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登場人物紹介第一弾‼

ちょっと早すぎる気はしますが……まあ、とりあえず現状の登場人物紹介第一弾になります。アシャトと『像』に任命された、任命が内定している人物です。なので、先に出てきたギャオランやズヤン、アデイル=ヴェドスやその子たち、クシュルやペレティたちは後半戦になります。

ちなみに第二弾で『像』ではないアシャト派及び『像』の部下、第三弾でそれ以外の三派及び現時点での戦死者解説になる予定です。戦死者は第二弾の方に行くかも。

ということで、かなり雑ですが、どうぞ。


ペガシャール帝国派閥


アシャト=エドラ=スレイプニル=ペガサシア


 今作主人公。『ペガサスの王像』に選ばれた王。“魔術六段階”“剣術五段階”“馬術七段階”。

 『王像』の資格をもっていて、かつそこそこに優秀、正確には努力型の凡人だったがゆえに今代の王から命を狙われ、生き延びた男。神遊歴995年、つまり物語開始時点で18歳。

 ギュシアール=ネプナス曰く『生存の天才』。

 野心があり、憎しみを持ち、非情な判断が出来る。必要悪を必要悪と割り切ることが出来る。同時に、優しさがあり、幸福を望み、友を信頼する。

 エルフィール曰く、『完璧な人』。人間らしい人間である、という意味であり、善悪どちらに寄っているわけでもない、という意味でもある。傲慢な部分を持ち、しかし卑劣な部分を持ち合わせ。彼は呆れるほどに人間らしさに溢れた人物である。


 ペガシャール帝国を目指すと宣言した。それが他国を侵略し、結果的には多くの命を奪うことになると知っている。それがあるいは悪徳と呼ばれることも知っていて、断行しようとしている。


 この人物はこの時代において、一等星にはなり得ない。どこまでも凡人である彼は英雄にはなれず、将軍にはなれず、彼はあくまで王である。

 しかし、数多の英雄たちに慕われ、嫌われ、敵に恐れられ味方に好かれるかの王は、世界を導く北極星である。




エルフィール=エドラ=ケンタウロス=ペガサシア


 今作ヒロイン(という名のアシャトの妻。ヒロインという概念が当たるかはわからない。むしろもう一人の主人公である)。『ペガサスの妃像』。愛槍は『道示すディルフェーロ』。神遊暦995年時点において、18歳。

“全武術九段階”“馬術八段階”“魔術八段階”。正真正銘の天才。だが、あまりに天才だったがゆえに世の理不尽と、己の無力さをこれ以上なく悟ってしまった、この国で二番目の才能の被害者。ゆえにアシャトに向ける期待は大きく、己の絶望を救ってくれた喜びは大きく、だからこそアシャトに恋をした。アシャトが皇帝への道を投げない限り彼女はアシャトに助力し、彼へ期待を寄せ続け、愛を感じ続けるだろう。たとえそれが、あまりに異質な愛だと知っていても。


 多くの人が考える『完璧な人』。武に優れ、智に優れ、人格強者であり。聖人君子のようにも、完璧超人にも見える彼女は、確かにある種『完璧な人』であろう。


 武術の腕前は(ギュシアールを除くと)ペガシャール帝国最強を担う。この物語全てを通しても、彼女と対等に戦える人物はほとんどいない。うち一人がディールであるのはなんという偶然か……。

 なお、ディールと『像』の能力込みで戦えば、8割がたエルフィがディールに勝つ。全ての『像』の扱う身体強化倍率の和が彼女の最大強化倍率であり……まあそんな力を使うと彼女が制御できなくなるが。それを差し引いても、『像』すべての能力の劣化コピーを使えるのは、対ディール戦において圧倒的に有利である。

 特に『魔術将像』たちが持つ“術陣不要”、『智将像』たちが持つ“思考加速”が優秀すぎる。魔術八段階格を持ち、服の裏とかに記載していない魔術を扱えるという条件は、近接でディールを縫い付けながら魔術を放つという無茶が出来るので、エルフィには都合がよい。

