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桜色の盾  作者: 白兎 龍
第一章 魔境
42/59

閑話 小さなリリの割と大きな冒険 その四 「リリは此処で生まれました」

第五位階中位

 



 うーん、うーん、お兄さん。リリは此処です……はっ!?



 少しの仮眠のつもりがぐっすり眠り込んでいた様です。

 太陽が元気良く輝いて海がキラキラしています。



 さっそく二層へ向かいます。





 二層は真ん中に湖がある場所です。


 でも、どうやらお兄さんはいない様です。


 此処にはお友達がいるのですが、取り敢えずその子達の所に向かいましょう。



「グァー、グァ、グァ」

「キュ、キュキュ、キュア!」

「グァ、グァー」

「キュア? キュキュ」



 ……相変わらず何言ってるかわからないですが。


 どうやら大きな怪物が走り抜けて行くのを見たらしいです。


 纏わり付いてくる子達をやんわりと押し退けます、そう! リリは行かなくてはならないのです!






 気付いたら夕暮れです。


 ……子供なのに体力がありますね。

 眠るまで遊んであげるつもりがこんな時間に……


 ……一層に行きましょう。




 夜、岩場の上から一層を見渡します。

 この場所はリリには思い出深い場所でもあります。



 リリが産まれたのは森の中。






 リリは卵から産まれました。


 その時、リリはこう思考していました。



 あれ? 私、昨日何してたっけ?


 と。




 何かに閉じ込められている事に気付いたリリは怖くなって必死に藻掻きました。


 壁を破ったリリを待っていたのは見た事も無い巨大な怪物の群れでした。



 それからは逃げて、逃げて、逃げて、逃げ続けて。



 気付いたらリリは草原で倒れていました。



 自分が誰だったのかも忘れ、何をしていたのかも忘れ、何をすべきなのかも忘れて。



 後に残ったのは訳のわからない恐怖だけ。



 周りに怯えて震えて、一歩も動く事が出来なかったのです。



 そこに現れたのがお兄さんでした。



 その後何やかんやありましたが、お兄さんに撫でられた時、初めて安心出来たのです。




 そうしてリリはリリになったのです。







 うーん、うーん、お兄さん、リリはこっちです……おいてかないで……一人にしないで……お兄さん……。




 ……どうやら眠っていたみたいです。



 一層の出口。


 此処から先はリリにとって未知の世界です。



 でも、リリはちっとも怖くありません。



 何故なら、お兄さんはこの先にいるのですから。




 お兄さん、今、リリが行きますよ。




 リリ、頑張ったのです。


 だから、一杯撫でてください。


 良く頑張ったなって。いい子だって。一杯、一杯褒めてください。


 リリはそれだけで満足です。




 

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