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14.ヒトカク山の義賊

 アファール=ユニク義勇軍第二軍と第六軍は、予定された日の早朝にフィシオ砦を発った。残り2日間、どうやらエアリスは俺に対する評価を変えなかったらしく、それまでと全く同じに、同格の存在として俺を扱った。

「心地よかったな、ディール。」

「同格として扱ってもらえることが、か?」

「ああ。私的な場ではともかく、公的な場ではお前と俺でも対等ではない。全く、面倒な商売だよ、王様ってさ。」

「王さまを商売にするのか、兄貴。でもまあ、面倒くせぇんだろうなとは思うぜ。」


カッポカッポと馬たちのならす間抜けな足音を聞きながら、ディールと軽く話し、笑う。今は俺が義勇軍の一隊長で、しかも周りに事情を知っているものしかいないから話せる会話だ。これが国を持ち、兵士たちの前になればディールとはこんな軽口すら叩けない。


 どうせなんだかんだ言って隠れて軽口を叩きあう間柄にはなるんだろうけどな、と吐き出しつつ……ああ、王になりたいとは思ったが、ついてくる礼儀とか口調とかは捨て去ってしまいたい。

「でもさ、一人いるよ。アシャトが国王になっても軽口を叩ける人が、ここに一人だけ。」

ディアが言った一言は、俺に衝撃と共に何かが救われた気分になった。

「ありがとうな、ディア。」

「いや、僕も軽口は叩けるけどさ、僕じゃないよ。」

だって僕、人じゃないもん、という至極真っ当なことを呟き、のんびりと歩き続ける。


 じゃあ誰のことだよ。聞きただしても返事はない。これがあれか、親が子にやる「自分で気づけ」っていう奴なのか。

 なら期待に応えなければ。ヒトカク山に向けて進軍する傍ら、真剣に頭を悩ませるのだが……。


 残念ながら、答えは出ないままだった。




 一方その頃。ヒトカク山の山賊たちの拠点では、酒と食の香ばしい匂いで満ち満ちていた。いつからだ。いや、いつまでやっているんだこの宴会。

 先日、近くを通りかかった税を運ぶ馬車を襲えたことで得た大量の米と肉と酒が、あまりにも衝撃的な速度で減り続けていた。

「おい、ゴデス!ゴデスはいるか?」

斥候の役目を終えた俺は、ここの首領を探して建物に入る。ほどほどでやめろと言った忠告は、聞き入れられなかったのだろう。どうせならず者の集まりだ、仕方があるまい。

「ああ、いるぜ、クリス。どうした、そんなに焦ってよう。」

「敵だ。義勇軍ではあるが、しっかりとした敵が攻めてきた。」

「敵ぃ?んなもん、うちの仲間の練度をもってすりゃ、負けるわけがねェだろうが。」

肩で大きく息をする俺を見てフンと笑いながら、手に持った樽の酒をゴクゴクと喉に流し込む。こいつはゴデス=クリニア。ヒトカク山義賊団の首領にして、ただの落ちこぼれた商人だ。


 というかなんでそんな酒、浴びるように飲めるんだ。酒精の量は尋常ではないはずなんだが。

「……義勇軍を集めたのは、ペガシャール王国の中でも有数の貴族、アファール=ユニク子爵だぞ。」

ゴデスがドンと樽を叩きつけ、慌てて俺の方を振り返る。この情報は、彼にとってとても大きな意味を持っていたようだ。

「アファール=ユニク子爵だと?いや待て、子爵なら上の指示には逆らえないはずだ。指揮は?指揮官はどこの上級貴族だ?」

そこに目を向けるか。腐っても商人一族の出。下手な傭兵より、頭は回る。


 俺は少し悩んだ。こちらに向かってくる指揮官は、有名な“赤甲将”『ペディア=ディーノス』、歴戦の傭兵である。が、彼の要求している情報はそれではない。彼が要求する指揮官の名は、ベルツ=アルス=ペガサスのことだろう。