 ただ、まあ。エルフィが勝った時、というのはおそらくディールは死んでいる。ので、彼女が本気でディールと戦うことはない。それくらいしないとディールには勝てない。


 なお、それくらいしてもギュシアールには勝てない、というのが奴の怪物具合を示している。なお、彼女が戦場で大活躍をするか、というと……彼女は『妃像』。王妃殿下である。言うまでもない。



ディール=アファール=ユニク=ペガサシア


 今作もう一人の怪物。『ペガサスの近衛兵像』。神遊歴995年時点で19歳。“槍術九段階”“剣術七段階”“体術七段階”“馬術七段階。アシャトの義弟。

 二つ名は“個連隊”。意味はまんま、『個人で連隊(約4万)に匹敵する』。固有能力は『国の門番(アシャトの門番)』。詳細は以後に期待。

 エルフィールとは五分五分の戦いをするしなんなら勝敗がつかない。……が、それは模擬戦の場合である。単純に『像』がない状態で殺し合いをすれば、八割がたディールが勝つ。同じだけの技量を持ち合わせる二人の戦いになれば、男女の差……つまり単純な筋肉量の差でディールが勝つ。エルフィより一撃の威力がわずかに重く、体力がわずかに多いというただその事実だけでだいたいエルフィに勝てる。それでも二割がたエルフィが勝てるのは、それだけエルフィの技量が卓越しているからである。


 なお、どちらの場合であれ勝敗がついた時にはどっちかが確実に死んでいるため、彼らが殺し合いに発展することはない。物語全体を通して、彼らの勝率は五分五分のまま変わらない。

 イメージとしては、蟒蛇の張飛。あるいは裏切りのない呂布。ただ、実際の彼が戦場で働くことが多いかと言われれば……彼は『近衛兵像』。言うまでもない。




アメリア=アファール=ユニク=ペガサシア


 イメージされた言葉は『万人に愛される姫』。『ペガサスの騎馬隊長像』。“槍術七段階”“馬術七段階”“投擲術六段階”“魔術五段階”“空中戦闘術八段階。ディールの妹。神遊歴995年時点で17歳。二つ名は“光翼姫こうよくき”。性格自体は男勝りであるが、かといって女を捨てたわけではない。世が世なら普通に子爵家のお姫様をやっていた。固有能力は“透明化”

 現代の世情を鑑みれば、武を志し一定の力を得ている彼女は世界が見えているともいえる。空中戦闘能力に限れば他の追随を(国内では)許さない。戦闘機の機動を、シートベルトなくガラス?コクピット?がない状態でやる変態。魔術でペガサスに体を固定できるからといって、平然と空中で宙返りをやる阿呆がどこにいるか、という話。




ペディア=ディーノス


 第一章第二部における『主人公』。性格、来歴、そして現状を客観的に見たら、普通にやっぱり主人公。『ペガサスの連隊長像』。剣術六段階、馬術五段階、魔術四段階、槍術五段階、槌術六段階、盾術七段階。神遊歴995年時点において22歳。二つ名は“赤甲将せきこうしょう”。固有能力は“絶対防御”。

 ペガシャール帝国派閥……というか『像』たちの中で、二番目に過去に囚われている人物。一番は言うまでもなくエリアスである。


 過去編で、彼は父を語った。父ばかりを語った。だが、それは母を軽んじているわけでも、母との思い出がないわけでもない。だが、彼は家を失って後、『ディーノス』であった。優秀な猟犬であり、指揮官の器であり、ついてくる部下たちを養う身だった。そんな彼は、『ディーノス』……軍の責務、父から継いだものに囚われている。彼自身、気がついてはいない。だが、母を容易に思いだせないのは、母は『ディーノス』の家族の部分の象徴であり、彼が今直視する余裕がないものである。だから、無意識ではあるが、ペディアは母について思いだすのを避けている。

 彼が母を、己の家族の在り方を思いだすのは、きっと彼が妻を得、父となった時だろう。




エリアス=スレブ


 イメージは『絶望からの成り上がり』。『ペガサスの砦将像』。成り上がり者であると同時にどこまでも流される男。槍術四段階、鎌術七段階、盾術四段階、剣術四段階。神遊歴995年時点において22歳。固有能力は“拠点糧作きょてんりょうさく”“民住無音みんじゅうむおん”。二つ名は“自給要塞じきゅうようさい”。

