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第63話 高波 三五  Let's go!

 ラブパ攻略作戦の準備は万端。


 夜もスマホでラブパの話題で大いに盛り上がり、期待感を高めあった。


 かといって夜更かしなどをして疲れを残しては本末転倒。お名残惜しいが、こよいにお休みの挨拶をして早めに就寝。

 そしてグッスリ眠って早めの時間に起床。


 いつもの日課をこなし、シャワーを浴びてサッパリする。その後は動きやすくて小ざっぱりした服に着替えて髪型をセット。準備OK!


 さあ、新しい一日の幕開けだ!


 こよいを迎えにLet'go!


 「行かせないわよ、三五!」


 またもやオレの行く手を阻む母!


 「何でだよ! この格好エロくないだろ! むしろ薄手の上着まで着て、肌を隠してるし!」


 「アンタの纏うその空気……いや、その熱気! ムラムラしてるわね、三五! 絶対今日のデートでキメる気でしょ!? わかってるんだから! だってアンタは息子だから!」


 オレの存在そのものがエロいってか!?


 つ~か、何? 母さんのその言いぐさは。


 父さんがデートの時にムラムラしてたってこと? その血がオレにも流れているから邪魔するの?


 父さんのそんな一面知りたくなかったよ……。

 SAN値削られるわ……。


 高波☆SAN値 【□□□■■■(←←ギュイーン)


 「アンタは昔の私にソッックリ!」


 オドレがムラムラしとったんかい!? 

 オカァ~ンッ! ホンッットキッツいわぁぁ~!


 オカンがオトンとデートする時にいつもムラムラしとったとか、朝っぱらから聞かせんなや! つ~か、墓まで持ってけ! あ゛あ゛あ゛あ゛~っ!


 高波☆SAN値 【□■■■(←←←ギュイーン)■■】


 「こよちゃんは清純な娘なの! 私の義娘なの! この間お話しした時も、お人形さんみたいに愛らしくって……。汚させる訳にはいかないわ!」


 「今日はそんな事シネ~よ!」


 「今日はですって!? ホラ、馬脚を現した! 隙をうかがっているのね! イヤらし~い!」


 ぬあぁぁぁ! このままではSAN値直葬の上、デートに遅刻してしまう!

 かくなる上は強行突破あるのみ!


 「絶技! † 高波フットワーク † !」


 大胆かつ流麗な足さばきで、母さんの横をすり抜ける!


 「あぁ~っ! ダメぇ~っ! こよちゃんにヤラしいことしないでぇっ!」


 オレはサッと靴を履き玄関のドアに手をかける。


 しかしこのまま何も言わずに出ていくのは悔しいので、捨てゼリフを吐くことにした。


 「オレはこよいを愛してる! 例え気持ちが昂ってこよいを抱いたとして、それは決して汚すためじゃないっ!」


 「ガガァァ~ン!」


 息子の情熱の咆哮に母は瞠目する。


 「ブブゥ~ッ!」


 あっ、洗面所で歯磨きをしていた父さんが吹き出した。ゴメンよ。


 いつまでも家に居たら面倒なことになりそうだ。

 駆け足でこよいの元へGO!


 …………………。


 程なくして、こよいのお家の門まで到着した。


 おや? こよいとメイお姉さんがもう外まで出て来てくれているぞ。


 「おっはよ~う♪ 三五♪」


 「お、おはよう、こよい」


 こよいは遊園地で遊ぶ為の動きやすい服装をしていた。

 凄く派手だったり、キラキラしたりはしていない。むしろ今日は大人しめだ。


 でも何故だろう。何だか妙にグッときてポ~ッと見惚れてしまう。


 そんなオレの様子を見て、こよいはとっても嬉しそうにニコぉ~っと笑う。


 「うふふ♡ 今日のコーデは三五のお好みに合わせてみました♡」


 「えっ? オレの?」


 こよいの姿を上からジ~ッと見てみる。


 前髪にはトレードマークの三日月バレッタ。

 

 髪型はお嬢様風の編み込みハーフアップ。


 色々なこよいの髪型を見てきたけれど、やっぱりオレはお淑やかなイメージでサラサラヘアーが美しく流れるこの髪型が一番好きだな~。


 トップスはオフショルダーのフリルブラウス。


 そうそう! ツルツルの肩と鎖骨のラインが見えちゃう健康的な色っぽさにクラクラしちゃうんだ。


 ボトムスは……おおう。裾が少しフレアーに広がっている、ピンクのミニスカート!

 膝上は魅惑の10㎝! あぁ~、スカートめくり遊びを思い出して落ち着かないぜぇ~。


 う~ん。確かにこれは今までのデートでオレが目を奪われたコーデの組み合わせだ。


 こよいはオレの好みをちゃんとリサーチしてくれたんだ。


 今のこよいは言うなれば、オレ色に染め抜かれたオレだけのお姫様。

 これにグッとこないワケがない。


 「すっごく可愛いし、こよいをオレだけのものにしたみたいで何だか夢みたいな気分だよ」


 「うんっ♡ こよいは三五のものよっ♡」


 「発想が意外とゲスいわねw 三五ちゃんw」


 

 さあ、お姫様のお手を取ってエスコートをして差し上げましょうか。


 「……三五ちゃん、お嬢ちゃま。うるさいこと言わないから、せめてお泊まりだけはしないで帰ってきてね?」


 ちょっと! メイお姉さん!? せっかく気分を出してたのに!


 「大丈夫だから! ラブホに寄ったりなんてしないから! ホラ、約束!」


 疑り深いメイお姉さんの小指に自分の小指を絡ませて指切りをする。


 「ホッ、良かったぁ。安心した~。三五ちゃんは約束を破ったりしないもの」


 やれやれ。やっとマイペースなメイお姉さんに戻ってくれた。


 「むうぅ~っ!」


 しまったぁ!

 今度はこよいが焼きもち妬いちゃった!


 「今日はわたしとデートなのぉ~! わたしは三五のものだから、三五はわたしだけのものなのぉっ!」


 「わっわっ! ゴメンねこよいっ! ちゃんと歩くから引っ張らないで~!」


 「行ってらっしゃ~い♪」


 凄い力を発揮するこよいにズルズル引き摺られながら、ラブラブ♡パークに向かうオレなのだった。

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