「総大将はベルツ=アルス=ペガサス公爵公子だ。だが、前線指揮官は……。」

「いらねぇ。無能な指揮官のもとに有能な男な指揮官がいくらいようと、実力なんかだせっきゃねぇよ。」

真理ではある。確かに総大将がベルツなら、実力なんて出しようもなかっただろう。


 しかし、真理であるとはいえど、それが二面作戦であるなら話は別だ。ベルツがここを直接攻めるならゴデスの言葉に賛成した。だが、ここにはベルツは出てこない。ペディア=ディーノスが指揮を執るのに、ベルツ=アルス=ペガサスとおなじ構えではどうやっても負けるのだ。

「では、俺は準備に移るぞ。迎撃しなきゃいけないからな。」

「ああ、勝手にしろ。ああ、あと何日だ?」

何日でここに着くのか、の訳であろう。それなら、簡単に答えられる。

「明日の昼にはここに着くぞ。」

「……わかった。ありがとよ。」

こういうところだ。ばかなのに、こういうところで感謝を示そうとしてくるから見捨てられない。


 しかし、それもこれまでだ。こいつは今回の義勇軍に殺されてしまうだろう。俺は首領の器ではない。だから、次の主を探さなければいけない。

「クリス隊!集結せよ!」

俺は山の中で、大声で叫んだ。響き渡ったその声の一時間後、すべての兵士たちが集結するまで、俺はじっとその様子を眺めている。

「アファール=ユニク子爵がここに兵を派遣した!」

朗々と語るその声は、おそらく山全体……ゴデスの部下たちにも聞こえているだろう。

「敵将はペディア=ディーノス、『赤甲将(せきこうしょう)』とまで言われる圧倒的な傭兵だ!」

兵士たちの目に、怯えの色が浮かぶ。当然だろう。俺ですら怯えているのだ。こいつらが怯えないわけがない。

「しかし、俺がここにいる!このヒトカク山の義賊を育て上げたこの俺が、お前たちをただでは死なせない!」

山に籠っていれば、容易には負けない。俺が育てたこの山の兵士たちが、簡単に負けるはずがない。

「死にたくないものは俺につけ!この奥の陣地で籠城戦を敷く!今すぐに物資と馬を運び込め!」

指示が全員に行き渡った。それを確認して、俺は指示を陣地を眺める。

「ペディア=ディーノスであろうと、俺は勝つ。」

後世において『狂走馬(きょうそうば)』と呼ばれた男、クリス=ポタルゴス。彼はこうして、アシャトとの争いに身を投じようとしていた。


「夜襲だな。」

敵が到着してすぐに、ゴデスは本陣で言った。俺はまだ後方の陣に撤退していない。

「疲れているから、か?」

「ああ。だから、すぐには攻めてこない。ならば、夜襲をかけるのが一番早くケリがつく。」

それは、ペディア=ディーノスともなれば考えていることだろう。確実にその攻撃を受け止めて、それなりの被害を与えて返してくるはずだ。

「俺は行かない。ここで残って、陣を守ろう。」

「何から守るのかは知らねぇが、いいだろう。じゃあ、俺の部隊だけで出るぜ。」

きっと。俺の予想通りであれば、これでゴデスは首だけになって帰ってくるのだろう。きっと餌につられたオオカミどもを引き連れて。


 ここにいる五百の義賊、その半数が山を発った。日が暮れるまであと二時間。それまでに準備を済ましてしまおうと決断し。

「十名は斥候!馬術に優れたものを選び、ゴデスの後を付いていけ!百四十は残った物資をすべて後方の陣へと移動。残り百は防衛のために残れ!」

あと二時間ですべてを済まし、後方の陣へ撤退する。勝利のために必要な手を惜しみなく使って、うまく耐えて。

「目標は、相手に降伏勧告を出させることだな……こっちに有利な条件で。」

そう笑って、駆けていくゴデスたちを見送った。




 ヒトカク山の義賊。ソウカク山の盗賊とは違って、一定の規律を持ち、賊一名一名の練度が非常に高いことで有名な一団だ。