 言うまでもなく過去に囚われ切った男。幼馴染と共に育ち、幼馴染と結婚し、幼馴染との間に子までもうけかけた。誰かを愛してという遺言を果たしたいと望み、同時に妻だけを愛していたいという葛藤に悩む。どこまでも普通の、愛妻家だったはずの男。

 ディーノスが滅びなければ彼はあくまで農民の一人であり、生涯その将としての才覚を発揮することはなかっただろう。



クリス=ポタルゴス


 イメージは『紳士の皮を纏った蛮族』。『ペガサスの騎馬隊長像』。蛮族なのは戦時のみであって、平時はどちらかといえば潤滑剤。槍術六段、馬術八段、体術五段、魔術四段。棒術始祖。鎌術六段階。棒術八段階。二つ名は“狂走馬”。固有能力は“馬力増強”。現時点で25歳。

 彼がメインになる話はだいぶ先。10年くらいかな?時間を進めないといけない。とはいえ、彼が出番がないかというとそんなわけがない。


 己が出自であるヒュデミクシアの中では、身体能力・技術的に上の下。ただし、騎馬を扱い将として戦えばそこそこに戦える……というのが元国の評価。現状どちらかと言えば英雄の側面が語られているが、彼は王に見抜かれた通り『騎馬隊長』の器である。




オベール=ミノス


 イメージは『仕事人』。年齢は20歳。『ペガサスの衛像』。斧術七段階、馬術六段階、魔術五段階。アファール=ユニク義勇軍において第一軍の切り込み隊長であったが、ベルツの怒りを買い一兵卒まで降格。敗走後、実力主義の貴族たちをまとめてアシャトのもとへと敗走する。

怪力だけであれば、ディールに勝る。無口。“豪斧牛ごうふぎゅう”。固有能力は“精鋭強化せいえいきょうか”。

 当初『大隊像』の予定だった。が、近衛六人のうち二つに、絶対に確保しておきたかった役職があったため彼が『近衛』になった。戦記ファンタジー好きには意味がわかろう。


 彼の過去が出るのは一章六部。対アダット戦初期、対レッド戦末期あたりである。




ペテロ=ノマニコ

 イメージはない。この人物は本当にスッと出てきた人物。

 政治家。徹底的に政治家であり、王になったアシャトの守役ともいえるかもしれなかった人物。『ペガサスの宰相像』。二つ名は未定。


 先に言うと彼の活躍は一章では二回……うん二回だな、二回しかない。過去話を含めれば多少長くはなるかもしれない。宰相の本分はもう少し経ってから。とはいえ全くないわけではない。というか一章第四部、つまり次は今までと比べたら比較的短いが、彼と他三名の独壇場である。

 現状、国内で一番忙しい人物。唐突にポッと生まれ落ちた新興勢力が神の権威とエルフィの名声ありきとはいえ、まともな一国の規模に一月くらいでなった。たくさんの貴族たちが集まった上で正しく機能しているあたり、どれだけ宰相がぶっ壊れているのか多分わかると思う。




メリナ=ネストワ

 イメージは『縁の下の力持ち』。少なくとも妹マリアがいる戦場にあって、彼女の存在は大きなものになる……かもしれない。『ペガサスの工作兵像』。二つ名は“巧緻の錯馬(こうちのてんま)”。神遊暦995年時点において、13歳。弓術六段階、短剣術五段階、剣術五段階、馬術六段階、魔術六段階。投擲七段階。現在ギュシアールに教えを受け、軽業師のようなエルフに育ちつつある。


 固有能力“縮罠投擲わなはこのてに”が実はある種のぶっ壊れ能力。そもそも『工作兵像』の本領は戦争開始前の戦場にあるはずなのに、彼女だけは戦争開始後の戦場でも問題なく本領が発揮できる……のはその能力のせい。

 実は『工作兵像』が一番扱いの種類が多岐にわたる。ただ、メリナのパターンは正真正銘初めてのパターン。やろうと思えばどこまでも種類を増やせる、それが『工作兵像』の可能性の無限性、という名のふわっとしすぎた『像』である。



