凄い行動力
パイロット達が集う艦内のバー
「先輩・・・また隊長に振られました・・・。もう6回目です。私ってそんなに魅力ないですか?」
「諦めろ、お前には絶対無理だ。」
「うあ・・・最悪。そんなにズバッと。」
「いや、待て待て、そういう意味じゃなくて。
あ・・その・・なんだ。
お前はかなりいい女だよ。
だけど無理なんだ。」
彼女がキョトンとした顔で見返す。
「えっとな。
部隊の色々な撃破記録、一人が独占して全然更新されないだろ?
あれ、隊長の親友の記録なんだ。
本当に天才パイロットだった。
その人にはな、隊内に恋人がいたんだよ。
ある時ちょっとした不幸で恋人が堕とされたんだ。
その人はな、我を失い、敵を皆殺しにする勢いで突撃していったよ。
結局その人も還らなかった。隊長はそれを間近でみているんだよ。」
「だから隊長は私のことを遠ざけて・・・。」
「そうだ。だから諦めろ。
お前なら他にもいい人がいるさ。
お前のことを狙ってるやつも多いんだろ?」
「先輩!
ありがとうございます。
解決策見えた!
隊長に退役して専業主婦になると言ってプロポーズしてきます!!」
「おいおい・・待てよ・・・。すげぇ行動力だな・・・・。」
そう言った先輩の肩を彼の同僚が叩く。
「ドーンマイ!」
にやりと笑った冷やかしの眼差しだった。