 その中でも、頭領は酒浸りの堕落した元商人、副頭領は落ちぶれた貴族だというのだから、元の生活環境も相まって仲もいいに違いない。

「どう出てくるかわかるか、アシャト?」

エルフィが俺に、敵の出方について尋ねてきた。

「まあ、夜襲だろう。俺達が疲れている。そう思って、仕掛けてくるはずだ。」

「で、夜襲を仕掛けてくる敵に、お前はどう対抗するんだ?」

そう言われても、正直なところ困る。俺に戦才はない。相手が出してくる手を常識の範疇で読むことは出来るが、戦争の策略の方向性となったら話は変わってくるのだ。


 ゆえに。

「ペディアなら、どうする?」

こういうことは、出来る男に任せる。それが、王の役柄だ。

 ここにいるのは、合計千五百の軍隊。敵側はたった五百人。約三倍の戦力差とはいえ、勝つのは容易とは言えないところがある。夜襲、それも山の上からともなれば、兵力差だけではない要因が多くありすぎるのだ。

「千人守りに残して、三百の騎馬隊に二百の兵士を乗せて敵陣を急襲する。夜襲に対する守りは万全にして、返り討ちにした兵たちが帰る先はすでに俺たちのもの、という感じにしますね。」

「できると思うか?」

「出来ます。俺たちが疲れていて、夜襲に対する対策をしていないと考えている以上、全軍で来ると思っています。」

しかし、そうは問屋が卸すまい。


 先にきいた情報を鑑みる。頭領のほうではない。副頭領の方である。落ちぶれた貴族という話。ポタルゴスという家柄は、少なくとも王家直轄の貴族家にはないこと。

 俺は、クリス=ポタルゴスという将はそんな罠にはかからないだろうと思っていた。

「ペディア。お前が総指揮官なら、間違いなく痛み分けだったな。」

エルフィが苦笑いする。彼女もどうやら、クリスには警戒心を抱いているようだった。


 ふむ。ペディアの能力のほどが割れてきた。戦術指揮官としては九十点、戦略指揮官としては四十点と言ったところか。総大将はアメリアの方が出来るかもしれない。

「で、アシャト。それならどうするつもりだい?」

ディアが飛び回りながら尋ねてくることに、俺は明確な答えを返せずにいた。どうしたいか、という明確な願望はある。が、どう叶えるかという手法が、ない。

「では、アシャト様。どうなさることが目標ですか?」

その葛藤を汲んでくれたのか、ペディアが言葉を変えて問うてきた。それに対してなら、答えを返すことができる。

「夜襲は来る。だから、その指揮官……ゴデスは討ちたい。だが、その指揮官にクリスはいないだろう。そして、そのクリスは味方にしたい。」

いったん切る。おかしなことを言ったか?いや、そこまで変なことは言っていない。予想と希望を話しただけ。根拠のない予測であるのが、少々疵になりかねないくらいだろう。


 よし。いっそのこと、希望は全て言ってしまおう。こいつは戦術指揮官としては相当できる部類のはずだ。希望を言えば、それが叶うように兵隊を動かせるはず。

「俺たちの兵力拡大は急務だ。今後のことを考えれば、人手を減らしたくもない。ゆえに、奴らは生け捕りにするか敗走させたい。」

結構な無理難題言うね、とディアが呟く。エルフィは妥当な要求だろうと頷いた。


 対して、ペディアはただ、胸を一つ叩いて見せた。

「そういう指揮を望むなら、やって見せましょう。」

出来るのかよ。いやこの自信のほどを見れば、やってのけるのだろうが。

「前線指揮であれば、私の役割ですから。」

そういうと、アメリアとアテリオを呼び寄せた。ディール、エルフィールには何も言わない。どうやら、俺の話をある程度は聞いていて、エルフィには指示を出さないという結論で落ち着いたらしい。