マリア=ネストワ


 イメージは……なんでしょうね。作者最大のお気に入りにして最高のぶっ壊れ。実はこの人物の為だけに『ペガシャール帝国完成記』なるもののプロットがある。エルフ族。

 『ペガサスの智将像』。弓術五段階、短剣術五段階、馬術五段階、魔術八段階(なお、現時点。今後実力がめっちゃ伸びる人物はそう多くないが、12歳である彼女は嫌でも伸びる。まして300年生きられるエルフという種族。伸びないはずがなし)。二つ名は“神美の天馬(しんびのてんま)”。固有能力は“軍国管理ぐんこくかんり”。……この能力の意味が分からなければ、第42話を読んでほしい。


 デファール曰く、「後五年以内で自分たちに匹敵する軍政の力を持つ」。ネストワ家というエルフ族の一員であり、族長資格すら有する良家の出自。クカス大図書館で三年ほど過ごし、その中で年齢にそぐわないほどの本を読み、ありえないほどの知識量を持つ。

 クカス大図書館の妖精のお気に入り。



ミルノー=ファクシ


 多分露骨に書いているはずだが、最も不審人物。『ペガサスの兵器将像』。二つ名は“陽砲馬ようほうま”。

 多分二つ名時点で予想できると思うが、実は歴史的にはそこまでの重要人物ではない。『兵器将像』としては彼は凡庸である。

 ただし、兵器作成の腕前と、何よりいずれ『超重装』以上に主兵装となる彼固有の兵器によって、彼は戦場で戦う補給機関になった。

 ちなみに本格的に戦争が始まった(『像』同士の衝突という意味)場合、各将校や兵士より先に狙われるのは『兵器将像』と『糧食隊長像』である。戦える、というのは実は大きい。




ギュシアール=ネプナス


 この列に記載するのはどうかと思うほど本編中には関われなくなった人。『神定遊戯』最大の被害者。『ペガサスの教導師像』。全武術十段階格オーバー、魔術九段階格の人外。龍人族の血を遠くに引いた先祖返り。『像』の力をフルスペックに用いたエルフィールとディールが二人がかりで戦っても勝てない怪物。なお、多分彼を殺せる人間は現状レオナ=コルキスのみ。流石に遠距離から連続で超広範囲魔術を連打してくるような相手には彼も荷が重い。……まあ、彼を殺せる頃にはレオナの魔力も尽きている。のでどっこいどっこい。


 イメージは……うーん。北方水滸伝の王進先生が一番近いかもしれない。

彼がこの作品に登場している根本の理由は、ディールとエルフィをインフレキャラとして扱わないため。フフフ、天井がいれば他は落ちて見えるでしょう?




デファール=ネプナス


 今のところ多分誰もが思う『こいつ誰』案件の人。何かしたこともなく、有用な意見を言ったわけでもないのに他者の評価だけで描きあげられている人。ぶっちゃけ私もどう書こうか迷っている。“魔智馬王まちまおう”。『ペガサスの元帥像』。槍術七段、馬術九段、投擲術七段。現時点で35歳。

 愛馬は黒い、立派な体躯の馬。つまりプロローグに出てきた『男』は彼です。書かなくてもいいかなとは思う。


 クシュルは『王国』を是とするのに対し、実は結構『帝国』を是としている。正確には、初手コマンド「神に縋る」をやった上で100年以上もずっと継続して「神に縋る」を続けられる人間に対し、妥協策としての『帝国化』はありだと思っている。戦争が好きなのではない。が、神の時代を終わらせるには戦火を世界中に広げるしかないことを自覚している。出来ない人物がアシャトに『元帥像』に選ばれるはずも無し。

 彼が活躍するのは一章では五編中盤から七編ラストまで。六・七編に関してはほとんど彼とアシャトとエルフィが中心と言っていい。




スティップ=ニナス


 ギュシアールの弟子の一人、小柄。ギュシアールが遣っていた双剣の片割れを両手剣として用いるほどに小柄。ちなみに、ディールとエルフィでもギュシアールの双剣を双剣として扱うことは出来ないほどその剣は重いし大きい。某怪物狩りの大剣を片手で握って双剣にしているような感じ。


