、ストーカさんはことぶきさんのストーカーとして警察に御用になったそうです。


さてさて、この世界の元となった”コイコイ”シリーズのヒロインはちょっと最低な部分があります。

それは、友人を『顔で選ぶ』こと。

そう、『顔で選ぶ』のです。

自分より不細工ではなく、自分好みの美形を。

性格はどうでもいいのです。


”コイコイ”シリーズ第二弾『あの輝ける夜空の蒼』のヒロインは私、苧環桔梗が勤めさせて頂きます。

小説の苧環桔梗は、流され系ヒロイン。

お相手の年下幼馴染みアイドルが奮闘して、付き合うというもの。

転生して思ったのですけど、あの年下幼馴染みアイドルはどうして苧環桔梗に惚れたのでしょう?

『恋愛フラグ』なんて、どこにも落ちてませんでしたよ。

ナゾです。

芸能界にいれば、巨乳超絶美女なんてどこにでもいるでしょうし。


久しぶりに帰る実家の前で、年下幼馴染みアイドルの蕗丘正樹くんが、かわいい系巨乳少女といます。

これは、恋の予感と言うヤツですね。

年上幼馴染みとしては、応援してあげましょう。

私に気付いた正樹君てんしは、

「き、桔梗さん」

と、しっぽを振った幻覚を見せるように近づいてきました。

私はゲスイ笑顔で、

「大丈夫ですよ。週刊誌にネタを売ったりしませんから」

とニヤニヤして言いました。

「ち、違う!」

焦ったように言う正樹君てんし

「大丈夫、大丈夫」

ニヤニヤ言う私。

「話を聞いて―――!」

私に訴える正樹君てんし

「お土産のケーキもありますよ~。彼女さんもどうですか~?」

かわいい系巨乳少女と正樹君てんしを上機嫌に、正樹君てんしの家に誘導する私。

「ちょっと、このお姉さん人の話を聞かない人―――!?」

よく分かりましたね。 かわいい系巨乳少女。

私、人の話を聞いているように見えて以外と人の話を聞かないのですよ。

仕事の話しの場合だけは、ちゃんと聞いていますよ。(言い訳)


さて、親友のことぶきさんは原作から外れたことですし、私の恋はどこに落ちているのでしょう?

”コイコイ”シリーズは、第三弾・第四弾...と続いていくのですが、これ以降のヒロインは私とことぶきさんの好みの美形じゃないので友だちにはなっていません。

現実なんて、そんなもの。

彼女ヒロインたちは、私たちのいないところで活躍してるはず...?

ヒロインなんだから、踏み台要素が無くても勝手に恋愛出来るでしょう。 きっと。

『櫻野ことぶき』

原作と違って、現実では去る者は追わず。なので、お相手の大財閥の御曹司を待つことはなかった。

ガテン系イケメンとの結婚の決意のきっかけは、バイト仲閒のイケメン男子の『そんな奴忘れて、切り捨てろよ』。

その一言がきっかけで、自分の恋愛を見つめ直した。

彼は、大財閥の御曹司と自分の恋愛フラグを同時に折った模様。

苧環桔梗とは小学校の頃からの付き合い。

顔で友人を選んでいる。


『苧環桔梗』

第二弾のヒロイン。

原作では流され系ヒロインだったが、現実では人の話を聞かない系ヒロイン。

鈍感ヒロインではないので、蕗丘正樹の気持ちにも気付いている。

でも、いずれ『芸能界の子と付き合うんじゃね?』と割と本気で思っているので付き合ったりする気は無い。

現実でも、両思いになるかは蕗丘正樹の奮闘次第。 た、多分...?

彼女も、やっぱり顔で友人を選んでいる。


『蕗丘正樹』

苧環桔梗に恋愛感情全開。

もちろん、周りも気付いている。

はじめは反対していた事務所もファンも涙なしに語れない彼の奮闘ぶりに次第に応援するように。

       

『かわいい系巨乳少女』

蕗丘正樹のファン。

苧環桔梗を一目見ようと押しかけた。 そして、一人敗北を感じた。

顔が、櫻野ことぶきと苧環桔梗の好みだったことにより現実ではこの後、強制的にヒロインに格上げされることに。

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