「アシャト様は右翼の指揮をお願いします。兵は歩兵四百。銅鑼の音が聞こえたら、敵に向けて突っ込んでいただきたい。」

言外に、弓矢は撃つなと言われたらしい。しかし、それで言うとおりに事が運ぶのだろうか。

 ……不信を顔に出さないようにした。信じて任せた以上、口を出すのはよくない。


「今すぐこの前方に陣を張れ!急げ!」

「それでどうにかなるのか?」

聞いた。俺が聞きたくて仕方ないことを、よりにもよってディールが聞いた。

「まあ、見ていてくださいよ。」

そう言って、他にもいくつかの指示を出した後、ペディアは空腹を満たすべく食事をとり始めた。そのころには、アメリアとアテリオはすでに陣から去っていた。


 夜襲の最初の引き金は、「どういうことだぁ!」の叫びだった。ゴデスはどうやら、到着した瞬間に見た誰もいない陣地に驚いたのだろうことを窺わせる叫びだった。

 同時に、馬蹄の音が響き渡る。俺たちや敵軍のさらに後方……アメリアとアテリオの率いる、300の騎兵隊だった。

 敵が慌てふためき、逃げるように第二陣地……俺たちの方へと攻めてくる。右翼と左翼の間に敵兵が入り込む寸前に、銅鑼の音が響き渡った。

「かかれ!」

剣を前に突き出して、叫ぶ。俺はディールとエルフィを引き連れ、敵軍の中心に突っ込んでいった。

「狙うは敵将ゴデスの首のみ!それ以外には目もくれるな!」

言いながら、兵士の首を一閃して斬り捨てる。人の命を絶つ感覚。その気持ち悪さを、慣れと立場と状況で押し潰して……それでも、真っすぐに攻め込み続ける。

「貴様が敵将かぁ!死ねやぁ!」

腹の出た巨漢。あれがきっと、ゴデスだろう。

「義勇軍第六隊隊長アシャト=スレイプニル。参る!」

「ヒトカク山義賊団頭領、ゴデス=クリニアだ。冥途の土産に覚えていけ!」

刃がぶつかる。このような男でも、荒くれ者どもの頭領を務める男。決して弱くはないだろう。そう思ってぶつかったが……。

「重い。」

痺れそうになる腕を、肩に貼り付けた治癒の魔法陣に魔力を通して正常に戻す。俺は返す刀を振れないが、向こうは別だった。俺の一撃は奴を痺れさせるには至らなかった。


「ディア!」

「了解だよ……飛ぶ!」

ブワっと、身体が宙に浮いた。手綱をしっかりと握り、鐙にしっかりと力を入れ、両腿でディアの体を挟み込む。

「ペガサスだと!」

驚愕の表情で奴は俺を見上げ……一閃。

「うわぁぁっと。」

ゴロゴロ。馬から上手く落ちるように大地を転がる敵。チ。


 駆ける。馬上の利があるうちに、攻める。

「弱ぇ。てめえ、殺し合いのセンスはねぇな。」

ギクリとする。一撃で殺せるのなら、その弱点が知られることはなかった。気づかれたのは……ああ、一合目が受け止められ、二合目の迎撃が間に合わなかったからか。

「死ね。」

振り下ろしかけの剣。俺の姿勢。見れば、俺の隙は、よくわかろう。


 防御は、間に合わない。逃げるにはもう遅い。ダメだ、死ぬ。

「兄貴いぃぃぃ!」

だが。俺は笑みを崩さなかった。ここには、過剰戦力が二人もいる。負ける道理は、ない。槍が斧を弾く。ゴデスが大きく体勢を崩す。

 その首は無防備に晒され、回避するにはあまりにも姿勢も足場も悪すぎた。

「じゃあな。」

その次の瞬間、ゴデスの首は、俺の剣に刎ねられていた。




 ゴデスの首を掲げて、敵に降伏勧告を行った。逃げるは追うな、降伏した奴だけ捕まえておけと命じる。追撃戦に割く兵力はいない。

「何人だ?」