 『ペガサスの隊長像』に内定している、功績がないから任命されないのになぜか出撃すらしていない。ギュシアールの弟子という理由でどこまでも実力が保証されているため、実力試しの場に出す必要がない、というのが理由。哀れである。

 槍術、剣術、弓術において各七段。馬術六段。たまたまアダットのギュシアール殺害命令を盗聴、密告。ともに王都を発ち、アシャトの軍に所属した。




コーネリウス=バイク=ミデウス


 この人物についてはあまり触れにくい。イメージは……うん。強いて言うなら遅咲きの桜。ペガシャール帝国興隆期という物語を語る上で、北極星がアシャトであるなら北斗七星のうち一人は彼。『護国の槍』という元帥一族の出であり、その才能は家の中でも見劣りすることはない。


 ただ、あまりにもあまりな理由により才能の開花時期が遅れた。真っ当な時代に生まれ、真っ当に経験を積んでいれば、マリアより早く才能が開花できた人物。要はタイミングが悪すぎた。

 二つ名は……いいか、告げておきましょう。“軍事の片角(ぐんじのかたかく)”。バイク、という家名がバイコーンのもじりであることに気が付けば、この単語の意味は自ずと分かります。……まあ次項で多分みんなわかると思う。




シャルロット=バイク=ミデウス


 イメージは『お姫様が戦う』。間違っても、『戦うお姫様』ではない。前後を変えれば意味が変わるのだ。『戦うお姫様』はどちらかといえばアメリアである。『像』は言わない……が、割と露骨に書いているとは思う。

 “魔術五段階” “馬術五段階”。彼女自身は実のところ一騎打ちの才能はない。戦う才能もない。ゆえに、最前線で戦う『像』であることに拒否感を覚えている。


 しかし、客観的な事実として、指揮官の才能は一流である。勇者の器でも、英雄の器でもない。だが、将校としては優れていすぎるゆえに、彼女は『戦車将像』であることを望まれた。だが、彼女自身が心底『戦車』であることを求めたかと言えば否である。彼女は生まれも育ちも政治家である。

 二つ名は“治政の片角(ちせいのかたかく)”。これでもう十分でしょう?




ジョン=ラムポーン=コリント


 イメージは『友人』。親友ではない。魔術の名家、コリント伯爵家(次期?)当主。現当主が生きている以上次期当主であるが、ペガシャール帝国派としてのコリント伯は彼なので、次期なのか現なのか。権力的には現当主。馬術七段階格、魔術八段階格。『ペガサスの魔術将像』。現時点で16歳。二つ名は“光軍馬こうぐんま”。

 魔術戦争の達人。間違っても天才ではない。どこまでも勤勉で、どこまでも教科書通りの人物。とはいえ、魔術戦争は本質的に教科書通りのことをやりあうものである。ちなみに、シャルロットがやったのは教科書で言うところのほんの10ページ目に書いてある内容。本来はもっと奥深いし面倒くさい。ジョンはそれを網羅しているので、秀才すぎる。


 ぶっちゃけネツル山の討伐は、マリアがもっとジョンを使っていたら初戦で勝てた。ただし、マリアがジョンをうまく使うためには彼女は前線に出るわけにはいかず、最前線の担当はシャルロットだった。ので、ギャオランの手によってシャルロットとエルヴィンは殺されていた(マリアが前線に出ない=ディールが前線にいない。結果、ズヤンによるジョン奇襲時、傍にディールがいるから連れ去られることはない)。




フレイ=グラントン=ネニート


 イメージは特にない。なんとなくあの性格にしたけどちょっと後悔している。鍛冶と弓術の名家、ニネート子爵家(現?次期?)当主。『ペガサスの近衛兵像』。現時点で18歳。弓術八段階格、剣・槍・斧・魔術全6段階格。

 鍛冶の名家と呼ばれていたのは実は過日のことであり、今呼ばれることはない。鉱山国の離反によって鉄鋼の採取量が減り、お抱え鍛冶師たちに技術の継承がしづらくなっていったため、まだいい武器は打てるが名家と呼べるほどではなくなっている。


