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桜色の盾  作者: 白兎 龍
第一章 魔境
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彼の知らぬ間に起きた出来事 四 「ヒーローは遅れてくるのです!」

第五位階中位

 



 リリです! 今リリは無限の蒼空に羽ばたいています。



 お兄さんは何処でしょう?



 近くで戦いの音が聞こえて来ます。

 お兄さんですね? リリが今行きますよ!





 うーん、困りました。


 向かった先では、大きな蜂さんと小さな蜂さんの群れが、大きな2匹の竜に寄ってたかって針を飛ばしています。


 でも、見ようによっては2匹の大きな竜が蜂さん達を蹂躙している様にも見えます。


 リリ的判断によると此処は様子見だ! ですね。





 しばらく見ていると、大きな竜が蜂さん達を蹂躙し、大きな蜂さんもボロボロになっています。


 このままだと蜂さん達は皆殺しにされてしまうでしょう。

 もし蜂さん達が良い蜂さんだったとしたら、それを見殺しにしたリリは悪い子になってしまいます。


 悪い子なリリはお兄さんに嫌われてしまうかも。

 ……困りました。



「ーーミツキ……さようなら」



 リリが困っていると、大きな蜂さんがお兄さんの名前を呼びました。

 ナイスタイミングです。


 リリ的判断によると、大きい蜂さんはお兄さんの知り合いです。


 何やら悲壮感たっぷりですが、直ぐに助けますよー。



「キュア!」



 リリは蜂さんと竜さんの間に入ると、下っ端竜さんの『風の吐息ウィンドブレス』を、リリの必殺技、『嵐の閃光テンペスト・レーザー』で弾き飛ばします。


 下っ端竜さん……さようなら。なんちゃって。当てて無いですよ?



「キュ?」



 リリの必殺技は下っ端竜さんを余波だけで撃ち落としましたが、その隣にいた姐さん竜さんはまだ滞空したままでした。

 びっくりです。流石姐さんと呼ばれるだけあります。



『な、なにが!? 何が起きたのですかっ!!』



 姐さん竜さんは防御が得意の様で、蜂さん達の攻撃を殆ど防いでいました。

 リリの攻撃の余波も、冷たい氷の壁を張る事で防いだみたいです。名付けるなら『拒絶の薄氷アイスシールド』。



 取り敢えず撃ち落としましょう。



「キュ!」

『っ!? これはあの方と同じ竜のーー』






 さて、姐さん竜さんも撃ち落としました。

 まだ殺していないのは、お兄さんの居場所を聞く為です。


 大きな蜂さんは気絶してしまったので、この2匹から話しを聞こうと思ったのですが……なんか2匹共気絶してます。


 弱すぎですねー。

 お兄さんなら簡単に防げる攻撃なのにー。



「キュ?」



 リリが困っていると、またもや近くで戦いの音が聞こえて来ました。


 今度こそお兄さんですね!





 お兄さんじゃありませんでした。


 下っ端竜さん二号と老人竜さんの2匹が良い匂いのする女の人に寄ってたかって攻撃を繰り返しています。


 リリ的判断によると、悪いのは2匹の竜さんの方。

 何故なら、さっきも2匹の竜さんが悪い子だったからです。


 取り敢えず撃ち落としました。



「キュア!」



 どうした物かとくるくるブンブンしていると、遠くにお兄さんの気配がしました。

 これは間違いありません。


 お兄さん、今リリが行きますよ!





 其処に行くと、何と女の子がお兄さんをペロペロしていました!

 お兄さんを食べちゃ駄目です!



「む、強力な竜の気配」

「キュア!」

「むむ? 食べる気は元より有りはせぬ。ただ卑しくも舐めているだけだ」



 何とこの女の子、お兄さんを舐めるだけでなく、リリの考えている事が分かるのです!

 海であったポンコツさんと同じです! だからと言ってお兄さんをペロペロして良いとは言いませんが。



「奇妙な事を言う小娘だな。これはそもそも小童の物ではあるまい」

「キュ! キュア!」



 そんな事はありませんー。

 リリはお兄さんの物だからお兄さんはリリの物ですー!



「むむ、困った」

「キュア!」



 だから早くお兄さんを返すのです!

 と言うか、お兄さんと同じ姿なんてズルいです! 訴えてやる!



「そう、怒るな」

「キュアーー!!」




 

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