ペディアがひとしきり終わったのか、俺の前まで歩いてくる。面倒な前置きを置いて、情報だけを淡々と問う。

「捕虜120、死者52、あとは生死不明と敗走が多いな。」

「自軍の被害は?」

戦場でなくなった夜の草原で、俺はペディアに尋ねた。

「死者20、負傷者50。うち重傷は33だ。大した被害ではないな。」

「そうか。」

1500のうちのそれだけ、と言われれば確かに大した被害ではない。が、我が国の未来を担う働き手が20も死んだと考えれば、少し思うところは当然ある。


 だが、些末な問題だった。今重要なのは、この戦に一つの区切りをつけさせてやることだ。でなければ、兵士が碌に休めない。

 ゆっくりと俺たちを見る兵士たちを見る。ペディアと目を見合わせ、二人で剣を掲げて、上空で交わした。

「勝鬨をあげろ!」

シン、と一瞬静まったあと、おー、と叫び声が起こった。初戦は俺たちの勝ちだ。これで、士気は上がっただろうし、俺達への信頼も上がっただろう。

 俺は上機嫌で、眠りについたのだ。




「ゲリュン。お前がそこまで頼むほど、敵は強大なのか?」

「いえ、強大というより、恐ろしい。アダット様やレッド様より得体のしれない、というべきでしょうね。」

ペガシャール王国ではないそこで、ゲリュンはその男と話していた。大切なのは、呑まれないこと。この男が放つ強大なカリスマ性に、呑まれて従わない意志力が必要だった。

「で、その男が『ペガサスの王像』に選ばれたから手を貸せと?腐ったもんだなぁ、ペガシャール王国も。」

愉快だという様に笑いつつも、同時にその男は思う。ゲリュンが恐れる男。その男なら、状況さえそろえば自らの覇道を妨げうるのかもしれない、と。


「ふむ、しかし、それは愉快ではない。」

ゆえに、その力を探るために一石、投じようと判断した。

「ソリュン、ピオネ。」

「「ここに。」」

この中では、新参者のその二人を見下ろす。

「アシャト=エドラ=スレイプニル=ペガサシアの力量を計ってまいれ。そうだな……ピオネ、そなたはソウカク山へは『跳べる』な?」

「は、可能でございます。」

「ならば、命じる。決して固有能力の解放はするな。使っていい能力は、あくまで基礎的な『像』の力のみとする。」

ソリュン=ベネット=ラゴン。『ドラゴンの将軍像』。ピオネ=エネス=リヴァス。『ドラゴンの跳躍兵像』。それぞれを担う二人が、王の命を受けて頭を垂れる。


「で、ゲリュンよ。アダットが失脚すれば、そちらの身柄は我が受け取る。それでいいのだな?」

「失脚させぬよう努力しますので、問題ありませんな。」

そういうと、ゲリュンはペガサスの元へと歩き出す。その後ろに、二人の竜国の将が続いた。


 三人と一頭、すぐに姿がかき消える。世界各地を回した女の『像』の力を強化したのは大正解だった。まさか、あれだけの質量を同時に『跳ばせる』とは。

「失脚を防ぐことなど出来ないとわかっていても、信じるか。人間とはつくづく度し難い。」

王という名の機関である彼は、その後ろ姿をじっと見た後で言った。

「アシャト=エドラ=スレイプニル=ペガサシア。俺の覇道にとってどう転ぶか……。」

そもそもここで終わるような男か。しかし、彼は、『ドラゴンの王像』に選ばれし王は、アシャトがどれほどの男なのか、薄々と勘づいているかのように、ブルリと身を震わせた。


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