 オネェ系であるが、それで嫌煙されることもしばしば。アシャトはちょっと眉は顰めるものの会話はちゃんと聞く。それを間違った対応だと思っていない。

 二つ名は“魔之鏃まのやじり”。彼について語られるのは一章五部以降。




バゼル=ガネール=テッド


イメージは誇り高き暢気者。魔剣と策謀のテッド子爵家(現?次期?)当主。『ペガサスの砦将像』。神遊歴995年時点において、19歳。剣術五段階格、杖術七段階格。仕込み杖を扱うが、扱い方はどちらかと言えば杖。『切れる杖』として杖術扱いで戦うことが多い。“群智象ぐんちぞう”。

 多くの貴族は神の降臨を止めようとする(人が神に縋ることが当たり前である状況を止めようとする)アシャトに思うことがあるが、彼の場合はむしろいいことだと思っている異端児。


 とても賢いし、普通に戦争に出れば普通に活躍できるだけの器をもっている。が、家歴々引き継がれてきた『智将像』の役職は、比較対象がマリアになるのはかわいそうだという理由で止められた。マリアと比較されるとまあ、確かにバゼルでは一段落ちる。『策謀の一族』が『ぽっと出のエルフ』に劣るとなれば、普通にお家没落の危機である。まだ『智将ではなかった(が像ではある)』というレッテルの方が『(智将として)負けた』というレッテルより数倍マシ。

 彼について語られるのもまた、一章五部以降である。




ニーナ=ティピニト


 イメージは“旅人”。最近考えてみたらきっと某守り人のイメージが強いかもしれない。二つ名は“放蕩疾鹿ほうとうしっか”。『ペガサスの跳躍兵像』。女傭兵。アシャトが実行できない暗部の命令を執行する代表者。神遊歴995年時点において23歳。

愛弓、迷いなき誠(エスキニア)。赤髪の女傭兵。胸はそこそこ。女っ気の欠片もない衣装を好むが、体型は女のそれ。“槍術八段階”“弓術八段階”。……なんでこの人物だけまともに容姿のイメージがあるのか、私にはわかりません。

 実のところ弓矢より槍が本分。ただ、弓が与えられたことによって弓はかなり練習した。




レオナ=コルキス


 イメージは『典型的な魔女』。才能自体はかなりぶっ壊れである才女。『ペガサスの賢者像』。魔術師としての彼女の肩書は『研究者』。“魔術九段階”。それ以上でもそれ以下でもない。二つ名は“魔服羊災まふくようさい”または“魔覆要塞まふくようさい”。実は当初、羊災の災は裁の予定だった。

 実のところ、魔術師としての力量はそこまで高くはない。せいぜい世界中で10指に入る程度である。

 彼女のどこが天才か、という話はこれまでもしたしこれからもするでしょうから放置しましょう。人柄について少しだけ。


 乱世であろうが平和な世であろうが、死んでいる可能性が高い人物、それがレオナという人間です。研究に寝食を忘れる、という人物の話はよくありますが、それが死に直結するレベル……餓死寸前になっていたとしても、気絶することも集中力が乱れることもなく研究に没頭出来てしまう人外。命の危機に反応しないのではなく、己の命に頓着がないため、研究する中で死んでも多分死んだと自分で気づけない。

 ただ、ジョンに出会った。ジョンに恋した。好きな人が出来、彼が悲しむ顔を見たくないというのと、会える時に会いたいという感性が芽生えたおかげで、生への執着、というより「死ぬのは嫌かな」程度の気持ちが生まれた。やっぱりずれている人。

 まあ、化け物です。ただ、彼女が誕生するための元々の思考の前提が「最強の魔術師に対抗するためにはどれくらいの化け物にしたら勝機があるか」という思考実験の中で生まれた人物でして……魔術師としての真にぶっ壊れは彼女ではないんですね。




ムルクス=アニマス=エンフィーロ


 イメージは『スパイ』。といってもアクション映画に出てくる戦闘民族的スパイではなく、陰に潜み、情報を集め、人を暗殺し、また物を盗る、人目に付いたらその時点でゲームオーバーなタイプの『スパイ』。『ペガサスの跳躍兵像』。二つ名は“首無馬くびなしば

ペガシャール暗殺集団『エンフィーロ』の末。頭領。体術・投擲七段階、魔術・弓術六段階・剣術・短剣術五段階。固有能力“同薬複製”。神遊歴995年時点において15歳。


 現時点で話せる内容はほとんどない、ため『跳躍兵像』について少し。この像は明確な役割が複数あるタイプの『像』である。その役割の多彩さは全『像』の中で三番目だろう。『エンフィーロ』はその中でも『暗殺』と『諜報』を一手に担う一族。個人としてではなく一族としてそれを担うことで、トップ自身への負担は減らしている。




エビエル=ルフィエム


 フェムにいた、前『ペガサスの王像』の王に仕えたケンタウロス。イメージは『かかわりの深い傍観者』。

 ペガシャール大学校本校舎が開かなくなった後に「医術学院」に残った最後の教師。弓・剣・槍・魔術の全てが7段階格。年齢は223歳(997年時点)。

150年前に遷都の停止を進言、以後アシャトが許可するまで謹慎刑に合う。たまに訪れる孤児や子供に教鞭。何人かの『像』は彼の教え子。

 本編に関われない先達としてのギュシアールに対し、本編に関われる先達。ディアを除けば唯一の、過去の『神定遊戯』の時代を知る者。彼が本格的に物語に参戦するのは二章以降である。




グリッチ=アデュール=ゼブラ


 イメージは『貴族から傭兵へ』。まんまになってしまった人物。『青速傭兵団』団長。二つ名は“雷馬将”。『ペガサスの連隊長像』。神遊歴995年時点において24歳。槍術七段階格、馬術七段階格。

 14歳で国を出る。優秀な兄に劣らない弟であった以上、彼の存在は政争の火種にしかならないのが見えていたことから、家族に願い出て諜報という名の傭兵活動に参加。しかし“白冠将”ペレティには実はバレている。

 家族思いの男であり、同時に貴族らしい価値観の持ち主。少なくとも軍事に才能明るく、やろうと思えば普通に政治も出来る。あまりやりたくはない。

 傭兵時代アシャトに会い、彼の雰囲気から王の気質を嗅ぎ取った、ある意味『ペガシャールらしい』人物。




エルヴィン=エーレイ=ビリッティウス


 まだ通達されていないものの『ペガサスの隊長像』に任命される予定の人物。槍術七段階格、馬術七段階格。……薄々気づいているかもしれないが、ペガシャール王国というペガサスに祝福された国で、馬術というのは絶対不可避の教養である。少なくとも貴族にとっては。

 ゼブラ公国進軍の際、時代にそぐわない父を殺害、ゼブラ公国の仕業だと喧伝しその指揮と当主の座を掻っ攫った。今ついている綽名は“親殺し”。


 彼は隊長像の器である。大隊は率いられるが連隊は率いられず、即ち最大指揮総数はどう足掻いても四千人がいっぱいいっぱいである。ので他の『像』にはならない。なれても糧食隊長である。

 親殺しがなされたことで、実は現在ペガシャール帝国派に所属する全ての貴族が気を引き締めなおした。というのも、アシャトがエルヴィンを罰しなかったことで、若い世代の台頭、古い時代の抹消が貴族たちの頭に染み込み始めたからである。皇帝宣言時の処罰だけではインパクトが足りなかった。




トリエイデス


 ネツル山の盗賊。一応、隠し立てなく真剣に『ペガサスの糧食隊長像』がほぼ確定している。が、いつごろかまでは明言しない。作者の中では決まっている。

 野心溢れた人物。ネツル山の頭領は世襲制ではなく指名制なので、トリエイデスがいかに前頭領から気に入られていたか考えると割とマジの野心家。倉庫内の増え続ける食糧を見て、アシャトに取り入る算段と、ズヤンを売り込む算段と、いずれ必ずアシャトとぶつかるギャオランを始末する算段をつけたのだから有能。


 ただ、その有能さは上に上がいることを自覚していなければ、自分をズルズル引きずっていく罠にもなる。トリエイデスはその傾向が強い。強すぎる。のでディールによってとりあえず粛清された。


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